'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
オールカマーはサリエラと久々のコンビ!
2024/9/20(金)
3日競馬となった先週は残念ながら重賞での好結果とはならなかったが、勝ち星は継続して挙げられた。3日間開催後ということもあり、通常よりはタイトなスケジュールの中、木曜には園田で招待競走の騎乗もあった。当週末は中山での騎乗。雨予報も聞こえるが、好結果となるだろうか。
ブリンカーの効果に期待したい継続騎乗馬たち
——園田でゴールデンジョッキーカップ終わりということで短い時間になりますが、よろしくお願いいたします!今週は土日ともに中山ということで、まずステークホルダーは福島で2着でしたね。
当時は良いスピードを見せてくれました。今回はブリンカーを試すと聞いていましたが、タイプ的に言えばいい方向に向くのではと感じています。
——先週の芝も前が残るレースもありましたね。
日曜は中京だったのでわかりませんが、乗っている感触では硬さはないんですよ。むしろ凄くいいコンディションだと感じるほどです。それは開幕週も同様でした。3日間開催でいえば月曜は雨の影響も多少あるように感じましたね。高速馬場だとスピードに対応できるかどうかは重要ですが、必ずしも前有利かと言われればそうでもないように思います。
——ヤマメキングは所属の田島厩舎ですね。
まだ追ってからの反応など良くなりそうな余地もありますし、本質的にはダートかもしれません。ただし、まずは芝からというケースはありますからね。どんな走りをしてくれるか、頑張って欲しいです。
——アイザックバローズは2週前ですか、栗東で乗られましたね。
トビがゆったりしていて長距離戦が向く印象を受けました。初めての中山で前進して欲しいです。
——土曜メインのパウオレはどうでしょうか。
こちらもブリンカーを着けるようで、効果はあるんじゃないかと期待しています。モマれ弱さがあるだけに枠順や並びも重要な馬だとは以前もコメントしたと思いますが、その辺りも馬具の効果を見込みたいですね。
——日曜のジャグアールは2走振りの騎乗です。
中山で勝たせてもらいましたが、どうもその後は1200mに適性が傾いているように感じました。そこは気になりますね。
——ホウオウカブキは昇級初戦です。
前走は強い勝ち方でしたね。あとは久しぶりの分がどう影響するか、でしょうか。雨は降りそうな予報ながらも、現時点での馬場状態はどちらでも大丈夫じゃないでしょうか。急かすと良くないイメージがあるだけにリズムは重視したいです。
——オールカマー(G2)のサリエラは追い切りに乗られていましたね。
追い切りでは順調さを感じました。勝った時は強い内容でしたし、その後も重賞で健闘しているので力を出し切って欲しいです。
——メモリーグラスは昇級初戦です。
前走はコースに対応して走ってくれました。持ち時計があるわけではないので詰められるといいですね。
3日間開催は3勝!
——先週のレース回顧もお願いします。セントライト記念(G2)のアスクカムオンモアは6着でした。
う~ん、もう少し行きっぷりのいい馬だと思っていたので、行けずに案外でした。むしろすごく乗りやすいくらい。切れるより長く脚を使うタイプでしょうし、道中からもっと手応えがあるくらいだと良かったのかなと思います。追い切りにも乗せていただいて、イメージとは違う雰囲気でしたね。
——バロネッサは2度目のダートで勝利されました。
スタートをしっかり決めてくれて、あとはスムーズでしたね。あとはロスなく運べればと思っていました。
——先週、話題にし忘れてしまったのですが、新馬のイミグラントソングは追い切りにも乗られていましたね。
レース自体は乗りやすくて上手に走ってくれています。感触的には使って上向きそうでしたよ。
——ローズS(G2)のカニキュルはどうでしたか。
返し馬の時点でハミの取り方が強くなっているように感じました。折り合いには気を付けて臨もうと思っていたのですが、1~2コーナーで極端なペースになったのも堪えましたね。リズムを崩されました。
現時点では器用さも劣っている面もあるので、すんなりとした流れの方が良かったです。前走はいい走りをしてくれただけに同じようなパフォーマンスを発揮できていれば、という思いです。
——アリエスキングは2着でした。
いいスタートでリズム良く行けました。外に張る感じがあったので、持っていきたいところでマクられたのは痛かったですね。それでも最後までしぶとく来ていますが。
——エコロガイアもテン乗りで2着でしたね。
バランスも良い印象でスピードの乗りも良かったです。最後もしっかり反応してくれましたが、今回に関しては勝ち馬が手強かったです。距離に関しては、ある程度融通性がありそうです。
——ラレーヌデリスは初のマイルで2着と対応しました。
正直、勝てるレースを落としてしまい、申し訳ないですね。前回乗った時より状態も上向いていて、展開もいい方に向いたと思ったのですが……仕掛けは早かったですね。惜敗が多いタイプだと思うので、余計に気を付けて乗るべきでした。
——サトノトルネードは初ダートでしたが。
ダートはいいとしても距離は長いんじゃないかと思います。次は少し詰めることで対応して欲しいです。
イブニングタイドは素質は感じましたが、追い切りで最後の動きがもう一つだった分、実戦での反応はどうなるか、未知数でした。それは芝にいってよくなりましたね。前半での行きっぷりの良さもレースでは問題なかったです。直線での動きも良かったですよ。
バギーウィップは追い切りの良さがそのまま直結した印象です。上手に走っていますし、まだ良くなりそうです。
——キープサインオンは7着でした。
外枠の影響もありますが、もう一つスピードは欲しいですね。ダートも合いそうで1400mなんかも良いのかもしれません。
——次週はスプリンターズS(G1)ですね。最終週もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。