
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月12日時点1621勝
今週から東京開催がスタート!青葉賞&フローラSに騎乗!
2025/4/25(金)
今週から東京開催が開幕!5週連続のG1が設けられているように、年間の開催日程の中でも、最も注目度が高まる開催と言えるだろう。戸崎騎手は概ね東京での騎乗となる見込みだが、開幕週は騎乗経験のある馬が多数。固め打ちを期待したい。
勝利が目前の継続騎乗馬も、開幕週から固め打ちなるか
——東京開催が始まりますが、土曜は10鞍の騎乗。継続して乗られる馬もいるので、勝ち鞍が増えていけばというところですが、未勝利戦からアラスカフレイバーやダカラフェスティヴはどうでしょうか。
アラスカフレイバーの条件自体は良くなるので、これまで以上の結果を目指したいですね。以前もお話したようにモマれないことが前提にはなりますけどね。ダカラフェスティヴは前走がいい内容でした。その時点から次も「東京へ」という話でしたし、期待したいですね。
——ベラジオワールドは未勝利ながら格上挑戦で権利を獲りました。
使うごとにずいぶんと走る気持ち、前向きさは出てきています。距離が短くなるのはいいと思いますよ。初の東京も未勝利戦のレベルであればカバーできるんじゃないかと感じます。
——ゴールデンクラウドは前走で3着でした。
ポテンシャルは感じました。内枠で窮屈になったので、このコースになって伸び伸びと走らせてあげられたらと思います。
——ユキワリザクラは昇級戦でも連対しています。
競馬はすごく上手な馬ですからね。東京も走っているので期待をしています。
——アリエスキングは3走前に騎乗されています。
感じは良かったですね。外に張るとは聞いていたものの、上手に走れていた印象ですよ。
——日曜のキアラメンテは引き続き東京になりますね。
当時は伸びて走ってしまう面があったので、そこが良くなってくれば、もっといい走りができそうです。
——シンバーシアは出戻り初戦で勝利されました。
南関東で勝ち上がってきましたが、良いスピードを見せてくれていました。昇級での力関係は気になりますが、距離が短くなるのは対応できそうですよ。
——オメガウインクは東京に戻りますね。
そこに尽きますね。得意の東京に戻るのでまた改めて期待したいです。
——バトルクライは久々の騎乗です。
長い休養から復帰して、徐々に良くなってきた最中だと思います。元はと言えばレベルの高いところでもやれていましたからね。実績のある舞台ですし楽しみにしています。
——アンドアイラヴハーは接戦で勝ち上がってきたとはいえ、ダートになりますか。驚きました。
フットワーク的にダートはいいかなと感じます。こなせれば先も広がりますからね。
——フローラS(G2)ではブラックルビーに騎乗されます。
まだ底を見せていない点に期待したいです。気性的に気になるところはなく、乗りやすい馬です。東京コースになって、これまでより切れ味を求められるところですが、上手く導ければいいですね。
皐月賞デーは4勝の固め打ち!
——皐月賞(G1)ではカラマティアノスに騎乗されました。
返し馬の雰囲気はよく、スタートも出てくれたかなと思います。馬場は内が良かったですし、外を回したくなかったので内へ。上手く入れ込めたのですが、勝負どころでは手応えもあやしくなってしまいましたね。前回と比べても雰囲気は良くなっていましたが……。
——サトノクロークは惜敗のイメージもありましたが、それにしても意外な結果でした。
馬場も硬かったけど、今回は硬さが出てしまいました。しかも、初めて乗せてもらった時の方が弾みはあったかなと感じましたね。
——スターターンは4着でした。
あまり出しすぎず、後ろからでも届かないので、ちょうどいいところで競馬をしたいと考えていました。いいポジションで進められたけど、結果的にはなだれ込むような内容でし甘くなりましたね。ここでもやれるとは感じていたものの、展開の助けは欲しい内容でした。
——アンゴラブラックは3戦連続の騎乗で連勝ですね。

すごく競馬が上手になってきていますね。ロスなくいけて、最後もしっかり伸びてくれました。連勝をすることができただけに、まだまだ上を目指して行ってほしいです。
——ナルカミは新馬戦で圧勝した馬。今回が転厩初戦でした。
攻め馬では若さがあって大変だったそうですが、厩舎サイドがよくやってくれたようですね。返し馬、レースでも厩舎の工夫が窺えました。テンションが上がりそうですが、何とか我慢してくれましたし、レースも上手に走ってくれましたね。まだ危うさもあるけれど、能力もありますね。
——今回も強いメンツで十分いい走りだったと思います。先々はどうでしょうか。
成長しないといけない素質だと思いますね。あとは精神面次第かなと思います。
——ルトンワージは距離を延ばし、初の2000m戦で初勝利です。

こちらは条件が2000mになったことで感じよく走ってくれました。この距離だとペースも合っていそうですね。強い内容でしたよ。
——アサクサグレースは惜敗が多かった馬ですが、待望の初勝利となりました。
強い内容でしたね。まだ道中でハミとったり、遊んだりという面はあるのですが、安定さが直っていけばまだ伸びしろがありそうです。実績がある通りに東京になってもこなしてくれると思いますよ。
——アンタレスSのオメガギネスはどうでしたか。
返し馬では重心、走るバランスは良くなっているなと思ったほどです。道中は雰囲気よく走ってくれたのですが、直線の反応がもう一つ。何が原因か、わからないですね……。
——次週の羽田盃(Jpn1)ではグランジョルノに騎乗されます。
追い切りに乗せていただいたところ、いい仕上がりだと感じました。以前よりも体を使えるようになって、成長も感じました。相手も強そうなのでどこまで迫れるか。成長した分で頑張って欲しいです。
——先日、JRA通算1600勝を達成されました。今回も記念品を作られたそうですね。
今回は水筒になりました!
——読者プレゼントもいただけるということで楽しみですね。次週は残念ながら天皇賞で騎乗となりませんでしたが、東京での騎乗ですね。個人的にはプリンシパルSのレイニングには注目しています。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。