'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
京王杯2歳Sやアルゼンチン共和国杯など東京で18鞍に騎乗!
2024/11/1(金)
今週から開催替わり。先週から短期免許によって来日する外国人騎手も増えてくる最中ではあるが、4回東京では昨年に続いて二桁勝利を挙げた。今開催はマイルCS当日のみ、関西での騎乗となる模様だが、乗り鞍確保も難しくなる中、安定した成績を残してほしいところ。今週は東京での騎乗。固め打ちを期待したい!
土日いずれも重賞で上位争いのチャンス!?
——今週は東京での騎乗ですね。新馬など乗り鞍も多いですが、土曜の話題から伺っていこうと思います。土曜のアロヒアリイは追い切りに騎乗されたようですね。
追い切りの感触自体は良かったです。パワーがあって、バランスもフットワークも良かったのですが、あとは芝にいってのスピードに対応できるか、そこがポイントですね。
——ムジェロは以前に乗られましたね。
レースは上手な馬なんですよね。もう少し前進気勢があればという感触を受けましたが、コースは経験しているだけにいい走りをして欲しいです。
——レガーロデルシエロは福島で勝たれましたが、東京マイルは2走前に勝った舞台です。
正直なところ、当時は返し馬からデキが思わしくなく感じたほどです。それでも勝ち切ったのは地力でしょうね。東京コースにもなるのも良いと思いますし、状態面が良くなれば引き続き楽しみです。
——京王杯2歳S(G2)にはマイネルチケットが挑みます。
レースは上手で、走ることに対しての気持ちが強い馬です。距離も1400mへの適性があるんじゃないかと思います。ただ、そんな気性からもコンスタントに使っていることでの疲れがなければいいですね。
——中京の際は発表以上にコーナーでの馬場は荒れていました。今週は雨予報ですね。
余程の道悪じゃなければ苦にしないんじゃないかと思いますよ。
——日曜からチェンジオブハートはどうでしょうか。
新馬の際に一度使ったことで良くなりそうとは感じていました。2戦目は乗っていないのでわかりませんが、上積みがあればと思います。
——カラヴァジェスティとレイニングも追い切りに乗られたようですね。
カラヴァジェスティはダート血統ながら素軽さを感じる走りでしたね。タイプ的にも新馬は向いていそうです。レイニングは悪さをするわけじゃないですが、精神的にしっかり走ってくれるといいですね。日曜の馬場状態はわかりませんが、速い脚はありそうです。
——百日草特別のエンジェルマークはいかがでしたか。
イイ感触でしたね。まだ良くなるのは先ながらも奥がありそうです。この条件も合いそうな印象です。
——ウェイワードアクトは昇級2戦目。前走は力強い言葉とは裏腹に…という結果でした。
前走は期待して臨んだものの、暑さの影響なのか、もう一つ伸びてくれなかったですね。体が起きてこないところがあって、そのあたりが良くなって欲しい面はあるのですが、改めて期待しています。
——スティールブルーは新潟に続いて騎乗です。
前走はいい雰囲気で運べたのですが、もう一つ思っていたような伸びがなかったです。フットワークに硬さのある馬なので、改めて状態面も気になります。そこさえ良くなればいいですね。
——アルゼンチン共和国杯(G2)のクロミナンスはどうでしょうか。
ここへきて充実しているのでしょうね。長丁場でも乗りやすい馬ですし、チャンスは十分あると思っています。この年齢ながら重賞初制覇となればと感じています。
——目黒記念ではスローの流れの中を先行して粘り込み、日経賞は外を回らされました。
どちらかと言えば決め手に欠けるので外は回らせたくはないですね。馬場は多少渋ってもプラスに出るかと思います。時計が掛かってくれた方がちょうど良さそうですよ。
天皇賞・秋に騎乗はなかったものの、2勝をマーク
——先週の騎乗ではアオイミモザで勝利されました。
馬格のある馬で返し馬から雰囲気が良かったですし、デキそのものも良かったのだと思います。前々でリズムよく運べましたね。馬体重は増えていましたが、重め感はなかったです。最後の反応も良かったですよ。
——アサクサヴィーナスは折り合いが難しいとしても、以前はもっと粘れていたんじゃないでしょうか。
そうなんですよねえ。どうも昔のような雰囲気にはなかったですね。
——新馬のプルミエソルティは大敗してしまいましたが……。
追い切りの感触からすれば、こんなに動かないとは驚きました。気性もあるのかもしれませんが、走りの質からも結果に繋がってこなかったのか……ですね。
——スタンリーテソーロはクラス2戦目で勝ち上がりました。
外枠も良かったですし、1400mの距離も合っていましたね。ダート馬としては小柄ながらも、上でもやれていいと思います。
——アルテミスS(G3)のミリオンローズは9着でした。
懸念していたように、もっと短いところの馬なのかもしれませんね。いずれにせよ現時点では体ももっと良くなってきてほしいです。
——シャンパンマークやアルーリングタイムはどうだったでしょうか。
シャンパンマークはレースは上手く行ったんですけれどね。道中もいい雰囲気、手応えも良くてあとは伸びるだけだったのですが。アルーリングタイムは返し馬の段階から前走とは状態面の違いを感じましたね。早目に手応えが悪くなってしまいました。
——ソーダーンライトは評判馬のいたレースでしたが、いかがだったでしょうか。
もっと弾けそうだったんですけどね。距離を詰めて良さが出てきてほしいです。
——先日のTENTIALさんのインタビューでも気になりましたが、ジョッキーは体重管理も必要じゃないですか。プロテインも飲むものなんですね。
サプリの話じゃなかったでしたっけ?ええ、しょっちゅう飲みますよ。
——こちらも定期的にどんなものを摂っていますか?とは伺っていましたが、サプリやドリンクは知っていましたが、プロテインを飲むのは意外でした。というか、教えてくれないですね(笑)。
まあ、そこまで主張することでもないですからね(笑)。トレーナーに勧められて飲んだりという感じですが、天然由来のものにしています。
——土日の騎乗を終えて、月曜はJBCにも騎乗されますね。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。