宝塚記念週の阪神新馬戦は例年好メンバーが集まるが、今年もPOG人気馬が出走。それは後に紹介するとして、まずは土曜日の新馬戦から見ていく。

▲15年セレクトセールに上場されたイベリアは阪神1800mでデビュー予定

土曜日は東京で芝1600m戦。ダービー、オークスを制した藤沢和厩舎が送り込むのはレッドガーランド(牡2、美浦・藤沢和厩舎)。半兄にはスーパームーン(アメリカJCC2着)がいる。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は藤沢和厩舎らしく軽めで、芝5Fを71秒台。まだ集中力を欠く場面もあるようで、若さが目立つ現状。レースでどう影響するか心配な面もある。

リーベグランツ(牝2、美浦・菊沢厩舎)は、半姉に交流重賞勝ちのディアマイダーリンがいる。ウッドで4Fから58秒台と、この馬も軽めだが、2週前に坂路で53秒6を馬なりで出しており仕上げは進んでいる。

函館は新馬戦が2つ。ダート1000m戦では、POG本でも大きめに採り上げられていたモルトアレグロ(牝2、美浦・武井厩舎)がデビュー。美浦での動きも良く、函館に入っても順調に時計が出されている。相手を考えても、まずは勝たねばならないレースだ。

函館芝1200m戦のチクタクボンボン(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)は、母が秋華賞勝ち馬のティコティコタック。美浦のウッドで水準の時計を出してから函館に移動しており、仕上げに手間はかかるまい。

そして日曜日が、今週の新馬戦のメインになる阪神芝1800m戦。POG的に目玉になるのはシエラネバダ(牡2、栗東・音無厩舎)だろう。全兄にマウントロブソン(スプリングS)、今年の青葉賞で見せ場をつくったポポカテペトルと、ここ2年上が走っている。トビが大きく、騎乗する人はみんな乗り味がいいと話している。軽くて薄さがあるし、芝の長めが良さそう」と音無師。鞍上はM・デムーロ騎手を予定。坂路52秒1－13秒9で併せたビッグボスに遅れたが、イメージから調教は走りそうにないタイプで、レースへ行けば変わるだろう。

同じディープインパクト産駒でも、調教で動いているのはイベリア(牡2、栗東・橋田厩舎)。2週連続でCW5Fを66秒前後、上がりも12秒前後でまとめており、初戦から勝負になる。スプリングスマイル(牡2、栗東・橋口慎厩舎)も、CWで6F83秒台、上がりは12秒で上がっており、態勢は整った。

ここへ来て良くなってきたのはアドマイヤビクター(牡2、栗東・友道厩舎)。2週前までは目立たなかったが、1週前はCWで5F66秒台後半、終いも12秒前半で上がっている。「筋肉質でいい身体つきをしている。血統背景からも中距離向き」と友道師。半兄はエアカミュゼ(4勝)、半姉にアドマイヤサブリナ(3勝)と、粒は揃っている。

ダノンプレミアム(牡2、栗東・中内田厩舎)は、全兄が先の500万を好時計勝ちしたロードプレミアム。仕上げ上手の中内田厩舎なので、初戦でもそれなりに仕上げてくるはずだ。

東京でも芝1800m戦。セレクトセールで5000万円以上の値がついたスワーヴエドワード(牡2、美浦・国枝厩舎)は、ディープインパクト一族の一頭。「普段はのんびりしているが、走り出すと前向きさを出す。オンとオフの切り替えがしっかりできる馬」と国枝師。レイデオロ、アドマイヤミヤビの活躍で今が旬の母系だけに、この馬も勢いに乗りたい。

マイネルイノメ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は、母の兄にマイネルキッツ(天皇賞・春)、母の姉にマイネカンナ(福島牝馬S)がおり、マイネルの活躍血統。調教時計は目立っていないが、牧場で速いところをやってきているので、仕上がりは大丈夫だろう。

ライトカラカゼ(牡2、美浦・相沢厩舎)は、半兄にクリールカイザー(アメリカJCC)。調教や血統から、使って良くなるタイプかもしれない。逆にロードイグニス(牡2、美浦・木村厩舎)は、半兄のファソンがすずらん賞、福島2歳Sと2歳オープンで2着しており、早くから活躍したい。

▲16年セレクトセールで2億6000万円で落札されたスーパーフェザー

新規入厩の目玉は函館に入厩したスーパーフェザー。セレクトセールで2億6000万円の値がついた高額馬で、POGでも当然上位で指名された馬だ。あまり情報が出なかった馬なので、この時期に入厩できたのは収穫。恐らくゲート試験だけで、デビューは秋になろう。

トーセンアルタイルもセレクトセールで高額(税込1億3500万円)の馬。全兄には重賞でも活躍のトーゼンバジルがいる。牝馬ではミカリーニョ(牝2、美浦・木村厩舎)。半姉はフランケル産駒でファンタジーSに勝ったミスエルテ。姉同様気の悪いところがあるようだが、評判はかなり高い。