'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
レパードSを勝利!今週は初コンビの騎乗馬で関屋記念連覇なるか?
2024/8/9(金)
初タイトルを手にしたミッキーファイト 今後は成長に期待
——先週はミッキーファイトでレパードSを勝利!おめでとうございました。窮屈な競馬を強いられた前走からのリベンジ、今年からレースの位置付けも変わったことで重要な一戦だったかと思います。
その通りだったと思います。まずは本当に勝つことができて良かったと思います。
——それでもかなり大きな馬でもあり、この枠順。厳しい条件を強いられたように感じました。
正直、最内枠を見てどうしたものかと感じました。1枠になったことでやれることが限られたなと。展開が上手くいくことを願うばかりでしたね。
——それでもレース運びは上手くいったように窺えました。
一番は窮屈な形にならないよう意識しました。いつでも外に出せるように、ですね。その準備をどうすべきかは気にしていました。ただ、こればかりは自分一人ではどうにもいかないこともありますからね。行きたい馬もいましたし、その中で自然と前につけられて、運の要素も必要ながら上手くいったと思います。
——コーナーから直線にかけてなどはもう少し改善の余地があるのかなと感じましたが。
いや、左回り自体はそこまで問題なかったですよ。それよりもまだまだ固まってくるのはまだまだ先だと思います。成長が必要じゃないでしょうか。
——賞金を加算できましたし、今後はより一層、手強い相手との争いになりますね。
今年の3歳は完成度もレベルも高いと思いますからね。そこらとやってくるにはいい成長を遂げられるか。今後に期待したいです。
——よく大型馬は暑さに堪えやすいという話も耳にします。暑さの中で勝ち切ったことは大きいですね。
状態は良かったと思います。この中間もしっかり攻めていたようですし、その中でいい状態で臨めたことは何よりでした。スタッフや馬に感謝です。
——今週の新潟はまた暑そうですが……土曜のマイネルアレスやサラフォーコンは継続騎乗ですね。
マイネルアレスは前走が一度使ったことで気が乗ってきていました。そこは気を付けて臨みたいです。サラフォーコンは距離が短くなることは良さそうですね。
——ディバイングレースはいかがでしょうか。
ここのところ安定走っていますね。道中のリズムが重要な馬だと思います。その点、新潟の1400m戦は良さそうです。
——日曜のコスモフレディやタッカーバレットも乗られたことのある存在です。
コスモフレディは競馬が上手でいい立ち回りをしてくれると思いますが、体が浮いて走ってしまうところがあるので、改善してくると、なお良さそうです。
——新馬のマスカレードボールは1週前追い切りに騎乗されましたね。
素質は感じました。その中で追った際にまだ前と後ろのつながりがもう一つといった感じは受けましたね。
——活躍している馬が上にいる血統ですね。
種牡馬は違うようですが、こちらはマイルくらいまでの馬なのかな、といった感覚でした。気性は気を付けた方が良さそうですが、どんな走りをしてくれるか楽しみです。
——テウメッサやアドマイヤラヴィも乗られたことのある馬たちです。
テウメッサは先週の新潟の馬場が硬かった面がどう出るか、心配なところもありますが、昇級してもやってくれそうです。アドマイヤラヴィは乗せていただいた際にスタートが上手くいかなかったので気を付けたいですね。
——関屋記念(G3)のジュンブロッサムは初騎乗です。
あくまで印象になりますが、ここへ来て馬も良くなっているのではないでしょうか。古馬になってからは重賞初挑戦ですが、どんな走りをしてくれるか楽しみです。関屋記念は開幕して比較的序盤に行われるため先行馬も活躍する傾向もあるのでそんなレースができればいいですね。
2回新潟は6勝!
——先週のその他のレースではアルトゥームはいかがでしたか。
もう少し前で競馬がしたかったのですが、なかなか行き脚が付かなかったですね。後方になってしまったことが大きなビハインドになってしまいました。
——ハニーコムは立ち回りが良かったです。
競馬が上手な印象を持っていました。あれこれ考えず運びましたが、順当にこの馬の力を出してくれたように思います。
——スカイタワーは惜敗でした。勝ったかと思いましたが。
凄く乗りやすくいい走りでした。まだ良くなってきそうですし、攻め馬から能力を感じた通りのいい走りでした。
——こちらも新馬のウィルサヴァイブも惜しい2着でしたね。
距離に関してはマイルが上限といった印象でしたが、センスがあっていいスピードの持ち主ですね。
——チカミリオンは道中の走りをみていると、新潟がどうかなと感じました。
道中で若干フワフワするところがありましたね。それでも走ってくれましたし、今後も走ってくると思います。
——リチャは大敗。暑さの影響でしょうか……。
こんなに負ける馬ではないと思うのですが……。夏場の気候が良くなかったのか、ドンと勝負に行き過ぎると良くないのか。いずれにしても負け過ぎですね。
——シンフォーエバーは新馬勝ちです。
素軽い走りをしていましたね。展開にも恵まれましたし、楽な勝ち方をしてくれました。ダートもこなせなくなさそうですよ。
——レイナデアルシーラはお母さんのアンデスクイーンに騎乗されており縁のある血統でしたが、メンバーが集まりやすいレースとはいえ、上位には食い込めなかったですね。
スタートがもったいなかったですね。扉の音に驚いてしまいました。道中でリカバリーがきいて、勝負できる位置まで行けましたが、伸び切れなかったですね。
——今週も出先のようですが、先週は特に予定があったようで聞けなかった話題もありました。新潟開幕週では笹川翼騎手がJRAで初勝利でしたね。最終レースの時間帯も遅いですが、一緒に乗られていたので、戸崎さんはどうされるのかなと思いながら見ていました。
良かったですね。本人は凄く喜んでいましたよ。
——大井の後輩でありながら実際は在籍期間が重なっていない間柄ですね。
そうなんですよね。自分がいた頃とは違って中央に乗りにくることも簡単ではないと思いますが、これに満足せずどんどん乗りに来て欲しいです。騎乗依頼が集まっていること自体、すごいことだと思いますし。
——先日は地方通算2000勝を達成されたようですね。史上2番目のスピード記録と。
そうらしいですね。若いのにすごいですよ。
——大井出身騎手としては戸崎さんを抜いて最速になったそうですね。
ん?そうなんですね。それは知らなかった。
——先ほど馬場が硬かったといったお話をされていましたが、やはり天候の影響はありますか。
あるでしょうね。先週は土曜が何とか大丈夫でしたが、日曜は暑さがかなり厳しかったですね……。雨もないと硬くなるのは仕方ないですね。
——先日からお答えいただいている読者からの質問ですが、ひとまず今回で最後になります。後藤旭さんより「僕も育成牧場で馬に乗って調教をしています、最近上手く乗れずに、落ち込む日々が続いています。その時の気持ちの持ち方であったり、アドバイスがあれば教えてください!」という質問です。
やっぱり今の自分を受け入れることなんじゃないですかね。足りない点が見えてくると思います。いい時も悪い時もありますが、そういった繰り返しで良くなると思うので。
続いて「馬乗りに必要な筋肉、体幹などのトレーニング方法を教えてください!」とのこと。こちらはトレーニングにも取り組まれている戸崎さんですが、なかなか同じ内容は大変そうですね。
一番は体幹が重要ですかね。バランス感覚であったり。あとはまずは馬に乗ることが増えるといいのではと思います。経験を積んだ上で、また違った取り組みをしてもいいのではと思います。
最後に「好きな歌、歌手がいましたら教えてください」とご本人は答えなさそうな質問ですが(笑)。
そうですね~。全く聞かないわけじゃないんですけど、特にはないかな(笑)。
——残り4週間の新潟です。引き続きよろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。