カザン

▲セレクトセールで2億円超の値がついたカザン

2018年の開幕週は3日間開催。年が明けてさすがにメンバーの質も落ちてきたが、関西のほうはまだまだPOG上位人気の良血馬が残っている。

注目は、1月6日京都の芝2000m戦に出走のカザン(牡2、栗東・池江寿厩舎)。セレクトセールで2億5380万円もの高額がついた馬で、母のシャンパンドーロは、エイコーンSなど北米のGⅠを2勝。半兄は現在4戦3勝のフォギーナイトである。1週前調教(以降も、調教は主に1週前のもの)は、CWで6F82秒台、5F66秒、終いは12秒を切る速い時計をマークした。兄はダートで活躍しているが、こちらは父がディープインパクトに変わり、芝での活躍が期待される。鞍上は武豊騎手。 同レースにはスパーダドーロ(牡2、栗東・池添学厩舎)も予定。半兄には5勝してオープンまで行ったネオウィズダムがいる。坂路55秒7と1週前は目立たないが、早めの時計の本数は多く、直前にしっかりした時計を出して来れば準備は整うだろう。

中山ではダート1800m戦。マイントラウム(牝2、美浦・尾関厩舎)は、半兄がマインシャッツ(現5勝)。時計の出にくい美浦ウッドで5F68秒前半の時計が出ており、仕上がりは上々だ。

1月7日は中山で芝2000m戦。こちらはセレクトセールの高額馬が複数出走。ダイワギャバン(牡2、美浦・菊沢厩舎)は、母がエイコーンSなど北米でGⅠを2勝。セレクトセールでは1億2420万円(税込)で落札されている。「もっと先々に良くなってきそうだが、動きは悪くないし、素質はありそう。芝向きの軽いフットワークをする」と菊沢師。鞍上は田辺騎手。美浦ウッド70秒台も、かなり余裕があり、まだまだ時計は詰められる。

トーセンヴァロン(牡2、美浦・田村厩舎)は、母がチリの3歳&古馬牝馬チャンピオン。セレクトセールで、1億3500万円(税込)で落札されている。「黒光りする馬体もあって、馬は目立つ。稽古の動きも優勢で、レースにいっても楽しみ」と田村師。鞍上は内田博騎手。55秒4-12秒8と、美浦坂路で終い12秒台が出ていれば大丈夫。初戦から期待してよかろう。セントーサ(牡2、美浦・池上和厩舎)も、母はチリの3歳牝馬チャンピオン。ただ美浦南Dコースで5F70秒台と調教は地味。更なる変わり身を期待したい。ポンデザールは、半兄がサトノクラウン(GⅠ2勝)。ウッド5F69秒台は堀厩舎では悪くない時計で順調に来ている。なお前日のダート1800m戦にまわる可能性もある。

サミットプッシュ(牡2、美浦・和田雄厩舎)は、従兄弟にクラシック候補ワグネリアンがいる。ポリトラックで6F78秒台、5F63秒と速いが、上がりがかかってしまったのはコースを考えるとイマイチ。最終調教でバランスを整えたい。スターヴォヤージ(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)は、半姉がエスメラルディーナ(交流・関東オークス)。年末の中山開催で、狙い通りの除外で出走権利を得ているのは大きい。時計は目立たないが、仕上がりは進んでいる。

1月8日京都芝1600mもなかなかの好メンバー。サラキア(牝2、栗東・池添学厩舎)は、全姉がサロニカ(エルフィンS)。ゲート試験に何度も落ちて遅れたが、ようやくデビューに辿り着いた。「まだ目一杯に追ってはないが、芝の実戦にいって良さが出そう。マイルから中距離まで対応できるのでは」と池添学師。鞍上は師の兄である池添騎手。陣営のコメントの頃は速い時計を出していなかったが、その後の12月27日にCWで6F82秒台、5F65秒台、終い1F11秒半ばと素晴らしい時計をマーク。ゲート難はあるものの、素質は確かなものを感じさせる。オールフォーラヴ(牝2、栗東・中内田厩舎)は、母がレディアルバローザ(中山牝馬S2回)。芝6F81秒台、5F64秒後半、1F11秒半ばの時計は芝なら驚けないが、終いの伸びは良く、同じディープインパクト産駒のサラキアとの対決も楽しみだ。

レッドレオン(牡2、栗東・角居厩舎)もディープ産駒。叔父にアメリカ芝チャンピオンのイングリッシュチャンネル、3代母にフランス古馬牝馬チャンピオンのコミッティドがいる。1週前は4Fからと軽めだが、2週前にはCWで上がり1F12秒を出しており、仕上がりに抜かりはない。マセラシオン(牝2、栗東・平田厩舎)は、母の弟にテオドール(現5勝)、祖母がアンブロワーズ(函館2歳S)。CW5F70秒台、終い1F12秒半ばは特筆できる時計ではないが、2週前に比べると良化してきており、まだまだ上積みはありそうだ。

アリュマージュ(牝2、栗東・松永幹厩舎)は、半姉がシャルール(重賞2着2回)、半兄がアーデント(5勝)。坂路時計は遅いが、無理して出したものではなく、まだ詰められる余地はある。フォルシュナイト(牝2、栗東・吉村厩舎)はCWで5F68秒、1F12秒を切り、水準レベルはクリア。鞍上は武豊騎手。カランドリエ(牝2、栗東・松下厩舎)は、半姉がマジックタイム(ダービー卿CT)。360~370キロ台とかなり小柄なためか強い調教が積めず、もっと体力をつけたい。

新規入厩はディープ産駒を2頭紹介。ウェストブルックは半兄がロサギガンティア(GⅡ2勝)、スターオブペルシャ(現4勝)。ディープインラブは、全兄がダービー馬ディープブリランテ。時期的に厳しいが、何とか5月のGⅠには間に合ってほしいものだ。