'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

1月2日時点1702勝
中山金杯はアンゴラブラックに騎乗!2026年の目標は!?
2026/1/3(土)
謹賀新年
本年も戸崎圭太騎手のコラムをよろしくお願いいたします。
2025年の戸崎騎手は、リーディング争いこそ2位となりましたが、YouTubeチャンネルの開設、国内外でのGⅠ勝利、さらには競馬界の流行語大賞獲得!?MVJ受賞など、話題を数多く届けてくれました。
2026年も注目を集めること間違いなし。当コラムを通じて、近況をお届けしてまいります。引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
2026年は例年以上に目標の多い一年に
——明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!
戸崎:明けましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
——有馬記念、東京大賞典を終えて、僅か数日で伺う形になります。今年はタイトな日程かなと思いますけど、改めて2026年の目標などから伺っていければなと思いますが、いかがでしょうか。
戸崎:まずは、一頭、一頭丁寧に大事に乗っていきたいなと思っています。その中でより感覚を高めて、馬へのアプローチを良くしていけたらいいなと思います。
——毎年、年間100勝は一つの目安になるかと思います。大台である通算の勝利数にも近づいていますが、それ以外で具体的な目標は挙げることはないですか?
戸崎:いや、挙げだすと、今年は明確にあるというか。100勝もそうですし、日本ダービーもそうですし、リーディングというのも改めて(獲りたい)と思いますし、MVJ、海外のレース……などかな。たくさんです。
——いろいろありますね。むしろ、例年よりも具体的な目標が多いようにも感じますが、それは昨年を経験されて何か心境の変化もあったんですか。
戸崎:どうなんですかね。自分でもわからないですけど、でも、今までのなかで一番多いという感じですね……おそらく。今までもざっくりとは目指しているといいますか、目標ではあったと思うんですけど。
——ぼんやりと思うだけならいくらでもあるでしょうしね。
戸崎:そうですね。ただ、去年、リーディングは惜しいところまで来ていたっていうのもありますし、日本ダービーは年々、やっぱり強い思いが出てきてるっていうのもあります。MVJは去年も取っていますが、また取りたいとも思いますからね。
——常連ですね、そこは。
戸崎:でも、そこも目標にはしていきたいなと思っています。
——簡単に伺うと、今年の年末年始はどうされましたか。
戸崎:東京大賞典は例年、なかなか乗る機会がなかったんですけど、去年は乗ることができて。一日競馬も多かったので、お酒を飲む時間が減りましたね。30日からはお酒を飲んで、普通に年を越したって感じです。
人馬ともに幸先のいいスタートを切りたい中山金杯
——ありがとうございます。さて、今週ですが、土曜の中山のアクロスメモリアからいかがでしょうか。
戸崎:前走は少し忙しさも感じました。それにもう少しメリハリも欲しいかなと思っているので、その辺がよくなってくれればと思います。
——新馬戦は乗られてないんですけど、あの時はいい脚で追い込んできた印象があります。やっぱり東京でああいう脚質というか戦法の方が、というタイプですか。
戸崎:そうですね。東京の方がいいかもしれません。
——フィンガーは強い相手と好勝負をしています。
戸崎:あとはメンバー次第ですね。どちらかと言えば、枠は外の方が競馬しやすいかもしれません。力がある馬なのでね。
——タキノボリはいかがでしょうか。
戸崎:昇級してからポジションが取れなくなっているのが気になります。未勝利を勝った時は強い内容でしたが。
——デコラシオンはダートになっても惜敗が続きますが……。
戸崎:いい意味では堅実、ただ相変わらず、という面は否めないのですが。一皮むけなきゃなってところは感じているので、その辺をどう頑張らせてあげられるかってところだと思います。砂を被ることにも、道中では全く問題なく競馬はできていますが、最後に交わそうとしないところがあるのでね。
——イブキはいかがでしょうか。
戸崎:もう少し体に柔らかみが出てきて、弾みが出てくるといいかなというのは感じていました。
——サノノワンダーはいかがでしょうか。
戸崎:一本調子なタイプな馬ですけど、条件は1800mに変わってくるので。そのあたりで、新しいものが見つかるといいなと思います。ワンターンでは結局同じようなレースになっちゃっているので。そこで条件を変えて、キッカケが見つかればなと。
——そして、中山金杯(G3)はアンゴラブラックと挑まれます。
戸崎:前走は東京で走れたというのが良かったなと思います。充実してきているなと感じています。すごくレースも上手ですし、乗りやすい馬です。
——いま、お話にもありましたけど、レースは内で立ち回って抜け出してくる、器用な競馬ができる一方、着差は僅かでもあります。その中でも成長はありますか。
戸崎:成長度合いとしては、体質的にそんなにガラッと変わってきている部分はないんですけど、安定してきているということは、力を付けてきているのかなとは感じています。
——当日どれぐらいの馬場になるかわかりませんけど、現時点で雪の影響があるかもしれない、という話もありますが。渋った場合はいかがですか。
戸崎:あんまり渋らないほうがいいタイプかなと思っています。
——やっぱりそうなんですね。良馬場で内枠であれば理想という感じですか。
戸崎:そうですね。
——気性的に気になるところありますか。
戸崎:特にないですね。いつもロスなく上手な競馬をしているので。展開がそうならなかったときはどうなのかなっていうところはありますけど。流れが速くなっても、そこはポジション取り気を付ければいいかなってことです。人馬ともに年明け初戦で、幸先のいいスタートを切れたらいいなと思っています。
右回りでの課題を露呈したダノンデサイル
——昨年のレースでは、有馬記念(G1)のダノンデサイルは3着でした。2走前のインターナショナルSは例外としても、ジャパンカップの時の気配はテンションの高ぶりも窺えましたが、今回はどうでしたか。基本的には精神面が課題とされていたと思うんですけど、見た目的には落ち着いて見えたように伺えました。
戸崎:装鞍所からパドックまで、すごくいい雰囲気だったみたいです。引いているスタッフの方も「今までにない落ち着きがあっていい雰囲気だ」と言っていましたし、跨ってからもすごく落ち着いていました。返し馬も比較的落ち着いた方かなと思いましたね。そこをクリアしたことは良かったなと思いました。
——レースのプランとしてはどうでしたか?
戸崎:行く馬がいたので、ある程度行かせて、その後ろにつけてもいいなと思うくらい積極的に行こうかなとは思っていました。ただ、スタートは出たんですけど、その後にスピードに乗っていけず……。
いつもだったらスッと乗っていけるのが、上手くいかなくて1列後ろになってしまったイメージはあります。ただ、道中の折り合いも気をつけたいところだったので、そこは頭に入れて乗っていました。
——リズムは良さそうでしたね。
戸崎:道中のリズムも良かったですし、前もペースが流れていたと思うので、結果的には、すごくいい形で進められていたかなとは思います。4コーナーもギアを入れていた時に「突き抜けるかな」と思うくらいの手応えだったんですけど、直線を向いてから、やっぱり右にもたれる、ヨレる癖がけっこう出てしまったかなという感じで。そこだけが痛かったなというところです。
——AJCC(アメリカジョッキークラブカップ)も、コーナリングは一息でしたよね。
戸崎:そうですね。あの時の走りも頭には入れていました。コーナーが進まなかったり、本当は内に刺さるのに右にポンと張っていったり。それぐらい気性の難しさというか、荒い馬なので色々気をつけていた部分はありますが、コーナーが思ったよりもスムーズに行ったので「成長したのかな」とは思ったんですけど……。
——けっこう外を回っていたので分からなかったですが、コーナリングそのものに関しては大丈夫だったんですね。
戸崎:そうですね、ちゃんと進んでいってくれましたし、AJCCのようなことはなかったです。ただ、AJCCは直線でもたれずに進んでくれたので、そこはまた違う感じにはなりましたけど。あの辺(直線でのもたれ癖)が直ってくれれば……という、ちょっと痛いところですね。
——それは体のバランスの問題なのか、精神的な影響が大きいのですか?
戸崎:バランスではないんじゃないですかね……いや、多少なりともバランスがあるからかもしれないですけど、癖というか、右に行く癖、流れてしまうようなところは昔からあるので。それが馬の気持ちが強くなっているからこそ、余計に強く出ている部分もあるのかなと。
——今までも、左回りでも右に行く感じはあったんですか?
戸崎:あります、流れる感じは。ただ、左回りだと「流れる」くらいなんですけど、右回りだとけっこうもたれて修正しなきゃいけない部分が出てくるので、強度が全然違いますね。直線の追い方もそういう感じ(修正しながら)になってしまいました。
——今回に関しては、想定よりも位置は後ろだったとしても、ペースもそれなりだったので、結果論としてはあの位置でも良くて、最後の直線の走りっぷりに尽きるという感じですね。
戸崎:そうですね。4コーナーの手応えからしたら、もっと伸びてもいい感触はありましたので。あれがなければ突き抜けても、というくらい。癖が出てしまったなというのはあったかなと思います。
——戸崎さん、あんまり外を回ることはないと思うので、「けっこう外を回るな」と思いながら見ていたのですが、それは自信の表れというか、行ける感触があったからですか?
戸崎:はい、そこは自信というか、行ける感触があったからですね。
——今後、右回りへの対策などは何か考えていますか?
戸崎:装具をちょっと工夫してみましょうか、という話はしています。それが効くかどうかはやってみないと分からないですけど。次は左回りになるので、そこを待って、という感じですね。
——徐々に、以前よりも気性が強くなっているという話は心配なところですが。
戸崎:なっていますね。道中の行きっぷりというか、昔は遊び遊び走っていたので、それはなくなっているなという感じです。
——体調面はどうでしたか? 前回はかなり絞れているように見えましたが、今回は程よい感じに見えました。
戸崎:コンディションは良かったと思います。体の柔らかさもありましたし。まあ気性の方が(体つきに)出ているのかなという感じですかね。
——レース後の思いとしては、いかがですか?
戸崎:イメージ通りに行けたというか、感触は良かったので、今後ですよね。今回というよりは今後、あの「もたれる部分」をどう修正していくか、直していければいいなというところに尽きるかなと思います。
一時は大差リードもリーディングを逃す
——その他のレースでは、カニキュルはどうでしたか?
戸崎:スタートもうまく出てくれて、折り合いも……中山はやっぱり難しいですかね。でも、思ったより上手に走ってくれたなという感じです。
——アイアムユウシュンはいかがだったでしょうか。
戸崎:すごく上手に走ってくれたなと思います。ポジションも悪いとこじゃなかったと思いますし。あとは追ってどうかなってところでしたけど、動き切れていなかったですね。
——アマキヒは、今回は馬具の工夫もありました。相手もちょっと強かったかなって感じがしますが、いかがでしょうか。
戸崎:チークピーシーズを着けたんですけど、今まで僕が乗らせてもらったレースとは全く違った走りにはなっていました。
——あれで効果はけっこうありましたか。
戸崎:かなりあったと思います。
——ルシードはいかがだったでしょうか。
戸崎:こちらもゲートはちょっとやっぱりうるさいなという感じはします。道中はいい感じでは行けていたとは思うので、踏ん張ってくれればなとは思ったんですけど、反応できず、でした。少し叩いたほうがいい感じもありますけど、芝がどうなのかなというところもありました。
——ホークライトはいかがだったでしょうか。
戸崎:返し馬に行ってすごくいい馬だなとは感じました。1枠ということで、ずっと砂を被っていると良くない、とは言われていたので、うまく組み立てていければなと思っていたんですけど。出遅れてしまいました。結果、それでスムーズに外には出せたので、そのあたりは良かったなと思います。このクラスを勝てる馬だなとは感じました。
——外枠を引ければ、そのうち順番も回ってきそうですね。ウィッシュツリーは先週の調教に乗られていたのに伺い忘れてしまいましたが、その前が強い勝ち方していましたね。
戸崎:レースに行ったほうが良かったです。まだまだ線が細いので、良くなりそうな感じもあります。スタートも今まで出てなかったんですけど、二の脚も良かったのでそのあたりは成長かなと思います。厳しい展開にはなりながら、よく凌いでくれたなと思いました。
——アイスメルティングは、調教の本数が少ない中でのデビュー戦でした。
戸崎:ええ、体の使い方というか、いいものは感じました。相手も強かったので、成長していってくれるといいなと思います。
——東京大賞典(G1)のナルカミはいかがだったですか。
戸崎:前回の敗因からも落ち着いて臨めたのは良かったなと思います。ただ大人し過ぎたというのはありますね。結果論でありますが、ここを目標にしていたわけではなかったので、そういうことも影響しているかなとは思います。
——秋からここまでコンスタントに走って頑張ってきましたね。
戸崎:また改めて今年頑張ってほしいです。
——そして、MVJを受賞されました。
戸崎:ありがとうございます。表彰式に行けるか行けないか、大きな差ですからね。あまり意識しないようにしていたんですけど。
——そして、逆転されてしまったリーディングについては、一時期は独走状態でしたよね。
戸崎:9月中旬、10月くらいまでですかね。中山までは突き抜けていましたし、このまま行ってくれればというのもありましたけど……。クリストフ(ルメール騎手)だけではないけど、やっぱり甘くはないなと。
でも自分のやるべきことは同じなので、そこは集中してやっていました。一時期、(松山)弘平ちゃんに並ばれた時はちょっと焦りもありましたけど、それ以降は、冷静にこなせたのは良かったかなと思います。
——フェアリーS(G3)はサンアントワーヌに騎乗。改めて新年もよろしくお願いします。
戸崎:よろしくお願いします。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。




