'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
レパードSはミッキーファイトに騎乗!
2024/8/2(金)
今週、次週と2場開催での新潟競馬。それ故に福島と比べると、乗り鞍は自ずと少なくなるが、中でもレパードSは注目。今年から秋のJpn1レースのステップレースにも様変わりしただけに何とか結果を残したいはずだ。
前走を糧にしたいミッキーファイト
——今週は3歳ダート重賞のレパードS(G3)が行われます。ミッキーファイトと挑まれます。
能力はありますからね。前走は窮屈な競馬になって出し切れない結果になってしまいました。今回はそうならなければと思っています。
——前走時の際には、京都への輸送や間隔が開いた分など未経験の要素があったものの、強いて課題を挙げれば大きい馬ということもあり、外枠の方が良い、という話はしていましたね。現時点で枠順はまだ決まっていませんが。
2走前のようにスタートが速い方ではないですし、大型ということもありますね。前走も早めに外へ出そうとはしていたのですが、周りとの兼ね合いで上手くいかなかったですね。
——コーナー角度がキツいとされる新潟コースで言えば、より流れに乗ってスムーズに、という立ち回りができる条件が良さそうですね。前走時は「率直に期待」としつつも「やってみないとわからない面もある」とはおっしゃっていました。今回も初コースとなります。
左回り自体は東京で経験していますが、コーナー4つでのコース形態でどう対応してくれるか、という未知な面もありますね。状態は良いそうですが、これだけ暑いので季節にも対応してくれれば幸いです。先週の土曜は今までの新潟の中でも一番暑かったように感じました。日曜は良くなりましたが、厳しい気候でしたね。
——今週土曜の騎乗ではルチアーナは新馬戦では2着でした。
前走は流れに乗れず、体の動きが伴ってくるまで対応できませんでしたが、最後は追い詰めてくれましたね。体質面が変わってくれれば、もっと違ったレース運びになると思います。
——リチャは福島に続いての出走です。
レース自体は上手な馬でどんな形にも対応してくれますね。強いて言えば1700mの方が合う印象もありますが、こなしてくれそうですね。
——ホウオウラスカーズは2走前以来のコンビです。
ゲートが決まらないこともあるようなので、そこには気を付けたいですが、ラストの脚はしっかりしている印象です。今の馬場もこなしてくれそうですね。ただ、外回りコースだからと言って、前も残るので、ゲートは出て欲しいですね。
——新潟の芝のコンディションはどうでしょうか?
時計は速いですね。ただ、だからと言って硬さを感じる馬場ではありませんでした。ひと昔前と比べると、時計が速いイコール馬場が硬いということは減ったように感じます。
——日曜の新馬のスカイタワーは追い切りに乗られたようですね。
追い切りに乗せていただきました。動き自体は良かったですよ。
3勝も惜敗もあった開幕週
——今週は色々と伺いたいこともありましたが、お忙しいようで手短にとなります。アパイシュナールは連勝して臨みましたが、8着と崩れてしまいました。
クラスも上がったことでいつもの展開に持ちこめなかったですね。砂を被ること自体は大丈夫でしたが、クラス慣れは必要そうですね。状態自体はいいレベルで仕上げていただいたと思います。
——アイビスSD(G3)のファイアダンサーは昨年に続いての出走でした。
昨年は暑さの影響もあったようですが、今年はそこまで体調の悪さを感じなかったのですが……。スタートも思っていたより出て、流れについていけたのですが、早目に手応えがなくなってしまいました。
——となると、馬場の問題ですか?
いや~直前にひと雨あって、影響するくらいの量は降っていたと思いますからね。
——マルディランダのレースは流れが速くなると思いましたし、終いは活かせそうに感じたものの、快勝でしたね。
思っていた以上の走りでしたね。新潟でも1400mのコース形態がどうかと思っていましたが、この距離でむしろ良さが出ましたね。
——昨夏は休み明けでテンションが高くなることもあったようですね。今回も似たような臨戦過程でした。
テンションはよく言えばギリギリ。いつもの元気の良さを感じました。ここ最近は道中でマジメに走り過ぎていたところもあったようですし、1600mでいい勝ち方をしていた時も今回のような走りでしたからね。現状は1400mは良いでしょうし、マイルより1200mで終いを活かす方がいいのかもしれないです。
——ルージュレアリーズはいかがでしたか。
まだ非力な面が目立ちましたね。競馬自体は上手に走ってくれました。
——モルティフレーバーは暑さの影響も懸念されていたようですが、いかがだったでしょうか。
走りや乗り味のいい馬です。ただ、テンの行きっぷりの悪さは暑さの影響もありそうですね。それでも走ってきそうですよ。
——スカイブルーはダート替わりでした。
スタートが速くダートは合っている走りでしたね。
——ダノンブランニューは前走より着順を落としてしまいました。
初戦も難しいところ、修正すべきところはあったのですが、追ってから内に刺さったりと難しかったですね。
——ストリンジェンドは申し分ないレースに感じましたが……。
そうですね。上手に走ってくれましたし、前走より上積みを感じたほどです。
——フライライクバードは昨年と同じレースに出走もまたしても6着でした。
これはハミに乗っかかってくるところがあり、上手く乗ることができなかったですね。
——スイープアワーズは今年、好成績の友道厩舎とのコンビでしたが、まさかの結果でした。
硬さが気になりましたね。これは力を出し切ってあげられませんでした。
——兄に活躍馬が数多くいたフォティーゾはどうでしたか。
もう全くハミを取ってくれなかったですね。暑さの影響もあるのかもしれませんが、それにしてもここまでだと何が原因かとは言い難いですね。
——エコロアゼルは新馬勝ちでした。
余裕のある走りでしたね。ハナに行きたかったので主張しましたが、最後までしっかりしていました。
——カロローザも惜しい結果でしたね。
レースも上手でしたし、能力はありますね。もう少し距離があっても対応できそうです。
——読者からの質問も今回と次回で一旦最後になります。今週もよろしくお願いします。まずは「勝った時に馬の鼻を撫でている様子をウィナーズサークルで見る機会があります。勝たなかった時にもされていますか?」という質問からです。
ただ、負けた場合だと、あまり時間がないですからね。引き上げてきたら馬から降りて、検量室へという流れなのでそういうことは少ないです。
——「応援の掛け声は『戸崎さん・圭太さん・とさきー!・けいたー!』どれがいちばん嬉しいですか?他にご希望の呼び名があれば教えてください」という質問ですが、確かに人によってバラバラかもしれませんね。
う~ん、何とも言い難いですね……。その人やその時のテンションにもよるんじゃないですか。ヤジを飛ばされる場合もあるでしょうし(笑)。
——仲のいい関係者の方々は名前で呼ばれるイメージですよね。
そうですね。自分でも名前は気に入っていて、呼びやすい名前だと思っているんです。
——お子様の命名でも名前で呼びやすいよう意識されたとおっしゃっていましたね。
はい、そうしました。
——かといって、ファンからも名前で呼ばれるのもピンとこない感じですか。
難しいですね……(笑)。
——続いて「以前に騎乗されていて、今は他の騎手が騎乗されている馬とレースで一緒になった時には、どのような気持ちで接しているのでしょうか?」といかがでしょうか。
馬がバッティングしたケースもあるでしょうが、乗り替わりになった場合、ということですよね?でも、乗り替わりになるからには、それ相応の理由があるわけで、そこは受け止めていますし、理由を反省すべきですよね。レース中は全く気にならないのが本音です。もちろんこの馬を負かしてやろうなんて特別に感じることはないです。
——常々、騎乗馬は自分の馬だと思っていないとも語っていただいています。
そう思いますからね。こういう乗り替わりは日常茶飯事みたいなことですし、戦略上、ライバルだと感じる馬がいるとしても、それより特別な意識はないですね。
——最後に「ウマ娘の映画やアニメはご覧になりましたか?」とあります。
ウマ娘はアニメも観たことはなければ、ゲームもやっていないので詳しくないです。
——もともとアニメやゲームという話も伺わないですね。「ウマ娘のゲームのフリオーソは戸崎騎手がモデルとの噂がありますが、ご自身に似ていると思いますか?」という話ですが、自分は初耳でした。ただ、確認してみると確かに似ていますね。
ただ、フリオーソの勝負服自体がなかったので、僕の地方競馬時代の勝負服がイメージになっているようですね。そこは聞いたことはあります。
——駆け足でお送りしました。変則スケジュールの話やオリンピックなどにも伺いたいところでしたが、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。