
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月12日時点1621勝
ステレンボッシュ、レガーロデルシエロと再コンビ!
2025/5/16(金)
今週は土曜が新潟、日曜は東京と転戦。いずれの重賞でも過去に騎乗経験のある馬との再コンビとなる。条件面で言えば盤石たる存在ではないかもしれないが、どちらも上位人気は必至。期待に応える結果となるだろうか。
成長感じたステレンボッシュ
——よろしくお願いします!まずはヴィクトリアマイル(G1)ではステレンボッシュと挑まれることになりましたね。

追い切りは2週続けて乗りましたが、1週前はメンコを着けてこちらが先頭する形でゆったりと走れていました。最後はいい動きをしていたね。
今週は併走馬を追い掛ける形。今度はメンコをとったところ、行きっぷりよく、元気いっぱいな雰囲気でした。動きそのものは申し分ないものでしたね。
——一時は2400mにトライしただけに、前進気勢がないと距離に戸惑うのかなと感じていました。メンコを外したことはいい方に出そうですか。
1600mと2400mでは違いますからね。そこに関してはやってみないと分からないです。ただ、行きっぷり自体はいい意味で捉えています。
——以前との変化はどうでしょうか?
追ってからもう一つ沈んでほしいと感じていたところ、改善してきていますね。そこは成長だと思います。既にポテンシャルがあることは証明していますからね。
——よく馬が成長するかどうか、必ずしも思い通りにはいかないといった旨は仰っていましたね。
なかなか難しいことですからね。確率的にきちんと成長するケースは実はあまり多くないと思いますが、もともと能力がある馬は成長してくることが多いです。
——精神面の変化はありましたか。
特には変わらないですね。あとは前走の敗戦が不可解な面もあるので、そこは気になるところですが。力を出し切ってくれるといいですが。
——週末の天候も心配ですね。
雨はある程度なら問題はないかなと。枠は真ん中くらいが良さそうですかね。内よりは外がいいかなと思っています。
——土曜の新潟ではノンスタンダルドに再び騎乗されます。
新馬はいい走りはみせてくれましたね。まだ若さがある印象でした。そこからどれだけ競馬を覚えているかでしょう。
——ファイナルヒートは以前、勝たれた馬ですね。
勝たせてもらった時はいい内容でフットワークも良かったです。このクラスでも頑張って欲しいです。
——新潟大賞典(G3)ではレガーロデルシエロに再び騎乗されます。
追い切りはいい動きはしていました。福島で乗せていただいた時に能力は感じていて、その後の東京でも、も負けはしましたが、いい走りをしていました。当時と比較しても、馬は充実してきたんじゃないかなと思うのでいい走りをみせてほしいです。
——様々なコースで走っていますが、今度は新潟になりますね。
コース自体は問題ないと思います。距離もあっていそうですね。強いていえば、週末の馬場が渋ってしまうようだと気になるところですね。
——日曜のフェンスブレイカーはどうでしょうか。
能力は感じていたけど、なかなかキッカケを掴めていない現状。この条件で変わり身に期待です。
——フィザルモニカは昇級戦になります。
勝った時はすごくいい内容でした。あれならクラスが上がってもいい走りをしておかしくないですね。課題を挙げると、気性が難しいので、そこが悪い方にでなければいいなと思います。
スタートでの後手が惜しいモンドデラモーレ
——先週の回顧もよろしくお願いします。ジョディーズマロンはどうでしたか。
この馬の形としてはしっかり伸びてきてくれています。しかし、前残りになってしまいましたね。先週のダートは脚抜きも良くて、前が有利でしたからね。展開に左右される面もありますが、脚抜きが良いこと自体はこの馬には良かったものの、馬場傾向も分が悪かったです。
——NHKマイルC(G1)のモンドデラモーレは見せ場のあるレースでした。
スタートが上手に出てくれたら着順が違ったかなと感じています。少し出負けして、スピードに乗せたことで、折り合いはもっと楽に折り合えていたはずですからね。
——そこまで力んでいるようには見えなかったですが、スムーズならもっと際どかったですか。
そうですね。微々たる差ではあると思いますけどね。あとは追い切り出も感じたように、まだまだ体を使い切れていない中でも頑張ってくれました。
——先週は結果的には高速決着となりました。もう少し力の要る馬場の方が良かったでしょうか。
どうですかね。結果、あれだけ走れましたし、あまり緩すぎるよりはあの馬場でも良かったのかと感じています。
——ワールドエース産駒であることを取り上げましたが、母の父がクロフネといった要素もありましたか。
それは感じましたね。他には重馬場適性とダート適性は違うと僕は思いますが、ダートでも良さそうなタイプですし、芝なら1400mでも合いそうですね。
——アージェントは転入初戦を制しましたね。
馬体のバランスもあって多少硬さを感じましたが、背中や筋肉の質はすごく良かったです。スムーズに流れに乗れて、いい内容で走ってくれました。
——アラスカフレイバーは勝利されました。

ようやく勝てて嬉しかったですね。いいスタートも切って、伸び伸びと走ってくれました。
——プロミストジーンは出遅れがこたえましたか。
そうですね。前走より雰囲気は良かったのですが……、ところどころで集中しきれていない面もありましたね。
ミラビリスマジックは少し前が壁にできず、一生懸命でした。掛かってはいないのですが、力みがありましたね。ジュンアサヒソラは成長が同世代より奥手っぽいですね。それに現状はダートでもいいかもしれません。
——ハーモニーソングで勝利されましたね。

所属厩舎でしっかり勝つことができたのは何よりでした。
——そういえば先日、川崎のゆるキャラであるチョリ山チョリ男とコラボ?されてましたね。
そうですね(笑)。(自身が総代表を務める)道場に来てくれました。
——次週はオークス(G1)ですね。また、2週後の目黒記念(G1)はホーエリートに騎乗のようですね。また次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。