今週最大の目玉は、美浦トレセンで話題になっているミッキーグローリー(牡2、美浦・国枝厩舎)。入厩して間もない時期の調教で、ウッド4F51秒台をマークし、千葉セリで2億円近い値がついたマツリダバッハ(牡2、美浦・国枝、父ディープインパクト、母ムーンレディ)を子供扱い。一瞬のうちに同馬を引き離してしまった。
母のメリッサは北九州記念を勝つなど短距離馬として活躍。その母の影響からか、かなりのスピードがあるようだ。生産者の岡田牧雄氏(岡田スタッド)も、「NHKマイルCを狙える馬」と話していることから、主戦はマイルとなりそうだ。
デビューは1週前の段階で芝1400mと芝1800mの二つのプランもあったが、どうやらマイル戦のデビューとなりそう。適性からは1400mのほうがいいのかもしれないが、将来を意識して1800mからスタートしたい考えもあるようだ。いずれに出てきても注目度は大。トレセンでは、デビューもしていない段階で、「新潟2歳Sは決まった」という声も挙がっているほどの馬。どの程度の器なのか、しっかり確かめたい。

ミッキーグローリー
牡、美浦・国枝、ディープインパクト×メリッサ
POGシメイ

 その新潟だが、関西馬も参戦してくるのでメンバーは濃厚。芝1800m戦にはイモータル(牡2、栗東・須貝尚厩舎)が出走予定。母ショアーはオープン馬のエックスマークを筆頭に、ショウナンバーズアドマイヤシーマなど素質馬を出しており、いつ大物が出てもおかしくない。
須貝厩舎は、芝1600m戦にもイモータルと並ぶ期待馬ケルティックソード(牡2、栗東・須貝尚、父ハーツクライ、母シャルマンスタイル)を投入する模様だ。ハーツクライ×タイキシャトルの組み合わせは、ワンアンドオンリーが出ている成功配合。2代前の母アビはディープスカイを出した繁殖牝馬で、血統的にも魅力がある。

 このレースには、セレクトセールで1億円以上の値がついたドラゴンテリー(牡2、美浦・戸田厩舎)も出走予定。2週前には、同厩の良血馬ノンシュガー(牡2、美浦・戸田、父ダイワメジャー、母クリームオンリー)と併せ先着。1週前も芝でいい動きを見せており、いい状態でデビューを迎えられそうだ。
 芝1400m戦は、調教が目立っているレアファインド(牝2、美浦・田村、父ステイゴールド、母ネットオークション)。田村厩舎はビッシリ調教をやってくるので能力や仕上がりが把握しやすいが、この馬はウッドで6F81秒台を出しており、当然合格点。半姉のコレクターアイテムがアルテミスを勝っているように、2歳戦から動ける。

関西からは、プリンシパルスター(牡2、栗東・矢作厩舎)が遠征。新潟1600mや、小倉の1200mの可能性もあるようだが、1週前時点で一番出走の可能性が高いのが、新潟1400m戦になりそうだ。フラムドグロワールネオルミエールと、母の仔は最近活躍しており、この馬も期待大。矢作厩舎も合いそうなタイプだ。

イモータル
牡、栗東・須貝尚、マンハッタンカフェ×ショアー
POGシメイ

ドラゴンテリー
牡、美浦・戸田、ディープインパクト×コージーロージー
POGシメイ

プリンシパルスター
牡、栗東・矢作、ダイワメジャー×シルクプリマドンナ
POGシメイ

 新潟に楽しみな馬が揃ったが、他場でもPOGで注目の馬がデビューする。
小倉の芝1800戦は、朝日杯勝ち馬ダノンプラチナの半妹リボンフラワー(牝2、栗東・池江寿厩舎)がスタンバイ。池江寿厩舎にしては珍しく終い重点の調教だが、馬ナリで1F11秒台を出しており動きは軽快。馬主は、池江寿調教師の父になる池江泰郎氏。この点でも興味が増す。

 小倉2歳Sを目指す1200m戦では、ペイザージュ(牝2、栗東・大久龍厩舎)。1週前の坂路で52秒5-12秒3の時計をマークし、トレセンの評判も高い。半兄のダッシャーゴーゴーは小倉芝1200m戦の新馬を勝ち、小倉2歳Sは2着。その後1200mの重賞を3勝している。この馬も兄に続きたい。

札幌の芝1800戦では、ティルヴィング(牝2、栗東・松永幹、父ディープインパクト、母ストゥデンテッサ)が福永騎手でデビュー。「体の成長を見ながらだったが、時間をかけたことでふっくらしてきたし、態勢は整った。バネのあるいい動きをする」と松永幹師。相性のいいディープインパクト×ストームキャット系の配合で、化ける可能性もある。
同レースはレッドボルテクス(牡2、栗東・松田国、父キングカメハメハ、母プレイガール)も予定。1週前はウッドで68秒4-12秒9。デビュー前の2歳馬にはタフな馬場だったが、そこで12秒台を出したのは評価していい。

リボンフラワー
牝、栗東・池江寿、ディープインパクト×バディーラ
POGシメイ

ペイザージュ
牝、栗東・大久龍、ダイワメジャー×ネガノ
POGシメイ

先読みPOG

▲一週前追い切りを行うティルヴィング


 続いては、新規入厩組を見てみたい。
POG的に一番の注目はスカイムーヴァー(牡2、美浦・手塚厩舎)。馬主の星野氏と手塚厩舎のラインは、桜花賞馬アユサンやアーリントンCを勝ったヤングマンパワーがいる。星野氏の馬は手塚調教師がアドバイスをしているようなので、スカイムーヴァーも師のお眼鏡に適ったとなると、同じ下河辺牧場出身のアユサンのような活躍を見込みたい。牧場での評判も上々で、デビューが待たれる。

ワンブレスアウェイ(牝2、美浦・古賀慎、父ステイゴールド、母ストレイキャット)は、全姉がクイーンCを勝ったキャットコイン、半姉はファンタジーSを勝ったタガノエリザベートと牝馬の活躍馬が目立つ。この馬も牝馬に出て、姉が勝てなかったクラシックを取りたい。
メートルダール(牡2、美浦・戸田、父ゼンノロブロイ、母イグジビットワン)は、姉が昨年夏の新馬戦を好タイムで快勝したアールブリュット。残念だが故障で大成は遅れているが、素質は高い馬だ。弟も姉同様の素質を持っていれば、2歳戦から活躍できる。

 最後はPOGでお馴染みの血統ラベンダーヴァレイ(牝2、栗東・藤原英厩舎)。一つ上のパラダイスリッジこそ1勝馬だが、他の兄姉5頭がオープン馬。カミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)、ベルキャニオン(プリンシパルS)、マウントシャスタ(白百合S)と錚々たる顔ぶれだ。予想以上に早い入厩で、POGで取れば良かったと、ちょっと後悔している。

スカイムーヴァー
牡、美浦・手塚、ディープインパクト×ランフォーイット
POGシメイ

ラベンダーヴァレイ
牝、栗東・藤原英、ディープインパクト×クロウキャニオン
POGシメイ