'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
メモリアルまであと3!東京競馬場での達成となるか!?
2024/6/14(金)
宝塚記念デーまでは東京競馬場での騎乗となる戸崎騎手だが、当欄をご覧いただいている方々はご存じの通り、JRA通算1500勝の節目まであと3つに迫っている。移籍直後の通算100勝や500勝は中山、1000勝は夏の福島での達成。今回は東京でメモリアルを迎えることができるだろうか。危ぶまれていた天気ももちそうな予報、今週は期待が高まる。
土曜10鞍、日曜7鞍で到達できるか?
——今週は1500勝の節目に迫っていますね。一つ勝つことも簡単なことでないのは承知しておりますが、3勝できるかどうか、注目したいと思います。土曜の新馬ドゥカートは2週連続で追い切りに騎乗されたようですね。
東京ではあと3日間ですよね。何とか決めたいです。ドゥカートは2週続けて乗せていただきましたが、少しモタつきであったり、緩さは感じられました。そこが競馬に行ってどう出るか、ポイントでしょうか。もう少しピリっとしていいのかもしれませんが、エンジンが掛かってからのフットワークはいい走りでしたよ。
——オーネットレオはだんだん安定してきましたね。
この条件に変えてから安定してきているので、あとはもうワンパンチあれば、という段階までは来ているかと思います。
——三浦特別のカニキュルはいかがでしょうか。
中山で乗せていただいた際に東京の方がいい感触を受けました。相手は手強いかもしれませんが、東京でいいイメージを持って臨みたいです。
——立川特別のジョージテソーロは追い切りに乗られましたね。
乗りやすいイメージを受けました。素軽い走りをしていましたよ。3歳同士のオープンで好走できているので、年長馬相手になっても楽しみです。
——多摩川Sのオメガキャプテンは昇級2戦目です。
今回の状態面はわかりませんが、勝った時はいい時計でしたね。このクラスでも能力は足りると思っているので改めて期待しています。前走は休み明けの分の反応の鈍さもあったと思いますからね。
——ブライテストドーンは東京に替わります。
勝っているコースですからね。この舞台で改めて前進して欲しいです。
——日曜のアピーリングルックやリアレストは実戦で騎乗していないものの、追い切りだけ乗られていますね。
アピ―リングルックはレースに行ってから良さそうなタイプという印象を受けましたが、前回も強かったですよね。あの走りができれば楽しみは大きいです。リアレストは乗りやすさを感じましたし、状態も充実していそうですよ。
——相模湖特別のオメガウインクはこの馬に乗ってステレンボッシュに敗れていたことがありましたね。
久しぶりなのでどう成長しているか楽しみです。イメージ的には堅実な印象です。そこはオメガキャプテンと同じようなタイプなのかもしれないですね。
——アサクサヴィーナスは遂に1400mに短縮します。
それなりに走っているのでコンディションは気になるところですが、レースぶりはだいぶ変わるんじゃないかと思います。いい方に出てくれると期待しています。
先週は4勝含む7連対!
——水曜は関東オークス(Jpn2)でイゾラフェリーチェに騎乗されましたが、負けるにしても意外な結果に感じましたが……。
返し馬での感触も悪くなかったんですよね。それだけにここまで負けるとは驚きました。ダートでも勝っていますが、適性がなかったのか……ちょっと掴めないですね。
——先週のレースではヴァルドルチャはいかがでしたか。
春もそれなりに使っていた中で馬自体は良くなっているように感じました。レースもおおむねイメージ通りで頑張ってくれていますね。強いて言えば中山の方が合っているように思います。
——エプソムC(G3)のヴェルトライゼンデは長期休養明けでした。
久しぶりの騎乗ながら凄くいい馬だと改めて感じさせられました。ただし、同時に緩さや久々の面も感じたのも事実です。レース自体は流れに乗れましたね。ですが、追ってからの反応は条件なのか、久々の分なのか……そこはわかりませんが、もう一つでした。ただ、東京コース自体は合うと思いました。実際に走っていましたからね。
——ウェイワードアクトは期待ほどの走りではなかった、という見解でいいでしょうか。
そうですね。夏負けや連戦した影響なのか。このクラスでは素質は上だと思っていましたからね。もっとやれる馬だと思います。
——ムジェロは勝ち馬にしぶとい走りをされて3着でした。
特殊な展開だったと思いますが、昇級でも足りる走りは見せてくれました。コースは東京でも問題ないですね。
——ルージュスタニングは2度目の騎乗でしたが、今回はダートで出走しました。
前回の際はゲートの中で態勢が悪かったのが、今回は上手く出てくれていいスタートを切ってくれました。流れにも乗れて、モタつくところはあったものの、しっかり勝ち切ってくれました。
——ダノンロッキーは惜しい結果でした。
初戦より変わってきてくれましたし、あそこまで行っただけに勝ち切りたかったです。本来はもう少し短い距離の馬かと思っていますが、そこは心身のバランスが整ってくれば、というところ。それでも現状の中では進歩をみせてくれました。
——アルジェンタージョで差し切りを決めました。
返し馬からいい雰囲気がありました。外枠でスムーズに動けましたし、直線もいい反応を見せてくれましたよ。
——サトノクロークは接戦で3着でしたが、東京にも対応した、と言える内容だったでしょうか。
一頭だと集中力を欠く馬だと返し馬では感じました。馬群で密集する方が合いそうですし、東京のよーいドンの展開では分が悪そうです。それでも乗りやすいタイプで、安定して走ってきそうですね。ローカルは合いそうなタイプです。
——スタンリーテソーロは他馬との兼ね合いで厳しい展開でした。
いいスタートを切ってくれましたし、メドの立つ内容でしたが、展開が厳しかったですね。
——アトリウムチャペルは2着でした。
以前より硬さは軽減されたのですが、それでも慢性的な硬さがあるタイプだと感じましたね。
アドマイヤマツリは本来であれば状態的にもっと上がると思いますが、今回は硬さがありながらも地力で勝ってくれましたね。ベルブリエは楽に位置を取れたことが勝因だったと思います。
——ここ最近は伺っていなかったですが、総代表を務める剣道道場の活動も変わらずやっておられますか?
やっていますね。月曜、水曜はなるべく出ていますし、道場自体は金曜や週末も活動があります。今週も道場生の募集のための説明会なんかもしてきました。自分は剣道を教える立場ではないので大変でしたけれど(笑)。
——そういえば、このところ打ち合わせ等々で外でお会いする機会もありますが、なかなか周りには気づかれないものですね。
そんなもんですよ(笑)。(競馬場のある)川崎でも気づかれないでしょ?
——ちょっと意外でしたが、次週は東京も最終週で宝塚記念もあり、日曜は京都での騎乗ですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。