'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
上半期最後のG1はローシャムパークと宝塚記念へ!
2024/6/21(金)
先週はJRA通算1500勝の節目を東京競馬場で達成!また一つ節目を迎えて、かねてより目標と公言されている2000の大台へ向けて前進した。開催替わり前の最終週となる今週は土曜が東京、日曜が京都での騎乗となるが、宝塚記念にはローシャムパークとのコンビ継続。前走のように好勝負となるだろうか。
ローシャムパークにとって好走のポイントは!?
——今週は土曜が東京での騎乗。今週で開催最終週となるだけに、戸崎さんにとっても土曜を区切りに東京で乗ることはしばらく間が空くことになりますね。土曜の未勝利戦で言えばロードインフェルノやミスファントムは直近で乗られて、継続騎乗となります。
ロードインフェルノは距離を延ばした前走でも上手に走ってくれましたね。ただ、ややパンチに欠ける面もあるので、メンバーや展開次第でしょうか。ミスファントムは上手に走ってくれたものの、本質的には1200mでもいいかと思うくらいです。距離は少し短くなるので、この条件でもこなしてくれればと感じます。
——エリカヴァリエンテはかなり久々のレースになります。
新馬戦は攻め馬の感触よりも実戦で対応してくれた印象でしたが、心身がもう少しマッチしてくれれば理想的な内容でした。成長してくれていることを期待したいです。
——ヴェロニカペルシカは2週連続で追い切りに乗られていました。
走りのバランスがもう一つ良くなって欲しいという印象を受けました。実戦に行ってその点が良くなってくると良いのですが。
——アイアムユウシュンは何度も乗られていますね。
もともと期待していた馬です。追い切りも乗せていただいたところ、いい動きでしたよ。レースでも素質通りに力を出し切れればと感じています。
——ネイビースターはダートに戻って3着で引き続き同じ条件です。
芝では中山でも好走していましたが、この条件はベストだと思います。色々とちょっとした細かい課題は数多くあったのが、段々とクリアしてきたと感じますし、いい走りをして欲しいです。
——宝塚記念(G1)はローシャムパークに騎乗されます。枠順は既に発表されましたね。
スタートがそこまで速くはないので外目の枠になったのは良かったと思います。前回は今回より頭数が多い中での内枠でしたからね。
——前走は折り合いの難しい馬で、先行タイプではないながらも内枠と難しい条件でしたね。当時はかなりシュミレーションされたとおっしゃっていましたね。
今回はコースや頭数、展開面も踏まえてもそこまで作戦を練る必要はないのかなと感じます。ただ、展開はある程度、はっきりしそうですね。
——こちらの印象では小回りで展開が流れるような条件がベストなのかなと感じます。
一番は折り合いがポイントの馬だと思います。追い切りでも行きっぷりは良くなっているように感じました。条件的には、時計の掛かる馬場で展開が速いと理想なのかなと見ています。
——週末は雨予報です。ここへ来て走り方も改善されたことで道悪に関しての適性は変わってきそうですか?
走り方の成長からも以前よりこなせると思いますし、馬場の程度にもよると思います。それでもどちらかと言えば馬場はあまり悪くならない方がいいのかなと思います。函館記念もしぶった状態で勝ってはいますけれどね。中山で負けた時の印象はありますし、道悪といってもどれだけの程度かによりますね。
——戸崎さんとしては上半期のG1で上位に入ることは多かったです。今回に向けて、意気込みをお願い致します。
上位に来ていたとは言っても、人気馬も多かったですからね。また、違ったレースになりますし、前回とは違って相手関係も変わりますが、ベストを尽くしたいです。
大目標の2000勝へあと500
——先週はオメガウインクで節目の勝利となりました。おめでとうございます。
ありがとうございます!
——伺っている限り1000勝の時ほどピンとこない数字かもしれません。1000勝の際は色々と作らせていただいたり、催し物等もありましたね。
まあ、そうですね。やっぱり4桁の時の区切りは特別な達成感がありますかね。それでも目標の2000勝へ向けてやっていければと思います。決して簡単なことではないですが……。
——ここから何年かかるか、ですが、大台へ向けて一つ一つですね。メモリアルとなったオメガウインクの走り自体はどうでしたか。
走る時のフットワークはもともと良かったのですが、精神面の課題がある印象でした。そこにゆとりが出てきましたね。先々も楽しみです。
——2走前は強い内容だっただけに前走は案外な結果でしたね。
不利を受けて走る気をなくしてしまったのかもしれませんね。どうしても前日に走ったお兄ちゃん(オメガキャプテン)と比較してしまいますが、兄よりも味があるといいますか、先々はありそうな感触を受けましたよ。
——そのオメガキャプテンは出遅れたにしても、物足りなさを感じました。勝ち上がってきた時のパフォーマンスを思えば、もう少し脚を使えていいんじゃないかと感じました。
そうですね。展開的に出遅れは痛かったですが、もう少し頑張れていいのですが。2勝クラスはいい勝ち方をしたのでやれそうなんですけれどね。
——オーロイプラータはいつもよりいい位置にいるなと感じたので、あとは伸びるだけかと思ったのですが。
イメージでは流れについて行けず、最後にいい脚を使うという印象でした。スタートもよく、二の脚もよくスムーズに立ち回れているな、なんて思ったのが、最後は手応えが怪しくなってしまいましたね……。
——リアレストも人気ほど走れず、アレっという結果でした。
ペースが遅くなったのは分が悪いと思っていましたが、走りのバランスがもう一つでした。歩様も硬くなり、フットワークが乱れるようなところがありましたね。
——アピーリングルックは前半を見ると心配になるようなところがありますが、終わってみれば圧勝でしたね。
折り合いが難しいというよりはテンションが高いです。攻め馬とは違った部分でしたね。いい内容で走ってくれて、強かったですよ。マイルでも問題ないと思います。
——新馬のダノンブランニューは差し切れるかなと思いましたが……。
ハミ受けの難しいところがある、とは聞いていたのですが、返し馬から大丈夫でしたね。レースは忙しかったですし、追い出してから前を抜かさないようなところもありましたね。もう少し伸びていい感触も受けました。距離は延びても良さそうですし、パワー型かもしれません。気性面は改善できるといいですが。
——ロンフォンは惜しい2着でしたね。
枠は組み立てやすそうで歓迎できる条件でした。ただ、最後は外から一頭やられてしまいましたね。ベストは東京1400mかもしれませんが、開催が終わってしまいますからね。福島なら1200mがいいのかもしれません。
——こちらもテン乗りのジョージテソーロは3着でした。
いいスピードをみせてくれたものの、2着馬を交わせないあたりは精神面の課題もありそうですね。
——カニキュルは少頭数ながら快勝でしたね。
テンションの高さは相変わらずなところがありながらも以前より良くなっていましたね。レースも上手でしたし、速い上がりも使えたのは収穫ですね。
——ドゥカートは懸念されていた面もあったかと思いますが、もうひと伸びあるかと思いました。
もう一つ感触的には欲しかったですね。使ったことで反応が上向いてくると良いですが。
——次週から開催替わり。今年も基本線としては福島と新潟とのこと。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。