POGもクライマックスの時期を迎えたが、今週は3歳重賞の無い隙間の週。POGの調子が良くない人にとっては、ホッと一息つける週末だ。よって今週は、POGよりも馬券に力を入れてもいいかもしれない。そんな方々にも役立つのが、このコーナーだ。

まずは土曜日。京都では芝1200mのオープン葵Sが行われる。ここは前走で500万勝ち上がりの馬が優勢ムード。

ダノンハイパワーは前走で500万を差し切り。昨秋にはオープンのカンナSでタイムトリップの2着しており、格上げ戦の雰囲気はない。

レジーナフォルテは、前走の雪うさぎ賞を好位抜け出し。この馬もオープンはクリスマスローズSで3着の実績がある。

スビールアスールは、一時期ダートを使っていたが、前走で芝に戻して勝利。1分8秒台で勝っており、京都の芝にも対応できそうだ。

京都の1200m戦だけに、逃げ馬にも注意。このタイプでお奨めはアズールムーンだ。昨秋の京都で遠征しており、500万特別を逃げ切り。その後2戦は大敗したが、砂を被って怯んだダート戦、超ハイペースで逃げたフィリーズレビューと仕方ない面もある。この馬には絶好の舞台を迎え、人気も落ちることから馬券的妙味は高い。

未勝利芝2200m戦はPOG人気馬でサウンズオブアースの半弟バリオラージュが出走予定。久々の前走は6着。これを叩いてどこまで変わったか。

同じレース予定のモンドバーグは、半姉がGⅠ馬クイーンズリング。デビュー戦は大敗したが、この馬も一叩きでどこまで変身できたか。調教は動いており、前走のようなことはあるまい。

次は土曜日の東京を見ていこう。

スプリットステップ
500万牝馬限定のダート1600m戦は、2戦目で初勝利のスプリットステップが格上げ初戦。その前走は早めに抜け出し余裕の勝利。500万でも牝馬限定戦なら好勝負。

関西からはクルークハイトが遠征。一族にはランフォルセ、ノーザンリバーなどダートの活躍馬が多数おり、500万で頭打ちになる馬ではあるまい。

未勝利牝馬限定の芝2000m戦では、堀厩舎のオーロファインがデビュー。「トモの頼りなさが残り、そのあたりをケアしながら調整。この時期まで遅れた点がどうかだが、持っているモノは悪くない」と森助手。母は1600万で活躍したオールピュール。その母の傾向から晩成っぽい面も感じられるので、馬券の狙い目はもう少し先になるかもしれない。

未勝利ダート1600m戦は、デビューから5,3着と上げてきているデビルオブスピーチが、そろそろ勝機か。

デビュー戦で既走馬相手に5番人気に推されながら15着大敗のオーブルージュは、流れに乗れないまま終わったので、あれが能力とは思えない。530キロを超える大型馬で、変わり身に期待したい。

未勝利牝馬限定のダート1400m戦では、桜花賞馬キストゥヘヴンの仔ジュローズがデビュー。上3頭は吉田和子氏名義だったが、4番仔のこの馬は社台RH所属。活躍馬が出てもいい頃なのだが。

新潟では、未勝利牝馬限定の芝1800m戦でグラニーズチップスが初勝利を目指す。「まだ馬が成長途上の感は否めないが、パンとすれば走ってくる。未勝利戦なら素質の違いで」と藤原英師。デビュー戦はキセキの2着も、2戦目は6着。以降は休養し、約5か月ぶりのレースになる。半兄はステファノス。休養の間にどれだけ成長したか楽しみである。

続いて日曜日のレースを見ていこう。まずは京都。

未勝利芝1800m戦のカルトデュモンドは、3月のダートの新馬戦に出走し8着。この時期の新馬戦はダート戦ばかりで、仕方ない出走だったかもしれない。母系は確かにダート系だが、父はディープインパクト。芝で違う走りを見せるかもしれない。

アナザートゥルース
東京は、ダートの青竜Sが3歳戦のメイン。好メンバーが揃いそうだが、注目はアナザートゥルース。デビューから無傷の2連勝だが、特に前走は逃げて終いの5Fが全て12秒台。序盤のペースが遅かったとはいえ、上がりのかかる中山で、これだけのラップを踏んだのだから能力は高い。半兄はGⅠウイナーのサウンドトゥルー。弟も末はGⅠか。

サクレエクスプレスは、前走初ダートで快勝。時計もなかなかのものだった。母はダートの交流重賞を勝ったビーポジティブで、その姉にドバイワールドC2着のトゥザヴィクトリーと、ダートで活躍する背景は持っている。

未勝利芝2000m戦は、12月の新馬戦2着以来のフライベルクが予定。弱いとこがあって前走後は休養。このレースも整わなければ回避もあるようだが、出てくれば初戦の内容から勝負になるだろう。

未勝利芝1800m戦は、前走で巻き返してきたシングンマイケル。新馬戦2着から勝利は近いと思われたが、2戦目は流れに乗れず10着。しかし先行した前走は4着と、やはり未勝利クラスでは上位にある。自分の競馬ができれば、今回も上位争いだ。

未勝利芝1400m戦は、デビューから2,5,2,5着のグラドゥアーレ。今回は走る番?「使う毎に気の勝った面が出てきたので、距離を短くしてみる。能力的にこのクラスは突破できる」と小西師。先に行けるので、1400mへの距離短縮はプラスに働きそうだ。

最後に2歳入厩馬情報。毎週採り上げている堀厩舎だが、先週載せ損なってしまったのがレピアーウィット。兄は朝日杯FSを制したアジアエクスプレスで、POGに向かない堀厩舎と言えど、この馬はさすがに早くから活躍してくれるのではないか。

POG上位人気になりそうなところでは、トゥザフロンティア。母がGⅠウイナーのトゥザヴィクトリー、半兄はトゥザグローリー、トゥザワールド、そして前回泣いた人も多いであろうトゥザクラウンである。あまり体質の強い一族ではないだけに、この時期に入厩できた意味は大きい。

シエラネバダは、スプリングS勝ち馬マウントロブソン、青葉賞で見せ場をつくったポポカテペトルの半弟。この馬もイメージより早い入厩で、人気になるだろう。

POG向きで評価されているのはダノンアモーレ。母はアルゼンチンでダート1000mのGⅠを勝ち、祖母はアルゼンチンのチャンピオンスプリンター。

トーセンブレスは、1200mのオープン特別を2勝したブルーミンバーの初仔。どちらも夏の2歳Sが視野に入る。