
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月26日時点1625勝
日本ダービーはエムズと初コンビ!悲願なるか?
2025/5/30(金)
さあ!今週は日本ダービー。ジョッキー自身は過去に3度の2着に留まっているレースでもあり悲願となるだろうか。今年はエムズとの初コンビで臨むことになったが、最終世代として注目を集めるドゥラメンテの産駒でもある。他のレースでも騎乗経験のある面々が揃うだけに、勝利に導いて欲しい。
いいイメージで臨めるテン乗りで結果を出せるか!?
——今週もよろしくお願いいたします。今回は土曜の騎乗馬から伺っていきたいと思います。まず、サンタアニタはステークホルダーの半妹ですね。
前走は1400mで上手に走ってくれて、内容的にも良かったです。きょうだいのステークホルダーよりもゆったりしている印象ですよ。
——マイネルトラオムも引き続き騎乗されます。
かなり緩い馬でしたね。その辺りの変化はしてほしいところですが、前走もしっかり頑張っています。長く脚を使う印象で未勝利は卒業できる馬ですね。
——ノヴァエクスプレスは勝ち鞍のある東京になります。
前走も久しぶりに乗せていただき、力があると感じました。不器用なところだったり、道中のリズムや枠順、流れなど諸条件が重要になってくるので、そのあたりは気を付けたいです。それくらい繊細さがある馬ということです。
——シャンパンマークは久々の勝利でした。
久しぶりにこの馬らしさを発揮してくれましたね。チークピーシズの効果が大きかったのだと思います。スローペースでしたが、手綱を持つ余裕があったほど。あれなら昇級しても期待しています。
——ウェイワードアクトは2着が続きます。
——惜しい競馬が続いているので、早く勝ちたいです。今は気持ちの面で1400mが忙しく、1600mがいいのかもしれません。追い切りではわかりづらいところはありましたが、ブリンカーの効果にも期待したいです。手前も上手く替えてくれるといいですね。
——レッドリベルタはどうでしょうか。
引き続き長い距離ですが、1800mより追走は楽になるでしょうね。あとはとにかく気分を害さないように気を付けたいです。それだけモマれ弱さのある馬だと感じています。
——テウメッサは1800m戦になります。
前走は以前よりも落ち着きが出て、ゆとりがありました。必ずしもすべてがいい方に出ているとは思えない面もありますが、ラストはいい脚でしたね。今回も終いを活かす方向でいければと思っています。
——ここ最近は週末に雨が続きますね。
先週の感覚では、東京の芝は雨があると内側は微妙なコンディションになりますよね。コース替わりでもありますし、その時の水分量で傾向が変わりそうです。
——そして、日本ダービー(G1)はエムズに騎乗されますが、追い切りを含めて、初めての騎乗ですね。
見ている印象では乗りやすさはあるのかなと感じています。スタートセンス、二の脚もあって、ポジションもとれそう。色々とやるべきことはやりやすいタイプかと感じています。枠もより内が良かったものの、この条件なら悪くないかなと感じます。クリストフ(ルメール騎手)も期待しているといった話をしていたので楽しみです。
——戸崎さんにとってダービーは過去3度の2着があります。
2着が3回ということで、年を重ねるごとに一番勝ちたいレースという思いは強まってはきています。
——今年はテン乗りになりますね。
いい面で言えば基本的には先入観なくいけますね。個人的な印象では悪い印象はないですよ。
——昨年とは違って、初騎乗でもあり、想定される人気も違いますね。
去年は皐月賞馬でしたからね。さすがに違いますね。当週のスケジュール、注目度も違うので。そういう意味でも感じ方は違いますよ。
——目黒記念(G2)のホーエリートはどうでしょうか。
牝馬重賞では好走していますが、男馬相手にどこまでやり合えるか、ですね。条件的にもやってみないとわからない面はあるものの。距離そのものは大丈夫です。前走のようにちょっとしたことで崩れてしまいかねない懸念もありますが、頑張ってほしいです。
オークスはスピードを活かすも粘り切れず
——そして、オークス(G1)はエリカエクスプレスと挑まれましたね。
この馬のスタートセンス、スピードを活かした作戦にしました。楽にハナにいけて、折り合いもつき、リズムもよく進められたと思います。ただ、直線はキレずといいますか、粘れませんでしたね。今後はよりいい条件でスピードを活かせればと感じます。
——課題であった精神面はどうでしたか。
特に高くなることなく、維持はできていました。基本的に前向き過ぎるというほどではないのですが、スピードが長けている馬なので、この距離だとああいう戦法になりますね。状態も特に大きく変わることなくこられていたと思いますよ。
——オメガキャプテンは連対しましたね。
今回はゲートもスムーズで道中もリズム良くいけました。最後はもうひと伸びという結果でしたが、内容的には悪くなかったと思います。ゲート練習の効果もありましたね。それでもまだまだタイミングによっては出遅れる可能性はありそうです。
——ホウオウサムレットは1番人気に支持されました。
返し馬から前と後ろの連動がもう一つかなと感じていて、スタートしてのスピードの乗りにも影響したと思います。その分、追走が遅れた感じがありました。最後はしっかり伸びてきていますし、未勝利戦では力は上ですね。
——アオイミモザは道中から行きっぷりがひと息でしたね。
気性面ですかね…。馬具などの必要があるのかもしれません。
——インユアパレスは相手も悪かったですが、この条件でも好走しましたね。
凄く上手に走ってくれて、対応はできたと思います。幅は広がった内容ではないでしょうか。
——トラペジストは久々の騎乗でした。
以前よりも楽に前目につけられています。レースには参加しやすくなりましたよ。
——ガラクで勝たれました。
自分の競馬に徹して、感じよく行けました。勝つことが出来て良かったです。
——先日、開設されたYoutubeも凄い反響ですね!
視聴回数とかチャンネル登録、コメントとかの仕組みはほとんどよくわからないのですが(笑)、おかげさまで盛り上がったようで何よりです!
——次回の公開が楽しみですね。そして、次週はブレイディヴェーグとのコンビで安田記念(G1)ですね。その先には宝塚記念や函館スプリントSやその他の話題などもあるようですが、引き続きよろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。