今週より札幌、新潟、目玉は、日曜日の札幌でデビューするダービー馬の全弟だが、まずは土曜日の新馬から見ていきたい。

　札幌芝1500mには、この札幌で有力馬を複数デビューさせる予定の藤沢和厩舎が、タワーオブロンドン(牡2、美浦・藤沢和厩舎)を投入。近親には皐月賞馬ディーマジェスティがいる。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、函館の芝コースで5F67秒台。美浦の坂路でも時計を出しており、仕上がりは進んでいる。鞍上はルメール騎手を予定。

　メジェールスー(牝2、栗東・藤原英厩舎)は、母がヴィクトリアマイルを制したエイジアンウインズ。「父系、母系の血筋からスピードがありそう。ここまで比較的、順調に進めることができたし、どんな走りをしてくれるか期待している」と田中博助手。　函館ウッド5F67秒台、終い1F12秒半ばと、時計は水準のものが出ている。G1馬の母からは未だ勝ち馬が出ていないので、この馬が母へ初勝利を贈りたい。

　キルロード(牡2、美浦・田村厩舎)は、母が4勝したキルシュワッサー。調教はウッドで67秒前半、上がりも12秒台でしめている。併せて遅れたが、相手が古馬では仕方あるまい。

　新潟では芝1400m戦。ルッジェーロ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は、セレクトセールで4212万円(税込)。半兄にカレンリスベット(4勝)、シルヴァーグレイス(4勝)などがおり、兄姉7頭中、新馬勝ち2頭を含め、5頭が3着以内に来ている。「見栄えのする馬体で、走りは力強い。気性はおっとりしているが、走り出すとスピードの乗りがいい」と鹿戸師。鞍上は戸崎騎手を予定。調教は軽めだが、鹿戸厩舎はこの内容で新馬戦から好勝負する馬が多いので心配はいらない。

　ビッグディール(牡2、美浦・武井厩舎)は、祖母がスカーレットブーケ(重賞4勝)、母の兄にダイワメジャー(天皇賞・秋などG13勝)、母の妹にダイワスカーレット(有馬記念などG14勝)がいる。ウッド調教は軽めばかりだが、日曜日にも坂路で速めの時計を出していることから、調教量は足りているのだろう。

　日曜日は、札幌芝1800m。今週の目玉レイエンダ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)がデビューを迎える。ディープインパクトを輩出した一族で、祖母は6戦5勝のレディブロンド、そして全兄は今年のダービー馬レイデオロである。「この時期にしては完成度が高く、それでいて奥の深さを感じる。楽しみな1頭」と大江原助手。鞍上はルメール騎手。

19日の追い切り後、ルメール騎手、藤沢和雄調教師らからも笑顔がこぼれた

美浦から函館に輸送し、芝コース5F72秒とかなり軽いが、美浦坂路で水準レベルの時計を何本か出している。兄のレイデオロも直前はかなり軽い内容で新馬戦に臨み快勝。この馬もそれほど強い調教をやらなくても大丈夫だろうし、8分レベルの仕上げで勝って欲しいところだ。

　ラソワドール(牝2、美浦・戸田厩舎)は、半兄にオープンで活躍のグランシルクがいる。函館に入っての調教は軽めだったが、美浦ではウッド69秒台を馬ナリマーク。この馬も戸田厩舎ということを考えると、本追い切り以外での運動量は多いだろうから、仕上げに不安はなかろう。

　スタートレイン(牡2、美浦・田村厩舎)は血統こそ地味だが、札幌のダートコースで2週前に上がり1F12秒を切る時計が出ており、仕上げは進んでいる。

　札幌ダート1700m戦は、トリコロールライト(牡2、美浦・鈴木伸厩舎)。母はオープン特別を2勝したアロマキャンドル、母の兄にプレシャスカフェ(重賞2勝)がいる。美浦のウッドで4F54秒と時計は地味。レースでどこまで変わるか。

　新潟では芝1600m戦。ブリリアントデイズ(牡2、美浦・相沢厩舎)は、近親にG13連勝のゼンノロブロイがいる。ウッドで67秒と水準の時計は出ており、初戦から期待したい。

　新規入厩は、池添学厩舎の良血馬が続々函館に入って来た。ソシアルクラブは、母が名牝ブエナビスタ。サラキア、マイティスピリットは期待のディープインパクト産駒である。特にサラキアは早くから高い評判になっており、デビューが待たれる。

　他厩舎で目立つのはシーリア。母はオークス馬シーザリオ、兄にエピファネイア(G12勝)、リオンディーズ(朝日杯FS)がいる。マルケッサは、半兄がサトノダイヤモンド(G12勝)。父がオルフェーヴルで、果たしてどんな馬に出たのか。ここまで挙げた馬はゲート試験後に再放牧し、秋デビューの可能性が高い。再入厩では、モーリスの全弟ルーカスが美浦に入り、その後函館に移動。こちらは札幌でデビューする可能性もある。