外枠有利の新潟直線1000mで最内枠から内ラチ沿いを通って勝利するなど、その大胆な騎乗に注目度が
日増しにアップしている永島まなみ騎手が、騎乗論から日常まで余すことなく語りつくします!
夢に見た憧れの舞台!"原点"の地で阪神JFにスウィープフィートと挑む!
2023/12/8(金)
一生に一度、G1初挑戦の時がやってきました。見事抽選を突破し、阪神ジュベナイルF挑戦を決めたスウィープフィートとまなみ騎手のコンビ。レースの展望、そして自らのルーツでもある阪神競馬場で憧れのG1に挑む心境など、新たなステージに挑むナマの声を今週も盛りだくさんでお届けします!
祝・G1初騎乗!憧れの舞台へスウィープフィートと挑む
——G1初騎乗、おめでとうございます!いよいよ"憧れの舞台"へ挑戦する機会がやってきましたね。
ありがとうございます!
——賞金400万組の抽選は最終的に8分の4でした。抽選結果はどこでお聞きされたのでしょう。
家で、エージェントの方から「入ったよ」と連絡をいただきました。抽選対象だったので入るまでドキドキでしたが、すごく嬉しかったです。
人馬共に初G1挑戦となるスウィープフィートとまなみ騎手
——木曜午後以降、トレセンでも多くの方に声を掛けられたのではないでしょうか。
今日特にたくさんの方に「頑張れよ~!」と声を掛けていただきました。ありがたいです。
——ちなみにご両親から何かメッセージはありましたか?
「しっかり頑張っておいでよ」と言ってもらいました。
——G1初騎乗を前にして、緊張などはありますか?
まだ全然ないですね。デビュー戦からずっと乗せていただいている子なので、スウィープの良さを最大限引き出せるよう頑張りたいと思います。
今週、最終追い切りに臨むスウィープフィート
——さて、そんな日曜阪神11R・阪神ジュベナイルFのスウィープフィートのお話を伺います。まずは枠順についてですが、6枠11番と発表されました。枠順の第一印象をお聞きしたいです。
真ん中のあたりの枠で、すごく競馬はしやすいと思います。内過ぎないほうがいいと思っていました。
——先週のコラムで「精神面の成長を感じました」とお話されていましたが、今回は中1週の実戦となります。テンション面は鍵になりそうでしょうか。
どうしても気の入りやすい女の子らしい性格の子なんです。うまくゲート入ってスタートを切るまで、なるべくテンションを上げ過ぎずに挑めればと思います。
——直線に坂のあるコースはキャリア4戦目にして初めてですが、対応面に関してはいかがでしょうか。
スウィープ自体馬格があり、力がある子なので、そんなに苦にしないと思っています。
今週、馬房でリラックスするスウィープフィート(まなみ騎手提供)
——血統的には祖母スイープトウショウが、ちょうど20年前の阪神ジュベナイルFに挑戦し5着でした。当時は内回りでしたが、外回りで期待が掛かりますね。
そうですね、今回阪神の外回りコースなので、コースはスウィープにプラスに働いてくれるのではないかと感じています。
——このコラムを読んでいただいているスウィープフィート出資者の方は多いようです。
デビューからずっと乗せていただいている馬で、こうして素晴らしい舞台に立たせていただけることがとても嬉しいです。ずっと乗せ続けていただいているので、出させていただく以上、スウィープと一緒に全力で、最後まで出し切るつもりです。よろしくお願いいたします!
先週は2勝!今週末は計16鞍で勝ち星を更なる上積みへ
——土曜は中京8鞍、日曜は阪神で8鞍、計16鞍に騎乗されます。G1デーの阪神でも8鞍と多くの騎乗馬が集まりましたね。
そうですね、本当にたくさんの馬に乗せていただけて感謝したいなと思います。
——今週も実戦、調教で騎乗経験のある馬を中心にお聞きしていきます。土曜の中京3R・3歳上1勝クラスのチョッピーは、3走前の新潟で初騎乗。後方から差して3着でした。
チョッピーは前半後ろから運んだほうが馬の気持ちが途切れないところがあるんです。前回騎乗した時のように前半は出していかず、馬の気持ちを整える形で運べれば最後はいい脚を使ってくれるのではないかと思っています。
——5R・2歳未勝利のナムラエデンはまなみ騎手とのコンビで3、2、2着。休み明けでも勝ち上がりが期待されます。
気のいいタイプの女の子で、いつも一生懸命走ってくれるのですが、どうしても右回りだと最後外にフラフラしてしまうところがあり…。3走前の中京ではまっすぐ走ってくれていたので、左回りに変わるのはいいと感じます。
——こちらもここ3戦連続で騎乗されているアルムエアフォルクは「テンション面が課題」ということでこのコラムではもうお馴染みの女の子です。
そうですね、アルムは競馬に行けば一生懸命走ってくれるのですが、返し馬などでテンションが上がるところがある子です。だいぶ落ち着きが出てきて大人になってくれていますし、最後はすごくいい脚を使ってくれる子なので、馬のリズムを壊さず乗りたいです。
昨年の12月にまなみ騎手を背に初勝利を挙げたアルムエアフォルク
——9R・つわぶき賞は最終追い切りに騎乗された良血馬テラメリタとのコンビで挑まれます。
今週追い切りに乗せていただきましたが、すごく一生懸命走ってくれる女の子でした。新馬勝ちした際に強い勝ち方をしていましたし、馬の力を出し切れるよう全力で頑張ります。
——ゲートが課題の馬ですね。
調教でも少しイレ込みやすい、チャカチャカするところはありました。うまく駐立を決めて、スタートを切れればと思います。
——12R・3歳上1勝クラスは今回休み明けとなるルヴァンノワールに騎乗されます。最終追い切りに騎乗され4F51.7という早めのタイムを出されていいますが、休み明けの雰囲気はありましたか?
予定より少し速くなりましたが、走り出したら頭が少し高くなるところがあるものの、本当に一生懸命走ってくれる馬でした。1200mなので折り合いは問題ないと思いますし、ロスなくうまく運べれば、最後いい脚を使ってくれるのではないかなと思っています。
——日曜阪神8R・3歳上2勝クラスのアスカノミライはちょうど1年ぶりのコンビとなりました。昇級3戦目となります。
1年前に乗せていただいた時は道中少しハミを噛むところがありましたが、いい内容で走ってくれました。久々のコンビですが、2400mでも力まず走らせてあげられればと思います。
——先週のお話も伺います。「揉まれない形なら力を出してくれる馬だと思います」とおっしゃっていた土曜中京2R・3歳上1勝クラスのピエナパイロは、一度ハナを切られかけた後、ハナを奪い返しての逃げ切りでしたね。
最初大輔(3着パルメリータ騎乗の佐々木大輔騎手)が半馬身前に出ていたのですが、内で揉まれてはいけない馬なので、主張する形で強めに出していきました。それに対してピエナも応えてくれました。
——日曜中京8R・3歳上1勝クラスはショウナンナダルに騎乗され、大外から目の覚めるような末脚で差し切り勝ちを決めました。
一度1800mで乗せていただいて、その時は少し折り合いに課題がある馬だと感じていました。その時より短い1400mという距離でしたが、前半リズム重視で、道中ポジションを上げる競馬をしたところ最後いい脚を使ってくれました。馬に感謝したいです。
——後方追走とはいえ、ある程度馬群に付いていっていたように見えましたが、意図的なものでしょうか。
そうですね、前半ポジションを取るつもりはなかったのですが、前半ついて行き過ぎず、離れ過ぎず追走できればと思っていました。
ジョッキーを夢見る少女は10年後、その場所で憧れの大舞台へ
——先週はイクイノックスとのツーショットに対して大反響がありました。イクイノックスもまなみ騎手もかわいいというご感想が多く届いております。
ありがとうございます(笑)
話題となった、イクイノックスに壁ドンされるまなみ騎手
——なお2番目に多かったのは「イクイノックス、そこを代われ」でした…(笑)
本当ですか!?それは嬉しいです(笑)
——さて、今回ですが、せっかくのG1初騎乗ですし、今回の質問コーナーも少々関連したものをお聞きしようと思います。ペンネーム・スウィープフィートさんからの質問です。「まなみ騎手こんにちは。いつも応援しています!まなみ騎手は先週のコラムで一番印象的なレースにレッツゴードンキの桜花賞を挙げられていましたが、阪神競馬場の乗馬苑に通っていた分、阪神競馬場で初G1騎乗は感慨深いですか?」とのことでした。
応援ありがとうございます!本当におっしゃっていただいた通りで、小学5年生から中学3年生まで5年間お世話になっていた阪神競馬場で、今回夢の舞台に立たせていただけるということですごく嬉しいです。
——こちらはまなみ騎手がご両親に「乗馬スポーツ少年団に入りたい!」と志願されたのでしょうか。
私から入りたいと言って始めさせてもらいました。小学5年生からしか入れないのですが、ずっと入りたかったんです。
——場所を調べたら、阪神乗馬スポーツ少年団の活動場所である乗馬センターは、阪神競馬場の4コーナー奥にあるのですね。
そうです、ポケットのところにあるんです。基本土日の開催で、阪神競馬開催の時はみんな朝早く集合して、乗馬を教えてもらって、レースが始まる頃には終わるという感じでした。朝6時45分とかに集合していました。5時過ぎの電車に乗らないといけないのですが、一人で通っていました。
乗馬少年団時代のまなみ騎手
中学1年生からは私がジョッキーを目指していたので、Jドリーマーズ(現在のJRAジュニアユース)に入らせていただき、阪神競馬場で水曜、木曜、金曜と教えていただきましたね。
——小学5年生、初めて馬に乗った感想をお聞きしたいです。最初はポニーだったのでしょうか?
最初からサラブレッドでしたね。もうめちゃくちゃ高くて大きかったです。ただ恐怖感はなく、すごく楽しくて、毎週行くのが楽しみでした。
——2カ月前のコラムで、当時"先生"としてお世話になったマイクラリネットと奇跡的再会を果たされたお話をされていました。乗馬センターでは1人1頭担当馬がいるような形になるのでしょうか?
Jドリーマーズ時代、"恩師"マイクラリネットに騎乗するまなみ騎手
毎週教えてくださる先生が騎乗馬を決めていくスタイルでしたね。マイクラリネットはすごく高い障害も越えてくれる優秀な馬なのですが、乗馬として少し難しい面があり、Jドリーマースに入ってからは毎回色々教えていただき私の"先生"でした。
——阪神乗馬スポーツ少年団に同時期に通ってた方でジョッキーになられた方は他にいらっしゃるのでしょうか。
西村淳也さんは3つ上の先輩で、淳也さんには当時も、ジョッキーになった今も色々教えていただいています。
——少々調べたところ、乗馬を始めて3年目、中学1年生で出場した2015ジョッキーベイビーズ関西地区代表決定戦の映像を発見したのですが…。このレース、メンバーが濃かったです。4頭立てで、2着が松本大輝騎手、3着が今村聖奈騎手、4着がポニー・ドリームスターに騎乗された永島まなみ騎手。なんと4人中3人がプロになっていました。
そのレースを観られるのは恥ずかしいです(笑)みんなその時から顔見知りでしたね。
中学生の頃から切磋琢磨してきたまなみ騎手と今村聖奈騎手(右)
——当時から今村聖奈さんとは面識があったのでしょうか。
みんなジョッキー目指しているのは知っていました。よく話しているわけではないですが、先生からも「あの子たちもジョッキーを目指しているみたいだよ」とは聞いていました。
——5年間通われた阪神乗馬苑での思い出のエピソードなどはありますか?
Jドリーマーズで教わっていた3年間は、私、1人で教えていだだいたんです。最初"飛び乗り"というものがあって。台を使わずに馬に乗るというものなのですが、これがなかなかできなくて、毎回泣きながら飛び乗りを頑張っていた思い出があります。
筋力もなくジャンプ力もなかったんです。馬に乗らないと乗馬は始まらないのですが、それ以前の問題で…。競馬学校を受験したいとなると飛び乗りも必要になってくるので練習しないといけないのですが、最初の頃は苦戦していました。
思い出の乗馬少年団時代
——そんな、自らのルーツである阪神競馬場でいよいよ初の大舞台を迎えます。10年前この阪神競馬場で乗馬を始めた、ジョッキーが夢の少女・永島まなみさんにメッセージを送るとしたら、どのようなものになるでしょう。
10年後、今教わっている場所で、最高の舞台に立たせていただけることになるだろうから、今は全力で頑張って!、と伝えたいです。
——今回の阪神ジュベナイルFを現地で観ている阪神乗馬スポーツ少年団の団員の皆さんもいるかもしれませんね。
少年団のみんなは私と被っていないので誰がいるかまでは分からないのですが、これをキッカケにジョッキーを目指してくれる方が一人でも多くなれば嬉しいです!
——改めて、G1初騎乗おめでとうございます。最後に少女・永島まなみさんだけではなく、ファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。
デビューからコンビを組ませていただいているスウィープフィートと、素晴らしい舞台に立たせていただきます。スウィープはいつも頑張ってくれる子で、力を合わせ、最後まで全力で頑張りたいと思います。応援よろしくお願いいたします!
初勝利後、スウィープフィートの馬房前にて
いつも永島まなみ騎手コラム"まなみの学び"をご覧いただきありがとうございます!コラム開始3カ月半、ここまでまなみ騎手に色々な質問に答えていただきました。
"ファンの皆様と共に歩む"コラムとして、これからもファンの皆様の質問を幅広く頂戴し、ご本人に聞いていこうと思っております。
競馬に関すること、そして日常生活について、永島まなみ騎手にこれだけは聞いてみたい!ということをぜひご応募ください。頂いたご質問、メッセージは上記のようにご本人に届けさせていただきます。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「まなみ騎手へ」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまでご質問をお願いいたします。皆様ぜひご投稿よろしくお願いします!
manami_nagashima@keibalab.jp
プロフィール
永島 まなみ - Manami Nagashima
2002年10月27日生まれ、兵庫県出身。
父は兵庫競馬で数多くの重賞を制した永島太郎元騎手(現調教師)。父の背中を見てジョッキーを志し、幼少期から乗馬を始め、2018年に競馬学校騎手課程37期生として入学。2021年にジョッキーデビュー。
同年3月14日中京2Rでアクイールに騎乗し初勝利を挙げると、1年目はJRA7勝を挙げる。そして2年目の22年に3倍となるJRA21勝を挙げ躍進。外枠有利が定説の新潟直線1000mで、セルレアを内ラチ沿いから勝利に導くなど大胆な騎乗も多く、ファンを魅了する騎乗に注目が集まっている。趣味は映画、ドラマ鑑賞、料理。好きな言葉は「一生懸命」。常に上を目指す期待のアスリート。