ドゥラメンテの近親アドマイヤキング、3歳馬絶好調の菊沢厩舎ミッキーハイドが登場!
2017/9/24(日)
▲2015年セレクトセールで落札されたミッキーハイド
来週から東京開催が始まるため、中山の新馬戦は全体的に地味なメンバー構成になりそうだが、阪神は別。今週もPOGで大人気になった馬がデビューする。
土曜日の阪神芝1800m戦から見ていこう。POG人気馬とは、ここに出走予定のアドマイヤキング(牡2、栗東・友道厩舎)だ。母アドマイヤテンバの弟に2冠馬ドゥラメンテ、祖母はエリザベス女王杯勝ち馬アドマイヤグルーヴ、曾祖母は天皇賞・秋、オークスの勝ち馬エアグルーヴ、4代母はオークス馬ダイナカールと筋の通った一族である。
友道師「大きくて見栄えのする馬で、力強さと持久力があり、長く脚を使えそうなタイプ。血統的な背景からも期待は大きい」と評価する。鞍上はM.デムーロ騎手。大型馬で完成度は低く、CWでの調教は目立たないが、2週前の芝調教では軽快な動きを見せた。初戦向きとは思えないので、いきなりデビュー勝ちとはならないかもしれないが、先々まで注目したい一頭だ。
ポジティブスタンド(牡2、栗東・高橋亮厩舎)は、母が7勝したスタンドオンエンド。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)はCWで4Fから51秒台も、上がりは13秒台とかかってしまった。ただ2週前にはCWで5F65秒台、上がりは12秒半ばでまとめており、水準以上のものはある。レッドゼノビア(牝2、栗東・大久龍厩舎)は、半姉に今年のスイートピーSを勝ったブラックスビーチがいる。CWで67秒台は悪くないが、上がりは13秒台。もう少し速い上がりが欲しい。
続いて阪神ダート1800m戦。カレンガリアード(牡2、栗東・安田隆厩舎)は、兄姉にオープン馬はいないものの、6頭中5頭が勝ち上がっている。調教はCW4F53秒台で、上がりは12秒を切る時計。2週前には坂路で54秒6-12秒2を出しており、初戦から期待できる。ダージリンクーラー(牡2、栗東・石坂厩舎)は、近親に菊花賞、天皇賞・春2着のアルナスラインがいる。CWで5F72秒台、上がりは12秒後半。ベストウォーリアに遅れたが、相手を考えれば仕方がない。
中山では牝馬限定の芝1600m戦。ムーンライトナイト(牝2、美浦・久保田厩舎)は、シルクレーシング期待の牝馬だ。「もう少し全体に力がついてくるといいが、背中や乗り味はいい馬。距離はもっとあっても良さそうだが、牝馬同士の初戦なら範囲内では」と池内助手。鞍上は大野騎手。美浦ウッドで5F68秒台、上がり12秒台を余裕をもってマークし、水準レベルの動きにはある。
日曜日は、阪神で芝1400m戦。バレンタインジェム(牝2、栗東・橋田厩舎)は、近親にアドマイヤムーン、ヒシアマゾン、スリープレスナイトらGⅠ馬がいるお馴染みの一族。坂路53秒1-12秒5を馬ナリでマークし、期待は高まる。アルモニカ(牝2、栗東・西村厩舎)は、母の兄にワールドエース(皐月賞2着)。坂路54秒1-13秒3は物足りないが、2週前の坂路では12秒台で上がっており、心配はなさそうだ。
中山では芝1800m戦。ミッキーハイド(牡2、美浦・菊沢厩舎)は、セレクトセールで5400万円(税込)で落札されたロードカナロア産駒。「馬っぷりもいいし、芯がしっかりしてくればいいところまでいけそう。マイルから1800mの条件が合うと思う」と菊沢師。鞍上は横山典騎手。美浦ウッド5F68秒台で、同厩のディープ産駒リバーブレーションを煽り、上々の動きを披露した。アエロリット、ミッキースワロー、ダイワキャグニーと3歳勢が活躍している菊沢厩舎。今年の2歳はこの馬か。
グローリーヴェイズ(牡2、美浦・尾関厩舎)は、母がメジロツボネ(4勝)。美浦ウッドで5F68秒台を馬ナリで出している。デムーロ騎手でデビューに期待感が見える。関西から遠征はメールドグラース(牡2、栗東・清水久厩舎)。母の兄にグラスボンバー(福島記念)がいる。CWで5F66秒台、上がりも12秒前半の時計を出し、9月23日の未勝利戦を楽勝したビッグスモーキーに先着。鞍上は福永騎手を予定している。
中山芝1200m戦は、メルトポイント(牡2、美浦・斎藤誠厩舎)。古いファンしかピンと来ないかもしれないが、天馬トウショウボーイを出したソシアルバターフライの一族で、祖母は重賞2勝のマザートウショウ、曾祖母に名牝エイティトウショウがいる。坂路55秒9-13秒3を一杯と調教は地味。貴重な牝系の馬なので、この先変わって欲しいものだ。
例年クラシック候補が続々現れる10、11月開催を迎え、POG人気馬が続々入ってきている。
新規入厩では、キャロットファーム期待のヴェルテアシャフト。全兄にステファノスがいるフィニフティのディープインパクト産駒2頭が目に付く。他の産駒では、アヴェンチュラ(秋華賞)の初仔になるデサフィアンテ、ドナウブルー(重賞2勝)の初仔イシュトバーン、ファンディーナの半弟グランソードが血統的に面白いところ。
再入厩では、堀厩舎のディープ産駒で半姉にパシフィックギャルがいるサトノソルタス(牡2、美浦・堀厩舎)、半兄にアンタラジーがいるグラマラスライフ(牝2、美浦・田村厩舎)は、ともにPOGでも人気になった馬。グラマラスライフのほうは、東京の2週目デビューを予定している。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。