▲2015年セレクトセールで1億8000万円の値がついたダノンチェリー

今週は3日間開催。土、日、月曜日それぞれにPOG人気馬が出走するので見逃せない。

土曜日から順に追っていきたい。阪神芝1400m戦がなかなかの好メンバー。ワールドビーター(牡2、栗東・角田厩舎)は、全兄にエアソミュール(毎日王冠、鳴尾記念)がいる。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、CWで6F82秒台、5F66秒台と全体時計は上々。上がりが13秒台とかかってしまったので、最終調教ではこのあたりを修正したい。

デクレアラー(牡2、栗東・鮫島厩舎)は、全姉にソルヴェイグ(フィリーズレビュー、函館SS)。坂路55秒2－12秒7をマークし、ジョルジュサンクに少差遅れたが、相手は古馬1600万。これに食い下がったというから悪くない。なお芝1800m戦にまわる可能性もある。ベルフロレゾン(牝2、栗東・高橋忠厩舎)は、母の姉にシャトーブランシュ(マーメイドS)。CWで6F81秒台、5F66秒前半の時計を出しており、初戦から期待できる。

中山では芝1800m戦。サラーブ(牝2、美浦・木村厩舎)は、半兄がシャケトラ(日経賞)。ウッド4F54秒台と目立たないが、2週前に坂路55秒7－12秒8を馬ナリでマークしており、仕上がりは進んでいる。

日曜日は、阪神で芝1800m戦。牝馬ながらセレクトセールで2億円近い値がついたダノンチェリー(牝2、栗東・池江寿厩舎)が出走。2週前までの調教は物足りなかったが、ここへ来てCWで5F66秒台、上がり12秒を出し、水準レベルまで仕上がってきている。

シャンデリアスピン(牝2、栗東・松永幹厩舎)は、母が桜花賞、ヴィクトリアマイルと2つのGⅠを勝ったダンスインザムードだ。「早い時期にゲートは受かったが、無理せず態勢が整うまでじっくり調整。血筋的にもマイルから1800mくらいがベストでは」と松永幹師。鞍上は武豊騎手を予定。CWで5F67秒、上がりが12秒と調教も動いており、期待は高まる。

ガールズバンド(牝2、栗東・須貝尚厩舎)は、母がドイツ2000ギニー(GⅡ)勝ち馬。坂路54秒9－13秒0と目立たず、レースで変わるか。オノリス(牡2、栗東・吉田厩舎)は、CWで2週連続上がり12秒前半なら勝負圏内にある。

中山は、牝馬限定のマイル戦が好メンバー。プリモシーン(牝2、美浦・木村厩舎)は、母がオーストラリアでGⅠを4勝している名牝だ。「牝馬でも見栄えがするし、いいスピードがある。前向きなのでそのあたりのコントロールが課題になるが、期待の大きい1頭」と木村師。鞍上は戸崎騎手を予定。ウッドで4F54秒も上がりは12秒前半をマークし、デビュー戦が楽しみ。

ダイワメモリー(牝2、美浦・国枝厩舎)は、母が有馬記念などGⅠ4勝のダイワスカーレット「馬格があるので、牝馬だが気にせず稽古をしっかり積めるのはいい。パワーもありそうだし、血統的にも走ってくれないと困る」と国枝師。鞍上は内田博騎手を予定。坂路55秒4－12秒8でタンタアレグリアに遅れたが、相手は古馬オープン馬。時計的には悪くはない。ここまでダイワスカーレットの仔は目立った活躍馬がいないだけに、今度こその期待がかかる。

トーセンブレス(牝2、美浦・加藤征厩舎)は、セレクトセールで6912万円。母はブルーミンバー(7勝)、祖母にタヤスブルーム(フェアリーS)がいる。ウッドで外目をまわって5F65秒台は評価できるもので、新馬戦から好勝負を期待。レイナデルビエント(牝2、美浦・小笠厩舎)は、母の妹にアロマティコ(GⅠ3着2回)がいる。先週のレースを除外された分、仕上がりは更に進んでいる。

月曜日は、阪神で牝馬限定の芝1600m戦。リバティハイツ(牝2、栗東・高野厩舎)は、母がアメリカでGⅠを2勝している。坂路58秒3と遅くなってしまったのは、並走した相手に合わせてしまったため。直前はしっかり時計を出してくるだろう。

オルボンディール(牝2、栗東・西園厩舎)は、母がサダムグランジュテ(5勝)。CW68秒で、上がりは12秒後半。もう一つ時計を詰めたい。ラポートトーク(牝2、栗東・須貝尚厩舎)は、全姉がマローブルー(4勝)。こちらも調教は地味で、レースで変身なるか。

グアン(牝2、栗東・池江寿厩舎)は、半姉がマルヴァーンヒルズ(4勝)。先週という話もあったが、こちらに出走となった。CWで5F67秒台、上がりは12秒を切っており、上々の仕上がりだ。ウスベニノキミ(牝2、栗東・鈴木孝厩舎)は、近親にウインクリューガー(NHKマイルC)。2週前にCWで上がり12秒前後の上がりをマークし、動きは良い。

阪神ではダート1800m戦も。ここにはダートでお馴染みの一族であるイグレット(牝2、栗東・松永幹厩舎)が出走。母は天皇賞・秋を勝ったヘヴンリーロマンスだが、半兄はアウォーディー(JBCクラシック)、ラニ(UAEダービー)、半姉アムールブリエ(交流重賞6勝)と、ダート活躍馬がズラリと並ぶ。調教は、同厩のシャンデリアスピン(前出)に遅れているが、時計は悪くはない。

中山では芝1200m戦。アンフィトリテ(牝2、美浦・宗像厩舎)は、母の弟にリアルインパクト(安田記念)、ネオリアリズム(香港GⅠ勝ち)がいる。坂路55秒2－12秒7と時計は目立たないが、まだ詰められる余裕はある。

新規入厩は、POGで人気血統のプリメラビスタ。母はGⅠ馬ビワハイジで、兄姉はブエナビスタ、ジョワドヴィーヴルの両GⅠ馬、アドマイヤオーラ、アドマイヤジャパンら重賞勝ち馬が並ぶ。

ポンデザールは、半兄がサトノクラウン(宝塚記念などGⅠ2勝)。堀厩舎なので、ゲート試験後に放牧、ムーア騎手が短期免許で来ている期間に合わせて再入厩し、デビューとなる可能性もある。

その他ではアルビオリクス、アルーシャの両ディープインパクト産駒にも注目が集まる。