第4章:ノルマンディーOCの方針と野望
2017/2/8(水)
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-:まずはクラブを立ち上げた理由ですが、以前うかがった時、「馬主としての収支はプラス。その方法論を、クラブ法人で証明したい、という気持ちがある」とおっしゃっていましたね。
岡:もちろんその理由は大きい。「競馬はやり方次第で儲かるもの」ということを浸透させたいですからね。また、当然のことながら、「事業」としての側面もあります。ただし、クラブ設立についてはそれだけが理由ではありません。ご存じのように、日本の競馬は馬券の売り上げで成り立っています。ですから、「ファンのために何ができるか?」という思いが常にあるんですよ。で、一般のファンが馬券以外の面で競馬を楽しむひとつのメソッドとして、クラブ法人は欠かせない存在。口幅った言い方になりますが、ファンの方に楽しんでもらうため、ある種の社会貢献的な意味合いもあるんですよ。
-:そういえば、牧雄さんは常にファンのことを念頭に置いてらっしゃいますよね。例えば、取材活動。「マスコミは現場とファンを繋ぐ存在だから、基本的に取材はウェルカム」という姿勢を貫いておられるわけで。
岡:そうですね。だから、取材に対してウチは常に協力的(笑)。ただ、そういう思いがあっても、クラブを運営するにあたって会員さんに迷惑をかけっぱなしでは話になりません。会員さんの立場からすると、一口持った馬の収支が大マイナスじゃあ、やってられないでしょう?ですから、我々としても「損はさせてはいけない」と肝に銘じておかねばならないんです。そのためにも、ある程度長いスパンで走れ、かつ賞金を咥えてこられるよう、丈夫な馬作りに励んでいるわけです。
▲ノルマンディーOC所属馬の3歳世代ではディバインコード、アリンナなどが活躍している
-:その点は、クラブ所属馬だけでなく牧雄さん関連馬すべてに貫かれている方針ですよね。
岡:ええ。ただ、クラブ所属馬に関しては、最近考え直している部分があるんですよ。クラブの会員さんにもいろいろなタイプがいらっしゃます。「収支」を最重視する方もおられますし、「夢を見たい」という気持ちの方が強い方もいらっしゃるんですよ。で、その「夢」とは言うまでもなくダービーをはじめとするG1に勝つことなのですが、そこまで出世できなくとも、「G1に出走してほしい」とか、「重賞で走ってる姿を見たい」という方が相当数おられるんですよ。
「『夢を見たい』と考えてらっしゃる方からすれば、その方針では物足りないじゃないですか。そんなわけで、まずはクラシック出走を目指し、これまでより早く仕上げることを考えているんですよ」
一方、従来の私の方針では、よほどの素質を感じさせる馬でもない限り、クラシックを前提にして使うことはありません。基本は「古馬になってから稼げばいい」という考えですから、若い時期はむしろゆっくりやることの方が多いんです。でも、「夢を見たい」と考えてらっしゃる方からすれば、その方針では物足りないじゃないですか。そんなわけで、まずは「クラシック出走」を目指し、これまでより早く仕上げることを考えているんですよ。で、「近々に春の3歳重賞を、できればクラシック」を、というのが当面の目標になるわけです。
-:それは、「ノルマンディー、クラシック奪取宣言」と受け取っていいのでしょうか?
岡:そんな大げさな(笑)。そもそも、ノーザンファームや社台ファームのように、クラシックの常連牧場とは生産馬のレベルが違いますから、そうそう簡単に実現できる話ではないでしょう。その目標に向かって動き出す、ということです。
-:なるほど。その目標が実現することを期待しています。ちなみに現3歳世代では、すでにオープン入りしたディバインコード、アリンナ、まだ1勝馬ですが、メンツの濃かった福寿草特別で好走したプラチナムバレットあたりをG1で見たいです。今日はお忙しいところありがとうございました。
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