今週は京都日曜日の2つの新馬戦が好メンバーだが、まずは土曜日から見ていきたい。

土曜日京都は、芝1400mのガナドゥール(牡2、栗東・高野厩舎)が初戦から勝ち負けの構え。1週前(以降も調教は主に1週前のもの)は坂路で52秒6-12秒1の好時計をマークし、古馬500万の馬に大きく先着している。上はアドマイヤディープ、シーズンズベスト、テンペル、ビーオブザバンと3勝以上している馬が4頭。この馬も出世は見込める。鞍上は川田騎手。

ダート1800m戦は、半兄にヤマカツエース(重賞5勝)がいるヤマカツヒーロー(牡2、栗東・池添兼厩舎)に注目。CWで6F81秒、5F65秒台と速い時計を出し、新馬勝ちを見込む。

東京では芝2000m戦。ムーア騎手の来日を待っていたかのように、堀厩舎期待のディープインパクト産駒エストスペリオル(牡2、美浦・堀厩舎)がデビュー。半兄にはブラヴィッシモ(5勝、阪急杯3着)がいる。
「少しずつ精神的な安定も出て、ここまで調整は順調にきている。追い切る毎に息も整ってきたし、力は出せる態勢」と森助手。
調教はウッドで5F67秒台、上がり13秒前半で、古馬のハナレイムーンに遅れたが、強い調教は1本目なので内容は上々。直前の1本で仕上がるだろう。

ホウオウシックス(牡2、美浦・尾形和厩舎)は、母が準オープンまで行ったタニノローゼ。岡田スタッドで特に期待の高かった一頭である。入厩当初は気性のせいかチグハグな調教もあったが、本数を積むたびに安定し、1週前はウッド68秒台を馬ナリでマークと水準レベルにはある。

東京ダート1600m戦は、10月22日の新馬戦を除外されたスウィングビート(牡2、美浦・加藤征厩舎)が、ここまで待ってのデビュー。ウッドで5F68秒台を余裕をもってマークし、古馬オープンのノンコノユメに先着している。
父は名種牡馬タピット、母はアメリカGⅠ勝ち馬で、ブリーダーズCジュベナイルフィリーズでも3着している馬。ダート戦線で上を望む期待馬だ。鞍上は内田騎手。

レースでも騎乗するC.デムーロ騎手を背に1週前追い切りを行うシーリア

レースでも騎乗するC.デムーロ騎手を背に1週前追い切りを行うシーリア

日曜日は、まず京都の芝1800m。良血シーリア(牝2、栗東・角居厩舎)が登場する。母は日米オークス馬シーザリオ、半兄にエピファネイア(菊花賞、ジャパンC)、全兄にリオンディーズ(朝日杯FS)がおり、当然POG人気馬である。
「前向きな性格でしっかりとした走り。これだけの血統だし、クラシックに乗せていきたい」と前川助手。鞍上はCデムーロ騎手。
CW5F70秒と全体時計は遅いが、上がり1Fは11秒台を余裕をもってマーク。最終調教では更にギアを上げてきそうだ。

ポートフィリップ(牡2、栗東・梅田智厩舎)は、全兄にアドマイヤラクティ(豪GⅠコーフィールドC)がいる。
「奥手の血統だがいいフットワークで走るし、素質を感じる。スタミナもありそうなので距離は長い方がいい」と梅田智師。鞍上は岩田騎手を予定。
CW6F82秒台、5F67秒前半、上がりも12秒前半でまとめ古馬1600万のヒデノインペリアルと併入と調教内容は文句なし。初戦から期待できる。

ソーグレア(牡2、栗東・須貝尚厩舎)は、母の兄にゴールドアリュール(ジフェブラリーS)、母の弟にゴールスキー(根岸S)がいる。CW69秒台も、上がりは12秒を記録し、仕上がりは進んでいる。

レッドルーク(牡2、栗東・昆厩舎)は、近親にレッドアルディスト(青葉賞2着)。CWで上がりは12秒後半かかったが、6F82秒台と全体時計は速い。

京都芝1600mの牝馬限定戦は、好調教馬が複数おり粒揃いだ。

フィニフティ(牝2、栗東・藤原英厩舎)は、全兄にステファノス(GⅠ2着3回)。CWで5F66秒、上がり12秒前半の時計をマークし、同厩の2歳馬に大きく先着。血統から先々まで楽しめる。

エルカラファテ(牝2、栗東・吉村厩舎)は、母がアルゼンチンの古馬牝馬チャンピオン。全兄サトノシャークは、POGでも人気になった馬だ。
CW66秒、上がり12秒と好時計をマークし、初戦勝ちを狙う。

レッドプリモ(牝2、栗東・友道厩舎)も、CWで5F68秒台、上がりは12秒を切り、初戦から勝負になる動きを見せている。

ミッドサマーコモン(牝2、栗東・野中厩舎)は、半姉にミッドサマーフェア(フローラS)。CW66秒前半、上がりも12秒を切るレベルで、こちらも調教のレベルは高い。野中厩舎でも、「牡馬はグレイル(新馬勝ち)、牝馬はミッドサマーコモン」というほどの期待だ。

アドマイヤクィーン(牝2、栗東・須貝尚厩舎)は、母の兄に重賞ウイナーのユートピア、アロハドリームがいる。坂路53秒8-12秒5は悪くないが、他の好調教馬に比べると見劣りしてしまう。

キューピッドアロー(牝2、栗東・高橋忠厩舎)は、母の兄がアドマイヤコマンド(青葉賞)。坂路53秒3-12秒8と水準レベルにある。鞍上はルメール騎手なので、期待は高いはずだ。

東京は芝1600m戦。ウィキッドアイズ(牝2、美浦・手塚厩舎)は、半兄がハートレー(ホープフルS)。2週前調教は悪かったが、1週前はウッド5F68秒後半、上がりも13秒を切り、変わり身を見せてきた。まだ本数も少ないので、最終調教で更に上昇を見込める。

新規入厩で目立つのは、セレクトセールでダイワの大城氏が1億1500万円で落札したダイワギャバン(牡32、美浦・秋山厩舎)。他では、堀厩舎のレジーナドーロは、母が桜花賞馬レジネッタである。

再入厩組は、半姉にファンディーナ(フラワーC)がいるグランソード(牡2、栗東・高野厩舎)。このまま順調に行けば、11月後半から12月上旬にデビューとなろう。

ディープインパクト産駒のアルビオリクス(牡2、美浦・木村厩舎)も、順調なら東京最終週あたりがデビューとなりそうだ。