-:その海外、祖国のイタリアの競馬は凄く不況だと聞きました。その点も日本とギャップを感じたりする事がありますか?

リスポリ:昔は休日にどこかに行くとなったら、競馬場だったけれど、いまはイタリア自体が社会的に不況で、そんな事がないんですよね。就職すら出来ない人や、失業者も多くて、競馬にお金を使える人自体がいないような状況ですね。

-:国全体でそうなんですか。

リスポリ:政府がお金を出さなくて、ローマの開催も中止になった程なんです。ローマが開催が出来ないと、1000ギニー・2000ギニー・ダービーなどのビッグレースもできないから、酷い状況ですね。

-:ただし、日本でも競馬人気が低下といわれていますが、秋山さんは10年以上ジョッキーをやられてきて、そういう実感はありますか?

秋山:あんまり、(競馬場にファンが)人が減ったという実感がないんですよね。

リスポリ:でも、日本の競馬も人気が低下といわれているかもしれませんが、賞金が高いですよ。向こうの未勝利だったら、1着賞金が10万や100万というレースがありますからね。

-:そんな中で、外国人ジョッキーが年中、来るようになった日本の競馬界ですが。日本人のジョッキー達にとっても、厳しい時代ですね。

浜中:いい迷惑です(笑)。それにしても、(外国人騎手は)みんな来て、よく勝っていきますよね…。賞金の高いレースも沢山勝ちますし。
ただ、間近で凄い技術を見ることができたり、僕らにとってメリットになりえる事もありますね。

-:外国人ジョッキーというと、昨年は大きいレースで審議になるケースも多かったですね。

秋山:それを言ったら、僕は外国人ジョッキーをかばうわけではないけれど、去年の同じ時期にやっていた福島(開催)とかも酷かったですからね。

浜中:目立ったレースが大きいレースだっただけで、「あれはどうなの?」っていうレースも沢山ありますからね。人間ですから、ミスジャッジもあるとは思いますが、僕ら自身がレースに乗っていて、納得いかない部分もありますから。アクシデントにならないような騎乗をすればいいと言われたら、それまでですが…。
言ってみれば、この前の幸さんのケースだってそうですよね。裁決の人もプロだけれど、ただ、これだけ、不服申し立てが出たり、ジャッジに納得がいかないと思うジョッキーが多いということは…。あんまり言い過ぎると、怒られそうですね(笑)。

-:でも、生き物に乗っている以上は、そうゆうアクシデントはありますよね。リスポリさんからみて、日本の裁決については、どう思いましたか?

リスポリ:まず、第一に裁決員は同じジャッジをしないといけない。ダメならダメ、良いなら良いで、統一しなくちゃいけないですね。

-:また、リスポリさんからみて、日本人ジョッキーがよくなるためにこうしたらいいという事はありますか?

リスポリ:(言い辛そうに)え?…(苦笑)。陰で他のジョッキーに対する悪口はいうのは良くないんじゃないかな。

浜中:確かにウンビィは前も言っていました。レースが終わったあとに、ああだこうだいうじゃないですか?それで、後々になってもまだ言う、その悪い関係を日本人は引きずるんですよ。でも、イタリアでは、指摘はしあうけれども、そういう事を引きずらないらしいんです。日本はそこが残念だなって。

リスポリ:僕が日本に来る時に周りからは、外国人だから、イタリアのリーディングジョッキーだからと、一人ぼっちにさせられるんじゃないかと言われていていました。
勿論、レース中は仕事だから、ぶつかりあったり、激しいレースはすると思います。ただ、レース以外の時はみんなと食事をしたり、遊びに行ったりしたいとは思っていますね。