
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

4月21日時点1609勝
中山開幕週はオーシャンSや中山記念などに騎乗!
2025/2/28(金)
東京開催最終週は6勝をマーク、一気に節目の勝利数へ近づいた。一方で重賞勝利もあればG1では1番人気に支持され、最善の結果が残らないなど悲喜こもごもといったところだったが、今週から月も開催が変わる。春は主に中山での騎乗になるが、心機一転、幸先いい滑り出しとなるだろうか。
中山で快進撃のステークホルダー
——先週は重賞でも注目を浴びましたが、土曜の騎乗馬から伺っていきたいと思います。アラスカフレイバーは東京コースでモマれずにいけましたね。
外は回りましたが、やっぱりモマれ弱いですからね。隊列だったり、展開次第でしょうか。
——グランセゾンは初出走ですが、どうでしょうか。
まだ線が細い感じではありますが、動き自体は動けていましたよ。既走馬相手にどこまでやれるか、ですね。
——スターエンブレムは叩き2戦目で中山になります。
追い切りの感触では素軽さはもう一つ欲しいですが、力は感じましたよ。
——ブラックルビーはここまで開いてしまいましたが、新馬勝ちをしましたね。
新馬を勝った以来ということで、これだけ間隔も開きましたし、成長を感じられたら理想です。新馬当時も追い切りからいい動きをしていると感じただけに、成長が楽しみです。
——ディヴァインスターも追い切りに乗られたようですね。
2走前はモタれる面があって、装具を替えてから良かったようです。追い切りではモタれる面も大丈夫でしたし、いい走りをしてほしいですね。
——オーシャンS(G3)のステークホルダーはどうでしょうか。
ブリンカーを着けて1勝クラスを制した際から上に行けると思ってました。ここに来て充実してきていますね。いい走りをしていて、ここでもやってくれないかという期待はあります。重賞の壁をクリアしてくれれば先も見えてくるのでね。
——こちらは1週前追い切りに騎乗されたようですね。
状態的には変わらず順調に来ているように感じましたよ。
——サトノトルネードは惜敗が続きます。
もうワンパンチなんですけどね。この条件でカバーできればいいのですが。
ジャミラヌールは前回が不可解な敗戦でした。
今回の追い切りでは普通に動けていました。改めて期待したいです。前走は強いて挙げれば気性なのかもしれませんね。それでも、今回の追い切りでは問題なく感じました。
ジューンブレアはテン乗りで結果を出しましたね。
前走はいいスピードをみせてくれました。テンションがどうなるか、気がかりですが、マトモならこのクラスでもいい走りができそうです。
中山記念(G2)のパラレルヴィジョンは約1年振りの騎乗です。
勝たせてもらった時はマイルでしたが、コース自体は中山が合っていると思います。この距離でも走れると思いますし、勝った時のようなレースになってくれればいいですね。
展開も噛み合わなかったミッキーファイト
——そして、先週のフェブラリーS(G1)に臨んだミッキーファイトはどうでしたか。

跨って、返し馬も経て、ここへ来て仕上げて来てくれたなと感じましたし、状態の良さを感じましたね。
——今までまだ成長途上であることを強調されていましたね。
前走と比較して成長しているかと言われれば、状態の良さ、もしくは仕上げの良さなのか、成長面なのかはどうかでしたが、一連以上のデキだったことは事実です。
——そのコンディションで臨めただけに悔しい結果ですね。
レースは先に行きたい馬もいて、ある程度、流れるかと思いつつ外枠も良かったと感じていました。ただ、流れが落ち着いてしまい、分が悪い展開になってしまいましたね。
——やはりあそこまで落ち着くとは思いませんでしたか。
そうですね。遅くなってももう少し流れるかと思っていました。
——以前から口にされているハミの取り方はどうでしたか。
ああ見えても、いい感じの取り方だったと思いますよ。
——常々、コーナーは外3頭目が分かれ目で4頭目では厳しいと仰っていただけに、かなり外を回った印象でした。
まあそうですね。内に入れようにもどうにもできなかったです。しかも、前の馬が下がってきて、自由が利かなかったです。組み立て方としては、他にやりようがなく、難しくなったかなと感じました。だからといって、もうちょっと後ろからと言うのも考えにくいタイプなのでね。
——この流れですが、このコースへの適性はどうでしたか。
東京の1600mで求められる点でいえば、ベストではなかったですね。流れてくれればもう少し対処はできたと思いますが…。
——そして、ダイヤモンドS(G3)のヘデントールは上位には来るんじゃないかと思っていました。それにしても、こちらとしては、もっと後ろからになるかと感じていました。

ゲートも遅い印象で、後ろからになるので、どういう組み立てしようかと色々考えていました。そこは馬も良くなっていたこともあり、ポジションもとれてスムーズ、あとはリズムさえ保てれば、それだけでどうこうなかったですね。
スタートは今後、安定してきそうですか?先行している時も少頭数だったので、この頭数だけに余計に以外でした。
やっぱり馬が良くなっていれば大丈夫かなと思います。今回もタイミングが良かったから位置をとれているわけじゃないです。それだけ成長していて、状態も良くなっているから流れに乗れたでしょうからね。
——プロミストジーンは強い相手に見せ場は作りましたね。
前走の勝ち方が強かったので楽しみにしていました。状態云々よりは返し馬の雰囲気はレースに集中していないといういか、もう少しドッシリしてくれればいいですね。やっぱり上に行く馬はそういう精神面の不安はないので。
——レースでは影響しなくとも、それ以外の行儀なども必要ですか。
そう思いますね。ただ、その時の状態や環境などもあるので一概には言えないですけどね。この馬自体、距離は対応できそうですが、決め手良いモノがありますから、ワンターンはいいかなと感じました。
——アイザックバローズはどうでしたか。
芝では惜敗の多い馬でしたが、結果論では、ダートは合わないかなと感じましたね。
——アンゴラブラックは勝ち上がりました。

前走よりも素軽くて馬は良くなっていました。4角ではモタつきましたが、いい競馬をしてくれましたね。
——グーテンベルクはスローペースながら、課題の2戦目をクリアしました。


以前よりややしっかりしてきましたね。一回使ってテンションも特に変わらず、いい感じで成長しています。精神的には課題の少ない馬なのかと思います。
——ホウオウフェイントは以前の印象では使いつつかと感じました。

問題なかったですね。スタッフからも状態が凄くいいと聞いていたんです。手応えも抜群でペースも楽。その分、最後の反応も良かったです。
——トリプルコークはどうでしたか。
動けないところに、ポジションとってしまったのは悔やまれるところです。それでももう少し手応えもあっていもいいかなと。今後の走りはどうなるか、見てみたいです。
——ヴァイザーブリックは案外な結果に感じました。
今回は硬かったですね。スタートも出ているけど、前半のスピードの乗りはもう一息。勝った時の方が感触は良かったです。
——エリカエスティームはどうでしたか。
鼻出血してしまいましたからね。それに今後は芝の1200mでいいかなとも感じましたね。
——ダノンピクチャーは接戦ながら勝利しました。

返し馬ではいい馬だなと。ただ、レース行ってからまだ動けそうな雰囲気を残していました。ポテンシャルがあるので成長してほしいです。
——フィザルモニカは着順を上げましたね。

これも精神的には返し馬では怪しいところがあって、解消されてくるといいですね。レースでは問題なく、なかなかいい走りでしたが。
——次週も中山での騎乗ですね。そろそろ1600勝の節目が迫ってきており、いつ達成となるでしょうか。西への遠征では愛知杯にも騎乗されるようですが、今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。