
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月19日時点1624勝
オークスはエリカエクスプレスに騎乗!
2025/5/23(金)
いよいよクラシック2冠を迎えるが、オークスでは1冠目に続いてエリカエクスプレスと臨むことになった。さらに次週の日本ダービーはエムズに初騎乗することも明らかになり、その先のG1の騎乗馬も発表されている。また、5週連続で複数勝利中。G1シーズンだけに容易ではないだろうが、今週もマルチ勝利を期待したい。さらにいま「話題の件」についても語ってもらっている。
大外枠、距離の壁を乗り越えたいエリカエクスプレス
——今週もよろしくお願いします!まず、土曜のガラクは前走で連対しましたね。
砂を被らないところにいければ力は出せる馬だと思っています。今回もそういう形はとりたいですね。馬自体はセンスの良さはありましたよ。
——モカラマーズは2走前に騎乗されましたね。
東京の時はいい走りをみせてくれました。道中は押っつけ気味でしたが、展開に対する柔軟性もありそうですね。
——トラペジストは北海道以来の騎乗です。
当時は敗れはしたものの、長くいい脚を使って追い込んでくれました。今度は条件が全く異なるので、そこに対応できるか、でしょうか。
——アオイミモザは勝ち鞍のある東京になります。
クラスが上がってからもう一つですが、この条件でいい走りはみせてくれていますよね。馬場は脚抜きが良くなっても対応してくれそうですね。
——ナムラペルルは前走で3着でした。
追ってから甘い面は否めないのですが、軽い走りはしていますね。あとはメンバー次第でしょうか。
——アデニウムは前走の着順は芳しくなかったですが……。
前走は距離が長かったです。そこは条件替わりでカバーしたいですね。
——オメガキャプテンは中山で好走しましたね。
前走中山で走れたように距離を縮めたことも良かったですね。それでも東京は使っていたので慣れもありますから悪くないでしょう。馬場は多少渋るくらいならこなせるのかと思います。
——アスクデビューモアは引き続き騎乗されます。
この条件で乗るのは初めてですね。最後の脚はいいモノがあるので、そういう展開になってくれれば。
——そして、オークス(G1)はエリカエクスプレスに騎乗されます。
枠順は確認しましたけど、極端になりましたね…。まあ、作戦に関しては先生と話をしてからでしょうね。一番のポイントとしては距離が長くなることなので、いかに道中でリラックスできて、リズム良く運べるかですね。
——桜花賞ではもの凄く速いスタートになりました。
枠が発表されてからハナを切ることも想定していました。あれだけのスタートだったので、そこはリズム重視でハナに行かせました。道中の収まりはフェアリーSより良かったくらいで、多少ペースは速かったですが、頑張ってくれると思ったんですけどね。コーナーでモノ見をしたり、若さを出していました。
——フェアリーSの行きっぷりはかなりあったと感じます。そこから今度はどうなりそうですか。
前回は2走前に比べれば高ぶってはいなかったですからね。むしろ一度使って、輸送も長いので高くなるかなという心配はしています。
——前走も雨は降っていましたが、雨予報になりますね。
綺麗な馬場でやってみたかったのが正直なところです。それでも前回もバランス崩して走っていた訳でもないですから。悲観せず、改めていきたいです。
——スピードは持ち味ですか? スタートセンスもいいでしょうね。それだけに2400mがベストではないでしょうが、そこは能力の高さでカバーして欲しいです!
ステレンボッシュは感触通りの伸びみせられず
——先週の回顧もよろしくお願いします!ヴィクトリアマイル(G1)のステレンボッシュはどうでしたか。
距離も短くなるので流れに乗ってスムーズに乗りたいと考えていました。内枠になったことでスタートは肝心だな、と思っていたので上手く出てくれてよかったです。流れにも乗れて、道中は悪くなかったのですが、最後は反応ができずしまいでしたね。
——こちらもあとは突き抜けるだけだなと思う道中の雰囲気でした。
上手くいきましたからね。強いていえば4コーナーで外目に出せればよかったですが、内が全くダメな馬場だとは感じませんでしたし、外が圧倒的に良い訳でもなかったと思いますね。
——コンテネレッツアは3着でした。
気性が難しい馬だと思っています。それだけにリズム良く楽して走らせる、そういう組み立てはしようと思っていました。非常に道中の感じも良くて、内容としては良かったと先生も言ってくれていました。最後は体が緩い分、力の推進は甘くなっていますが、そこは体が変わってくるとまた良くなりそうです。
——フェンスブレイカーはこの血統でこの距離を勝ちました。

もともとひと息で走っていたので、普通なら距離は保たないのでしょうが、ズルさが出てきたのがマッチしたなと思います。
——ブリックンクリックでも勝利されました。

砂を被るとモマれ弱いと聞いていました。何とか前に行けなければ、という感じで、上手くモマれず進められました。
——レガーロデルシエロは前残りの結果にはなりましたが……。
特に問題なく進められました。馬場はいい状態の方が合っているとしても、それにしても伸び切れなかったですね。
——ファイナルヒートも1番人気に推されましたね。
期待はしていたけれど、どうも前掛かりでしたね。トモからの力の伝わりが少なく、いい走りではなかったです。道悪はこなせると思っていましたが、馬場が理由かもしれません。
——ノンスタンダルドは再度騎乗されて勝利されましたね。
テンションもあがっていました。精神面は今後も課題になりそうですね。ただ、スムーズに運べて良かったです。
——先日のコラムではタイミング的に載せられませんでしたが、日本ダービーではエムズに騎乗されますね。
騎乗馬がいてこそ、参加できますからね。依頼をいただけて嬉しく思いますし、気が引き締まります!
——そして、宝塚記念のレガレイラ、安田記念のブレイディヴェーグも発表されていましたね。今週は所属厩舎で函館スプリントSを予定しているカピリナの調教の騎乗されていました。
カピリナは順調に来ていますね。
——そして、今週はYoutubeを始められましたね!反響はどうでしたか?
火曜に公開して、水曜の朝、美浦へ行ったところ。かなり言われましたね。「(チャンネル)登録した」とか「見たよ」とか。何より、自分がYoutubeをやるということの驚きの方がスゴかったようですね。
——こちらは毎週お話を聞かせていただいている立場なので、少し客観性に欠けてしまいますが…スゴイ盛り上がりでしたね。
ただ、これを盛り上げていけるようにしたいです。色々と発信したり、取り組んでいなかったことをできるようにね。
——次週は日本ダービー、調教には騎乗されないようですが、改めてよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。