外枠有利の新潟直線1000mで最内枠から内ラチ沿いを通って勝利するなど、その大胆な騎乗に注目度が
日増しにアップしている永島まなみ騎手が、騎乗論から日常まで余すことなく語りつくします!
勝って歓喜のウィナーズサークルへ!今週は新潟で15鞍に騎乗!
2024/5/10(金)
先週の新潟競馬は見せ場を作るものの、あと一歩勝利には届かず…。悔しさを晴らしたい今週末は再び新潟で15鞍に騎乗するまなみ騎手の展望とは。ゴールデンウィークの過ごし方、先々週ファンの方からいただいた嬉しいプレゼントなど、今週も盛りだくさんでお届けします!
先週の新潟競馬は見せ場を作るも白星には手が届かず…
——まなみ騎手、先週日曜の新潟8R・4歳上1勝クラスはもうご覧になられましたか?
あ、新潟8Rはもう見ました!
——このレースでまなみ騎手はウィズダムハートに騎乗され5着でしたが、直線、「永島まなみが襲い掛かってくる!」という実況が一部で話題になっていました。
実況も聞きました(笑)。すごく手応え良く伸びてくれたんですけどね…。
——スローペースを外から襲い掛かってよく伸びましたが5着、まなみ騎手はレース後「結果的にもうワンテンポ仕掛けを遅らせたほうが良かったです」とコメントされていたのが印象的です。
手応え良く立ち回ってくれたのですが、最後脚が止まったところがありました。直線外回りで長かったですし、もうワンテンポ仕掛けを遅らせても良かったのかもしれません。
——見せ場十分の5着だけに次走以降も楽しみな馬ですね。
そうですね、距離的にはもう200m短くしてもいいかもしれません。
——ちなみにこのレースをハワイアンタイムで勝った横山典弘騎手は、これがJRA2944勝目。JRA騎手として歴代単独2位の記録を打ち立てられましたが、レース後何か横山騎手と話されたのでしょうか?
特にそのことについては話したりはなかったのですが、普段からたくさん教えていただいていますし、横山さんのアドバイスがあったからこそ今の私がいると思っているので感謝しかないです!
——横山典弘騎手は現在56歳ですが、いつまでも若々しいままですね。
本当にそうですね(笑)。今朝(収録は10日金曜)も私がマナミンの調教に乗っていたら、「おう、それマナミンか?」と声をかけてくださりました。横山さんもマナミンを知っていたみたいです。
——マナミンのデビュー戦が今から楽しみです。さて、先週の他のレースも伺わせてください。土曜の新潟12R・4歳上1勝クラスはマテンロウアネモスに騎乗され4着。しぶとく伸びてきていたのですが…。
初めての直線競馬ということもあり、馬が少しフワフワするところがありました。残り100mくらいでやっとエンジンが掛かったような状況です。今回直線競馬を経験したことで、次もう少し頑張ってくれるのではないかと思います。
——直線競馬において、スタートしてから戸惑ってハミが抜けてしまうというケースは結構あるものなのでしょうか?
大体1000mは気が勝っている子が使う条件なので、そういうパターンは多いわけではないです。ただどの距離でもコーナーがあって直線があるので、直線競馬に戸惑ってしまう子も中にはいます。
——同じく新潟の1000m、日曜10R・駿風Sのアジアノジュンシンはまさかの最内枠と厳しい条件でしたが、もう少し外枠なら違ったでしょうか?
久しぶりの分もあって返し馬からトモが嵌まるのに時間が掛かるところがありました。先週から内が残る馬場でもなかったですし、スタートからスピードに乗るタイプでもないんです。先生からも「外ラチのほうに行って競馬してほしい」という指示があってのあの競馬でした。
——以前まなみ騎手はこのコースで最内枠を引いたセルレアに騎乗し、内ラチ沿いを通って勝つという離れ業を演じていますが、やはりこのコースの内枠は難しいのでしょうか。
開幕週とかならそこまで深く考えないでもいいかもしれませんが、レースで使うにつれて馬場も悪くなりますし、そこまで使われていない外枠のほうがいいと思います。開催が進むほど内枠だと厳しいところが出てきますね。
今年の新潟初勝利へ!15頭と挑む週末
——今週も土日共に新潟で騎乗され、土曜は7鞍、日曜は8鞍の計15鞍を予定されています。実戦、調教で騎乗した馬を中心に伺いますが、まずは土曜の4R・3歳未勝利でオテンバムスメに騎乗されます。2走前に小倉で2着になって以来2度目のコンビです。
また乗せていただけることになりました。前半少しハミを噛むところがあるので、もう少し前半力み過ぎないように運べれば理想的です。未勝利では力上位の馬だと思います。
——ここ4走の1700mから100m延長して1800mとなりますが、距離に関してはいかがでしょうか?
そうですね。距離が延びる分、小倉の1700mより更に折り合いに気を付けて乗りたいです。
——土曜の新潟競馬で騎乗される7頭のうち、このオテンバムスメ以外の6頭はテン乗りになります。映像などで近走をチェックされていると思いますが、まなみ騎手はテン乗りの際に"チェックしているポイント"はあるのでしょうか。
前走乗っているジョッキーにその馬の癖を聞くのが一番だと思っていて、前走乗っていたジョッキーに話を聞くようにしていますが、映像のチェックポイントだとスタートを見るようにしています。スタートの速さによってポジションが変わってくるので。
他にもダートだったら砂を被って嫌がる素振りは見て分かりますし、どういう子なのか、映像の中から1つでも多く読み取るよう意識はしています。
——日曜もテン乗りの馬が多いのですが、6R・4歳上1勝クラスのアルムエアフォルクは13度目の騎乗となります。当コラムではもはやレギュラーと呼んでも差し支えない登場回数です。
まなみ騎手とのコンビで実績をあげているアルムエアフォルク
そうですね、アルムは年齢を重ねることで返し馬のテンションは以前より落ち着いてくれていますが、まだガーっとなるところがあるので自分との闘いになるところはあります。レース前にあまり入れ込み過ぎないよう気を付けたいですね。
近走はゲートを出てからなかなかポジションを取れないので、新潟の広いコースに変わるのはプラスだと思います。
——2月の小倉競馬以来の実戦となる7R・3歳未勝利のイズジョーゴモリーは、直線競馬への対応力が鍵になってきそうですね。
すごく気のいい子でスタートセンスがあるので、うまくそのスピードを生かせればもう少しやれていいと思っています。
——12R・4歳上1勝クラスのトーホウジュナールは5走前にこの新潟芝1200mで騎乗されて以来2度目の騎乗となります。
その時乗せていただいた時は直線スムーズに捌いてあげることができず、うまくこの子の切れ味を引き出してあげられなかったところがありました。
このクラスでは力上位だと思いますし、前半少しハミを噛むところがあるので、そういう部分を頭に入れながらこの子の切れ味を引き出したいです。
——春の新潟開催も後半戦となりますが、芝の状態はいかがでしょうか?
開幕週の時から使っただけ傷む、ちょっと緩い芝だと思いましたが、先週の時点で伸びているのが真ん中から外になっていたので頭に入れながら臨みたいです。
滑り台にソフトクリーム、ゴールデンウィークの思い出!
——世間ではゴールデンウィークが終わりました。競馬関係者にゴールデンウィークなんていうものは存在しませんが、まなみ騎手は今年のゴールデンウィーク、お休みの日は何をされていたのでしょう。
ほんっと、何もしてないです…。トレセンの人からしたらゴールデンウィークは関係なく、至って普通の平日で月曜だけ休みですし…。
——ペンネーム・英二さんからのご質問です。「ゴールデンウィークですが、子どもの頃の思い出はありますか?」というメッセージを頂きました。
子どもの頃は"ばあば"、"じいじ"の家に行くのがすごく楽しみでした。母方の祖父母の家が園田競馬場の近くにあったので、そこに泊まるんです。
少し離れたところに三興湯という銭湯があって、そこに滑り台付きの水風呂があるのですが、いつも泊まりに行くたびにばあばが連れて行ってくれて、それが楽しみでしたね。
——滑り台の先が水風呂、なかなかハードな銭湯ですね…。
そうですよね(笑)、普通の銭湯に滑り台があるんですけれど、スピードが凄いんです。そしてお風呂上がりにソフトクリームを買ってもらえるのがもう最高でした。最高にいい思い出です。
——すごくいい思い出をありがとうございます。夏休みならまだしも、ゴールデンウィークは園田も大きなレースがいくつかあるだけに、なかなか家族で遠出というイメージは湧かないですね。
そうですね、父もジョッキーをしていた分休みはそうなくゴールデンウィークは関係なかったのですが、普段以上にファンの方が園田競馬場に来てくださっていることは子どもの時から分かっていましたね。
——ひとつお聞きしたいのですが、仮に今ゴールデンウィークとして10日間休みを与えられたらまなみ騎手は何をしたいか伺いたいです。
私、一度も日本を離れたことがないので海外に行きたいです。イタリアとかフランスとか…。あとは全然関係ないんですが、泳ぐのが好きなので海の綺麗なタヒチやバリ島…
——ということはまなみ騎手、まだパスポートは…
まだないんです…作りに行こうかなと最近思ってます。
——10日間馬に乗っていないと、違和感のようなものは生まれるのでしょうか?
ここ最近は乗らない日があっても1日だけなのでなんですが、乗馬スポーツ少年団の時は土日しか乗らず平日5日間間隔が空くものの、私はそこまで違和感はなかったですね…。
——そもそもゴールデンウィーク期間中は競馬開催の移動も大変そうですね…。
そうなんです、人が多いので…。飛行機や電車も早めにとっておかないともう取れないので大変です。
——さて、先週は初の東京競馬場騎乗のお話などを伺ったのですが、実はもう一つお聞きしたいことがあったんです。こちらの写真をご覧ください。
多くのプレゼントを抱え嬉しそうなまなみ騎手
これはまなみ騎手が先々週日曜の東京12Rをエピックジョイで制した後、多くのプレゼントを手に嬉しそうにしている写真です。こちら、どんなものをいただいたのか少し教えていただけますか?
まずは写真ですね。福島ですごく写真をくださるファンの方がいるのですが、東京競馬場にも来てくださって、写真をいただきました!
あとはめめグッズで、昔のSnow manの雑誌なんかもいただきました。ラングドシャなどお菓子もいただいています!
先々週東京競馬場でいただいたプレゼント ※まなみ騎手ご提供
——プレゼント関連の質問がいくつか届いております。ペンネーム・くろくもさんから「まなみちゃんお疲れ様です!この間は東京初騎乗&初勝利おめでとうございます!初めての環境でもすぐに慣れて勝つことができるところ、本当に大好きです。これからも応援しています!」というメッセージをいただいています。
ありがとうございます!
——そんなくろくもさんからの質問なのですが、「Xで、ファンの方からプレゼントをもらっている写真も見ました。私も何かプレゼントをしたいと思ったのですが、こういうものが嬉しい!こういうものはダメ!など、ジョッキーの視点で何かあったら教えてほしいです。まなみんの個人的な好みでも大丈夫です!」とのことです。なるほど、確かに今まで聞いたことがありませんでしたね。
これがダメっていうものは、少なくとも私はないですね。勝った後にウィナーズサークルでサインした時に皆さん色々くださって、本当にありがたいなと思っています。
部屋にも飾ったりしているので写真をくださるのはありがたいですね。お手紙も嬉しいです!あとからじっくり読ませていただいています。
——お菓子もプレゼントであるのですね。
そうですね、レース中に食べられるものをいただいたりします。あとはウイダーinゼリーなど、手軽に食べれるものもいただきます。レースの合間に食べれるのでありがたいです!
——ペンネーム・やっきーさんからもプレゼントについて質問をいただいています。「こんにちは!今までファンの方から頂いたプレゼントで一番びっくりしたのはどのようなものですか?いつも応援しています!」とのことです。
一番びっくりした…。以前送っていただいたのですが、私が載っている新聞記事を全てコピーして、まとめて送ってくださった方はいました!私が見たこともない記事なんかもあって、これはびっくりしましたね(笑)。
——全てのスポーツ紙となると相当な量なのでは…。
そうなんです、すごく分厚かったです(笑)。届いた時、重くて何かなと思ったんですが、これはおお!と思いました(笑)
——まなみ騎手に限らず、他のジョッキーの方がもらっていたプレゼントで何か印象的なものはありますか?
他のジョッキーの方が何をもらったかとなると分からないのですが、結構皆さんお菓子はいただいてきますね。バレンタインなんかは女性ファンが男性ジョッキーにチョコを渡す分、皆さん色々もらってきています。
——まなみ騎手はバレンタイン付近でお菓子をもらえたりするのでしょうか。
私はホワイトデーにいただきました!普段も私の好きなイチゴ系のお菓子を何個かいただいています!
——ひとつ私も疑問が浮かんだのですが、プレゼントは何が良くて、何がNGなど、JRAから指導があったりするのでしょうか?
ないと思いますね…。私は特に聞いたことがないです。
——今週も新潟のウィナーズサークルで多くのファンの方とふれあいの時間を持てることを祈っております。
まだ今年の春の新潟で勝ってないので頑張ります!
——貴重なお話ありがとうございました、また来週よろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします!
いつも永島まなみ騎手コラム"まなみの学び"をご覧いただきありがとうございます!コラム開始8カ月、ここまでまなみ騎手に色々な質問に答えていただきました。
"ファンの皆様と共に歩む"コラムとして、これからもファンの皆様の質問を幅広く頂戴し、ご本人に聞いていこうと思っております。
競馬に関すること、そして日常生活について、永島まなみ騎手にこれだけは聞いてみたい!ということをぜひご応募ください。頂いたご質問、メッセージは上記のようにご本人に届けさせていただきます。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「まなみ騎手へ」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまでご質問をお願いいたします。皆様ぜひご投稿よろしくお願いします!
manami_nagashima@keibalab.jp
プロフィール
永島 まなみ - Manami Nagashima
2002年10月27日生まれ、兵庫県出身。
父は兵庫競馬で数多くの重賞を制した永島太郎元騎手(現調教師)。父の背中を見てジョッキーを志し、幼少期から乗馬を始め、2018年に競馬学校騎手課程37期生として入学。2021年にジョッキーデビュー。
同年3月14日中京2Rでアクイールに騎乗し初勝利を挙げると、1年目はJRA7勝を挙げる。そして2年目の22年に3倍となるJRA21勝を挙げ躍進。外枠有利が定説の新潟直線1000mで、セルレアを内ラチ沿いから勝利に導くなど大胆な騎乗も多く、ファンを魅了する騎乗に注目が集まっている。趣味は映画、ドラマ鑑賞、料理。好きな言葉は「一生懸命」。常に上を目指す期待のアスリート。