'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
サマーシリーズ制覇!レッドラディエンスと新潟記念へ
2024/8/30(金)
北海道に赴いた先週は残念ながら結果を残せなかったが、いよいよ今週で夏競馬も最終週になる。夏の越後を締めくくる新潟記念は七夕賞を制したレッドラディエンスとのコンビで臨む。勝てばサマー2000シリーズは文句なしの覇者になるものの、ハンデなど条件は異なる。夏競馬をいい形で締めくくれるか、台風接近で開催自体も危ぶまれるところだが、好結果に期待だ。
——今週は新潟記念(G3)でレッドラディエンスに騎乗されます。前走で争った相手もいたり、3歳馬もいますが、いかがでしょうか。
一番のポイントと言えば、やっぱりハンデ(58.5kg)ですね。そこだけはどうなるか、未知な面もありますが、条件や能力からも戦える存在だと思っています。
——前走は福島がベストではないと言った見通しながらも勝利されました。今度は新潟になります。
新潟がベストかと言えば、そうとも感じないですし、実際のところどの競馬場でもこなしてくれるタイプなのかと思います。多頭数のドスローで窮屈な展開になったりでもしない限り、まとめてくれる印象はあります。
——一連の話を聞いている限り、何かしら条件面のアシストは欲しいものの、安定していますよね。今週は開催が心配になる天気予報。道悪もそれなりに対応しそうですね。
さすがにドボドボの馬場になってしまったらわかりませんが、大丈夫じゃないですかね。
——一瞬の判断を要する騎手の方に伺うのもよろしくないですが、サマーシリーズ制覇が懸かっています。ポイントを意識した騎乗になりますか?
いや~意識するも何も、結果を出せばチャンスは近い立場ですからね。前走の2着馬もいますが、いい結果を残すようベストを尽くすだけですよ。
——同じ厩舎のジャスティンミラノは皐月賞での返し馬の行きっぷりは心配になるところもありました。この馬の場合、レースに向かうまでの気配などは気になるところはありますか?
いや、この馬の場合は気にならないですよ。レース含め、乗りやすいし、ウィークポイントの少ないタイプです。
——あとはここでも好結果を期待します。土曜のサラフォーコンやハートライトは騎乗されたことがあります。
サラフォーコンは前走で距離を縮めてスピードを活かしてくれました。ここでも同じような形ができればと思います。ハートライトは当時から芝の方がいいんじゃないかなと感じました。未勝利戦も最終週なので頑張ってほしいです。
——アトリウムチャペルは継続して乗られていますね。
硬さがあって、パフォーマンスに影響している印象はあります。その中でも前走は雰囲気が良く走れていました。少し柔らかみが出るといいですね。
——ルチアーナは新馬から3戦目です。
レースは上手になってきていますね。最後に脚は使えるので、あとは相手関係次第でしょうか。
——先週はキーンランドCでダノンマッキンリーに騎乗されましたね。
返し馬から歩様の硬さを感じました。追い切りでもその兆候は感じる面もあったのですが、レースにいけば大丈夫だろうと思っていました。まだ背腰も甘さがありますし、3歳ですからね。成長する余地もあると思います。懸念されていた精神面は問題なかったです。それももしかすると、硬さがあったことに影響しているのかもしれませんね。
——結果は振るいませんでしたが、WASJはいかがだったでしょうか。
まずはJRAチームが勝てたことは良かったです。今年も楽しくて華やかなイベント、シリーズに出場できたことは何よりでしたね。いい結果を残せなかったのは何とも悔しいところですね。
——そのほかのレースではトラペジストやロンフォンで2着でした。
トラベジストは1200mでは忙しく、1500mは合っているのだと思いました。ロンフォンは上手に走ってくれましたが、前を捕らえられなかったです。ただ、勝ち馬は強かったと感じました。
——今週は台風接近でイレギュラーな開催となりそうですね。1週早いところですが、今年の夏競馬はどうでしたか?
今年に限らずですが、暑い中、馬たちがよく頑張ってくれました。昔に比べれば馬房にエアコンがついたりなどの暑さ対策もあるようですが、厳しい暑さの中での走ることに違いはありません。馬たちには感謝したいです。
——新潟リーディングは現在2勝差で2位という位置づけです。
今年はクリストフがいて、よく勝っていますよね。その中でも今週も頑張れたらと思います。
——今年は新潟で「今までで一番の暑さ」といった表現もされていましたね。
そうですね。去年も平均的に暑かったのですが、今年は湿度が高い日があって、それが厳しかったです。自分は湿度に敏感なのか、湿度が高い日は余計に厳しく感じました。
——夏競馬の中で一番疲れた日は乗り鞍の多かった福島最終週でしたか?
いや~それよりも湿度と気温が高い日が2度ほどあって、そちらの方がしんどかったですよ。
——次週から中山開催になります。1週目、2週目と中京での騎乗もありますね。まずは紫苑Sのホーエリート、セントウルSのダノンスコーピオンに騎乗ですね。次週も改めてよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。