'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
1月14日時点1573勝
2025年の重賞初勝利!京成杯はパーティハーンと初コンビ!
2025/1/17(金)
フェアリーSではエリカエクスプレスに騎乗して重賞初勝利!年が替わってからは初の重賞勝ちを早々と決められたのは何よりだ。今週までとなる2場開催だが、土日で17鞍の騎乗と乗り鞍も多く、勝ち星加算も期待したいところ。中でも京成杯ではパーティハーンに初めて騎乗する。未知の存在だが、好結果となるだろうか。
京成杯もテン乗りで上位なるか?
——今週もこれから騎乗する馬について伺っていきますが、レッドシュトラールは追い切りに騎乗。ウインスティーガは新馬に続いて手綱をとられますね。
レッドシュトラールは動きそのものは良かったのですが、本質的に言えば、もっと動いてきそうにも感じました。気性も子供っぽさも残っていて、現状でどれくらい走ってくれるか、未知な面はあります。ウインスティーガの新馬はいい内容でレースも上手でした。上積みもありそうで楽しみです。
——アレキサンドライトSのビップスコーピオンはどうでしょうか。
最近は安定して走れてくれていますね。やはり条件が替わることがポイントになるでしょう。
——タッチアンドムーブは未勝利勝ち、1勝クラスと騎乗されましたが、休養明けです。
新馬の内容が良く、良くなりそうな雰囲気を感じで2戦目に臨みました。しっかりしてくるのは先々だと感じていましたが、今回はどのような成長過程を遂げているか、期待しています。前走の感覚では中山の方が条件はいいように感じています。
——ロンパイアは連続好走となりました。
未勝利は早く卒業したい馬ですね。レースは器用ではありませんが、使いつつ成長もしているのでしょうね。
——エコロアゼルは昨夏に新馬勝ちしました。
新馬はいいスピードでしたね。そこからどれだけ成長があるか、でしょうね。
——京成杯(G3)はパーティハーンに騎乗されます。フェアリーSに続いてテン乗りでの上位となるか楽しみです。
初めてなのでイメージだけになりますが、前走が強い内容で着差もつけていましたね。重賞でグンと相手関係は上がるでしょうが、能力には期待しています。ここでいいレースができれば先々も楽しみになるでしょうからね。
——ショウナンマリーナは新馬戦が惜しい結果でした。
前走がいいスピード。こういう感じだとテンションや組み立てが難しくなるイメージがありますが…、無事に上手に走ってくれればと思います。
エリカエクスプレスは好タイム勝ち!
——先週はお昼休みに2024年の表彰がありましたね。改めてMVJ、フェアプレー賞とおめでとうございました!
表彰については一年間、乗り続けたことによるもの。嬉しい結果だと思います。その中で関係者の方々に支えてもらって、嬉しく思います。
——やはり理想を言えば制裁点0を目指したいですか?
そうですね。ただ、先週がね…やはり難しいなと感じますよ。
——表彰された早々に…と残念な結果でした。その話は後程伺うとして、それにしても先週のフェアリーS(G3)は強い内容でした!
そうですね。一戦しかしていなかったので、新馬の内容も映像でもいい勝ち方をしていると思ってはいて期待はしていました。返し馬では一度、使って気も入ってきた分、ちょっと道中の折り合い、どうなのかなと思いましたが。
——主語が無く話し始めましたが(笑)、戸崎さんも常々おっしゃられているように、エリカエクスプレスも新馬はいい走りだったので、折り合い面や精神面が悪い方にいかなければと感じていました。そこさえクリアすれば、と思っていたところ、それ以上のパフォーマンスだったように感じます。
やっぱり今回もけっこうガツンと来ていましたよ。普通、一般的にはあれくらい気が入っちゃうと、もう一回ギアを上げるのは難しく、厳しいんです。それが問題なく走ってくれましたからね。
——あのペース、あの時計もそのまま受け取っていいと。
そう思います。
——やはり折り合い面は課題になりそうですか。
得てして同世代同士は能力でカバーできるものですが、この馬に関してはさすがに(オークスの)2400mというイメージはしなかったですね。今後、どうしていくかはわかりませんし、どんな路線になるのかはわかりませんが、それにしても現時点では強い内容でしたね。
シンザン記念(G3)のマイネルチケットはどうでしたか。
ゲートはふんわり出て、あのままリラックスしてくれれば、というはずが途中からマジメなところ、力むところを出してしまいました。これが距離適性が出て厳しくなってきましたね。今なら1200mでもと感じます。
——中京で上位に来られたロードインフェルノやティムールはいかがでしたか。
ロードインフェルノはもうリズムを重視しました。道中もいいリズムで最後も頑張れました。左にモタれるので、そこを改善できればより良さそうです。ティムールは道中力むようなところがある、と聞いていたので、こちらもリズム重視で。最後はいい脚で来られたので、内容としてはいい走りでしたね。
——新馬のプリムツァールは2着でした。
返し馬から乗り味も良くてフットワークも軽い走り。レースも上手に走ってくれました。手応えより追ってから沈んでいかなかったあたり、一度使えば変わってくるのではと思います。
——そして、先ほど触れた通りアバンデルで制裁がありました。
道中は促すようなくらいでしたが、この馬のリズムで運べて雰囲気は良かったと思います。3、4コーナーで内が空いていて、そこをキープをしようと思ったら、ガツンと噛んでいき過ぎて躓いてしまいましたね。もう落馬を覚悟したほどです。
そこからまた立て直してくれただけにもったいなかったです。操縦性は気を付けないといけない馬だと感じました。
——落馬寸前レベルから盛り返しただけに惜しかったですね。
躓いてますからね。適性の条件はわかりませんが、そこから盛り返すのは力があるからこそ、ですよ。
——イージーブリージーは昇級して初めて好走しましたね。
この馬の良さを出せる展開になりましたね。しぶとくタフなレースになれば浮上できそうですよ。
マケズギライは随分ゲートの中がうるさかったです。敗因としては出遅れだと思います。ただ、スタッフに聞いたらそんなことないそうなので、使い詰めが影響したのかもしれません。オルグジェシダはやっぱり東京の方が走りやすいですね。まだトビも弾んでおらず、トモも踏み込みが甘そうです。
——ホーエリートは調教映像を見ても、お話の通り状態は良さそうでしたね。
これは追い切りから状態の良さを感じていて、その雰囲気で走れましたし、弾んでいましたね。直線の伸びも今までと違って、なかなかいい勝ち方。速い脚というタイプではないので条件でカバーできればと思いますが、乗りやすさはありますから、オープンでも頑張ってくれそうです。
——レッドリベルタは初コンビでした。
この馬の良さは出せたと思います。勝った馬もあのペースで先行して頑張れていますからね。今後もこういうアプローチできれば。
——プリュノワールはダートになりました。
ペース的に忙しかったです。ダートもダメではないけれど、芝の方が良さそうですね。
——ラムコークは新馬戦に挑みました。
道中は上手に走ってくれたけど、追ってからバラツキがありました。もう少しまとまった走りになればと思います。
——次週はアメリカJCC(G2)でダノンデサイルに騎乗。追い切りにも乗られていましたね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。