'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
安田記念はダノンスコーピオンに継続騎乗!
2024/5/31(金)
今週は東京競馬場での5週連続G1を締めくくる安田記念が行われる。復活を期すかつてのG1馬ダノンスコーピオンとのコンビ、前走で一連よりもキッカケを掴んだように映るが、相手強化の中でさらなる前進があるだろうか。
日本ダービーの回顧は前回の記事にて先取りでお届けしたが、新たなフェーズに差し掛かる競馬界。残念ながら騎乗予定だった2歳馬は土日の騎乗馬がいずれもパスすることになってしまったものの、来年へ向けて期待したい。
さらなる前進を見込むダノンスコーピオン
——今週は2度、お話を伺うことになります。お手数おかけしますが、よろしくお願いします!今週から3歳馬と年長馬が混じったり、2歳新馬戦もスタートしますね。土曜の話題から伺っていきたいと思います。土曜のイージーブリージーやジーゲルはどうでしょうか。
イージーブリージーは前走が上手に競馬をしてくれたと思います。線の細さはあるのでもう少し力が付いてくれるとより良くなりそうですよ。ジーゲルはいいスピードを持っていると感じました。昇級でどこまでやれるか、といったところでしょうか。
——アハルテケSと言えばジョッキー的には相性のいいレースですね。アスクドゥラメンテと挑まれます。
ここ最近はどうも精神的に走り切れていないようなので、集中力を欠かさないよう気を付けたいですね。ただし、コース自体は合うのではと思いますよ。
——日曜はロードインフェルノに続けて乗られます。
前走はタフな流れでジリっぽいところもありましたし、この距離がどうかと試してみることになりました。変わり身があればと思います。
——イエヴァンポルッカはいかがでしょうか。
精神的に課題はありますが、前走は馬自体が良くなっていましたね。3歳が有利になりやすい時季ながらも、同じような脚を使えればチャンスがありそうです。
——安田記念(G1)のダノンスコーピオンはどうでしょうか?
前走で復調の兆しを見せられました。その後は美浦に滞在していますが、福永祐一厩舎で立て直しに努められてきたので、その効果に期待したいです。
——前走時も状態的には上がる余地がありそうな話でしたね。
そう思います。体のバランスの悪さはもともとだと思いますが、それでも筋肉の質は素晴らしくてフワフワしているような感触。復活の走りを見せられるよう頑張りたいです。
——ゲート自体は前走と同じような具合になりそうですか。
体質的に前に行ってというタイプではないと思いますが、そのあたりは準備をしていこうと考えています。よって枠は気にしていないです。
——以前はモマれ弱さなども指摘されていましたね。
体質の不安から来る面が影響していたんじゃないかと思います。その点も今なら問題ないという見通しです。
昨年末以来となる未勝利
——先週は今年初の未勝利に終わってしまいました。その他のレースについても振り返っていただければと思います。ルージュラフェリアは3着でしたね。
少しハミに敏感なところがあるようでしたが、スローの中で我慢が利きましたね。最後もしっかり伸びて内容は良くなったのかと思います。ゲートで腰を落とすようなところもあって出遅れていたのも今回は大丈夫でしたよ。
——ナファロアは懸念していた精神面の課題でしょうか。
強い勝ち方をしていて期待していました。ただ、テンションが上がってゲートもうるさく出負けしてしまいましたね。そこでこすられたことで余計に気持ちも入ってしまいました。
——出てからかなりゴチャつきました。ゴチャついたことによってテンションが上がったというよりは元からでしたか。
元からでしたね。テンションが落ち着いていれば、挟まれてもあそこまで影響しなかったはずです。
——リンドラゴは2着でした。
後ろからのイメージの馬でしたが、スタートは上手に決めてくれて行き脚も良かったです。リズムを崩すことなく最後も反応してくれました。今回は勝ち馬が強かったように感じます。
——バトルクライは一年ぶりのレースでした。
返し馬でトモの踏み込みが甘くてスタートからスピードの乗りもひと息。追ってからももう一つでしたね。体のバランスや緩さを考慮すると、使いつつかもしれませんね。
——ネイビースターは3着でした。
ここ最近取り組んできた折り合い面の改善に関しては良かったんじゃないかと思います。最後の頑張りも良くなっていますね。課題を全てクリアできているわけではないですが、徐々に良くなっていますね。
——オーネットレオは一旦、勝ち負けかと思いましたが。
モマれ弱さもありますし、最後の甘さはありますが、内容は良くなっていると思います。
——アメリカンチケットはどうでしたか。
指示では「行った馬の後ろで」という話でしたが、1200mのハイペースをハナで競馬をした後だけに難しかったですね。
——夏競馬に差し掛かると、移動も少なくなりますね。直近のスケジュールはいかがですか。
とりあえず遠征は宝塚記念だけですね。
——JRA以外で言えば、発表されている関東オークスやもしかすると夏の交流重賞なども乗られるかも、ということですね。今週は大井競馬さんのYouTubeにも出演されていましたね。ここ最近は大井に行かれることが多そうでしたね。
そうですね。何度かありましたね。
——南関東関連で言えば、今週も騎乗される田中博康厩舎で研修されている競馬学校生は縁のある船橋競馬の厩務員さんの息子さんのようですね。
話題は変わりますが、「競馬場へ移動中の騎手に関するお願い」という競馬会からのリリースもありましたが、戸崎さんも影響はありましたか?川田将雅騎手はSNSで被害を訴えられていましたし、他の媒体さんの記事も目にしました。
自分の場合はそこまではないですよね。将雅とは知名度の違いでしょ(笑)。
——しかし、戸崎さんの場合はバレット兼マネージャーもいらっしゃりますからね。一緒に行動されるでしょうし。
マネージャーといる時もあれば、いない時もありますが、特にはないですよ。ただ、似たような人らがいることは把握しています。それに節内の移動中はもともとお断りしないといけないですからね。
——知名度がないようですが(笑)、先日、サインをいただいた勝ち袋のプレゼントも多数のご応募をいただいたようです。
本当ですか。ええ、そんなにですか。今年でちょっとは名が売れましたかね(笑)。
——戸崎さんのファンであればマナーを守っていただける方ばかりだと思いますし、レース後にウィナーズサークルでサインはかなりされていると、私もSNS等で拝見しています。ということで、サインがいただきたい方は勝つ姿を現地で見届けていただければ、ですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。