POGも残るところ、あと2週。オークス、ダービーに有力馬がおらず、負けが確定している人は、さっさと次のPOGに向けて2歳馬の研究を進めていることだろう。とはいえ負けを少なくしたいのも事実で、未勝利戦でもいいから勝ち星を加えたいもの。そんな方々も楽しめるように、オークス以外の3歳戦を見ていきたい。

土曜日は京都で500万メルボルンT。今度こそレジェンドセラーに決めてもらいたい。未勝利戦を勝って500万に上がってからは、オープン芙蓉Sを含めて5戦すべてが1番人気。しかし結果は2,3,3,8,4着となかなか勝ち切れない。前走も4着だが、超スローペースを後方から進める最悪の形で、最後は脚を余しての4着。POGで持っている人にとってはストレスの溜まる競馬が続いている。力量的には、いつでも500万を勝てる馬。相手もかなり弱くなってくる時期なので、最後に決めてほしい。

ミリッサ

平場の500万牝馬限定・芝1600m戦は、こちらもPOGファンをやきもきさせているミリッサが出走。勝てると思われたエルフィンSで消極的な競馬をし、脚を余して敗れ、チューリップ賞も4着で桜花賞出走ならず。少差3着のリスグラシューが桜花賞2着、5着のカワキタエンカが500万を勝ち、桜花賞も7着だから、もし桜花賞に出られたら……と考えてしまう。500万なら、エルフィンSのような競馬をしなければ普通に勝てるはずだが。

2戦連続3着のフェルトベルクも、ここで2勝目を目指す。前走はサングレーザーが楽勝したレースで、500万の平場にしてはメンバーが強かった。牝馬限定戦で前走以上の結果を望める。

未勝利・芝1400m戦は、マジックタイムの半弟ラモントルドールが有力。デビュー前はダート向きという話もあったが、前走久々の芝のレースで2着に入り再上昇。今回も勝ち負けだろう。

東京では、未勝利・芝1600m戦のサイレントサード。これまで7戦し、2着が4度。ここ2戦はハナ差、半馬身と特に惜しい競馬が続いている。連続2着で疲労も気になるが、それさえ無ければ今度も好勝負。

ただ上昇度ならスパイラルダイブ。秋の東京でデビューし、バルデスのハナ差と、こちらも惜しい2着。その後軽い骨折で休養に入り、今回は7か月ぶりのレースとなる。長期休養明けだが、そこは社台系の馬なのでしっかり仕上げての出走となろう。いきなり勝機だ。

未勝利牝馬限定・ダート1600m戦は、デビューから3戦全て1番人気のキュンメル。新馬戦でハナ差敗れたのが響き、その後2戦は5,3着と初勝利に時間がかかっている。決め手に欠ける面はあるが、好位から競馬ができるので今回も大崩れは考えにくい。あと一押しが効けば初勝利となるのだが。

新潟の1000m戦では、ディープインパクト産駒のスカーレットキスがデビュー。「血筋のいい馬でフットワークはいい。経験馬相手の初戦なので、ペースなど対応できるようならば」と池内助手。母の弟には菊花賞馬のオウケンブルースリがいる血統。調教ではウッドで5F69秒台を馬ナリでマーク。デビュー前を考えれば水準にはある。

新潟の未勝利・芝2200m戦は、フリージングレイン。2戦連続2着の後となった前走は1番人気に推されたが6着。惜敗後の中1週が響いたか。今回は中2週だが、前走が力だけ走っていない分上向いてくるのでは。母は3歳夏に2連勝しG1秋華賞で2着のレインダンス。この馬も暖かくなってきて上昇を見せたい。

エルデュクラージュ

日曜日は、京都でダートのオープン鳳雛Sが行われる。エルデュクラージュが1月以来のレースとなる。デビュー3戦目の500万で少差3着。この時の勝ち馬サンライズノヴァがオープン伏竜Sを2着、2着のタガノディグオが交流重賞兵庫チャンピオンを勝っている。4戦目の500万は好タイムで楽勝しており、オープンでも通用する。

未勝利・芝1800m戦は、キャリアを積んでレース内容が良くなってきたメイショウグロッケ。デビュー当初は後方で脚を溜める形で展開に左右されるイメージだったが、2走前は好位につける競馬でクビ差2着。前走は2番手追走で行き過ぎた感もあったが5着と崩れていない。今回も好走を期待できる。

未勝利牝馬限定・芝1600m戦は、デビューから4,3,2,2着のエレクトロニカが初勝利目前。前走も勝ったユイフィーユが強すぎた競馬で、相手が悪かった。前走珍しく崩れたアルテーロも、その前は3,5,3,2着と安定。良馬場なら前走のようなことはあるまい。

東京では、オークスが当然メインだが、なかなか面白いメンバーになりそうなのが、500万・芝1600m戦。

既走馬相手に快勝したベストアクターが無傷の2連勝を目指す。祖母は名牝ダイナアクトレスで、一族にはスクリーンヒーロー、ステージチャンプなど活躍馬も多く、社台の歴史を彩って来た。最近は勢いがなくなってきたので、ベストアクターにかかる期待は大きい。

前走2着で上向いてきたのはラーナアズーラ。「右回りは内にモタて伸び切れないが、左回りはスムーズ。前走も惜しいレースだったし、東京のうちに何とか決めたい」と畠山吉師。このコメントからも勝負度合は高い。

ソーグリッタリング

ソーグリッタリングは、母が桜花賞3着のソーマジック。あやめ賞で惜しくもハナ差負けで2勝目は逃したが、一叩きされた今回は勝ち切りたい。

ヒストリアは500万春菜賞で2着、前走のスイートピーSは6着も、勝ち馬からコンマ1秒差の接戦を演じた。残念ながらオークスの権利は取れず前座のレース出走となったが、ここで鬱憤を晴らしたい。

500万・ダート1400戦は、トレンドラインが人気になりそうだ。格上げ初戦の沈丁花特別は、勝ち馬からクビ、ハナ差の惜しい3着。平場戦なら前走以上の結果も見えてくる。

未勝利・芝2400m戦のメイプルストロングは、ここまで3度の2着がある。「稽古は相変わらず動くし、引き続きデキは申し分ない。未勝利は勝てるだけの馬で、血統的にもまだまだこれから良くなりそう」と高橋助手。ジリジリした脚でもどかしい面もあったが、前走は初めて上がり33秒台をマークし、ワンランクアップしたイメージ。東京戦は得意なので、ここで決めたい。

最後に2歳馬の入厩情報。人気を集めるディープインパクト産駒では、シエラネバダ。全兄はスプリングS勝ち馬マウントロブソン、先日の青葉賞で見せ場をつくったポポカテペトルがいる。

レインボーダリアの15は母の初仔。その母はエリザベス女王杯を勝っており、仔にもG1の期待がかかる。

他産駒で目立つのは、ルーラーシップ産駒のコンキスタドール。半兄に菊花賞2着のレインボーライン、ローズS勝ちのアニメイトバイオがいる。

外国産馬のモルトアレグロは、キンランドセールで52万5000ドルの馬。短い距離で稼ぐタイプで、夏の2歳戦から稼いでくれそうだ。