'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
開催リーディングなるか?福島最終週は22鞍の騎乗!
2024/7/19(金)
今週で最終週を迎える夏の2回福島開催。週末の天気予報は気温がさらに高まりそうなだけに厳しい暑さの中での競馬を強いられそうだが、土曜は12鞍、日曜は10鞍の騎乗となる。最終週をいい形で締めくくれるだろうか。
土曜は今年2月以来のフル騎乗!
——今週もよろしくお願いします!土曜は12鞍ですね!
えっ12鞍?それは知らなかったな……。入らなさそうな馬がいたので、入ったから全鞍になったのでしょうね。さすがに多くなりそうだったので、騎乗数が多いことは把握していましたが、全鞍ではないと聞いていたのでね。
——しかし、テン乗りの馬ばかり、ということになりますね。基本的に乗ったことのある馬を中心に伺っているので、あまり話題にできる数は多くはありませんね。土曜のバロネッサは今回が初ダートになります。
走りもしっかりしていますし、ダート自体に悪い印象はありません。スタートはあまり速くないだけ、その点はポイントになりそうですね。適性は感じているのでいい方に向いてほしいです。
——ダートを試すにしても、1700mよりも1800mの方がいいタイプですか?
いや、距離に関しては1700mの方が合いそうですね。あとは枠などもいい条件を引けるといいですね。
——TUF杯のマーブルマカロンは再び1400m未満の距離に戻ります。
この条件がどう出るか、といったところですが、長くなるよりはいいですからね。気性的に何か邪魔をしてしまうようなところもないとは言えませんが、この距離で期待しています。
——日曜のエネルゲイアは2戦目になります。
ブーケファロスの弟ということで乗り味自体はいい馬でしたからね。距離の忙しさは感じた面もありましたが、一度叩いたことの上積みがありそうです。
——新馬のブラックルビーは追い切りに騎乗されましたね。
体重こそありませんが、体の強さなどは感じましたね。実戦でどんな走りをしてくれるか、楽しみです。
福島開催3週目は3勝
——先週のレース回顧に移らせていただくと、プレミアペガサスは長期休養明けからの復帰戦でした。
馬は久しぶりの感覚は受けなかったですし、とてもいい雰囲気でした。展開的に外を回らされて厳しい形でしたし、勝ち馬も強かったと思いますが、よく頑張ってくれていると思います。
——エターナルタイムは2着でした。
上手く運べた感覚はあっただけに、あとは結果だけでしたね……。
——プリュノワールは前走がちぐはぐな内容に感じましたが、好内容でしたね。
こちらは条件が合っていたことが大きかったと思います。どちらかと言えば先行馬も残れる馬場で内枠だったとはいえ強かったですね。
——ケイアイマハナは関西馬でしたが、新馬勝ちでしたね。
能力を感じた内容でした。まだ若さが感じられて、それでも勝ち切ってくれましたね。気性的に成長できると思いますし、1200mも忙しいのかもしれません。選択肢はありそうですね。
——マイネルアレスはどうでしたか。
一度使ったことで随分、前向きさが出ているように感じましたね。その分のロスは最後に響いたと思います。
——カピリナは芝でいい勝ちっぷりでしたね。
能力は感じていたので、これくらい走ってほしい馬でした。
——ただ、芝、ダートどちらかという判断ははっきりしない感じでしょうか。
やっぱり上に行けば行くほど適性は求められますからね。それでも、1200mになるのは良いと思っていました。
——前回は好走しながらも、立て直した方が良いとおっしゃっていましたね。
そこはまだまだですね。それだけしっかりすれば伸びる余地はあると思うんです。
——所属する田島厩舎のメモリアルでしたね。
少しは貢献できて良かったです。先生はもっと早く決めたい思いもあったでしょうが、自分としてはいいタイミングで勝てて何よりでした。
——パウオレは3着でした。
モマれると弱さがある中でも頑張ってくれましたね。
——ステイトダイアデムは2着でした。
いいスピードは見せてくれました。追ってからもう一つの面が良くなれば理想ですが、課題の折り合い面も何とかなりましたよ。
——パレスドフィーヌは3歳同士の争いと思っていた中でここまで崩れるとは思わなかったです。
自分のリズムで行けないと、難しい馬なのかもしれません。ハナに行ければまた違ったと思います。ただ、スタートももう一つなので、そういう展開に持ち込みつらいですからね。芝も合うと思うので、次は違った形を試して良さそうです。
——ルチアーナはかなり追走できていない中で追い込んできましたね。
前と後ろの繋がりがもう少ししっかりして、体を使えるようになるといいですが、最後はよく追い込んでくれましたよ。
——マックスキューは話題にもなっていた一頭でしたね。
自分の進路取りも良くなかったですね。それでも能力はあると思います。
——今週も読者からの質問にお答えいただきたいと思います。「地方競馬も経験されていたからこそ伺ってみたいのですが、日中の競馬とナイター競馬、どちらが好きですか?」とのことです。
昔はナイターが好きでしたね。今はどちらかと言えば、昼になりますかねえ。それは生活サイクルの問題ですね。
——夏場と冬場、どちらが良いとかはありますか?
いや~冬場ですかね。冬は対処のしようがあるじゃないですか。夏はどうしようもないですからね。
——「海外の競馬に乗りに行った時、日本の競馬との違いをどのような場面で感じましたか?」という質問ではいかがでしょうか。
大きく言えば、騎手として行く分にはさほどの差を感じなかったです。もちろん馬場の違いなどはありますが、競馬は基本、一緒だなと。検量のシステムに差があったり、道具が制限されたりとかはありますけどね。日本の環境は素晴らしいとも感じました。
——馬具で言えば「戸崎騎手の腹帯を付けてレースに騎乗されていることがあると思うのですが、交換やプレゼントされたりするのですか?」という質問もあります。
腹帯は足りなかったりした時に貸したりしているだけですね。実際、僕も把握しておらず、バレットなどの判断で貸すこともあるようです。だから、使われていることも知らない時はありますよ。
——「44歳の抱負などはありますか?」というタイムリーな話題です。
特にはないですかねえ。変わりなく、一つ一つ、丁寧にですかね。
——「先日は1500勝達成おめでとうございました!いつかまた1000勝記念パーティーのようなイベントは企画されたり、など考えていらっしゃいますか?もし開催されたら行ってみたいと思いました」とのことです。
需要があれば、また機会があれば、できたらいいなと思います。
——続いて「お誕生日おめでとうございます。いつも若々しい戸崎さんですが、若い頃と比べて年齢を感じるなと思った出来事などはありますか?」という質問ですが。
酒に弱くなったことですかね。それでも同じ量は飲みますけどね!
——「過去の馬も含めて1番乗ってみたいと思う馬はどの馬ですか?」という質問はいかがでしょうか。
ディープインパクトですかね。
——そういえば、先日、示唆されていた髪型はけっこうガッツリ刈り上げられたようですね。
見ましたか?あそこまで短くしたからと言って、暑さは変わりないですが、時季的にも短めという話でお任せでああなりました。髪を洗う時は楽ですね。
——次週からの2回新潟は特殊な開催スケジュールですね。今から準備されたりしていますか。
いや~どんな雰囲気になるのか、想像がつかないですね。今のところ通常より遅い時間帯も依頼があれば、普通通りに乗せていただく予定です。
——次週もよろしくお願いします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。