オークス狙うオールフォーラヴ、アリストラインが忘れな草賞で対決!
2018/4/1(日)
忘れな草賞に出走予定のオールフォーラヴ
今週は桜花賞。3歳戦の興味は当然そちらへ集中するが、このコーナーはいつものように、3歳のオープン特別以下のレースやPOG人気馬を紹介していく。
土曜日は、福島でひめさゆり賞(500万下)。オーデットエール(牡3、栗東・須貝尚厩舎)は、オープンの萩Sで2着の実績はあるが、その後3戦は自己条件で5、8、4着。ただ前走は勝ち馬のエポカドーロが強すぎただけで、2着のスーパーフェザー(アザレア賞を楽勝)とは0・3秒差。福島の500万なら上位もある。ミレフォリウム(牝3、美浦・中舘厩舎)は新馬戦から3戦連続で2着。4戦目で崩れると、5戦目にダート戦を使って初勝利。今回は再度芝のレースを選択してきた。デビューから3戦の内容を見れば芝は大丈夫だ。先行脚質で、福島も合う。
日曜日は、桜花賞当日の阪神で行われる忘れな草賞が、オークスへ向けて重要な一戦。最大の目玉はオールフォーラヴ(牝3、栗東・中内田厩舎)だ。ハイレベルな新馬戦を勝ち、2戦目は500万アルメリア賞。直線で抜け出す勢いだったが、パンコミードが寄れた影響をまともに受けてブレーキをかけられ3位入線(2着馬が降着で、繰り上がり2着)。スムーズなら勝っていた可能性の高いレースだった。不運ではあったが、改めて高い能力を認識。オークスでも好勝負できる器で、忘れな草賞はあっさり通過してほしいものだ。
ただ、ここは他にもオークスを狙う素質馬がズラリ。アリストライン(牝3、栗東・高野厩舎)は、クルーガー(マイラーズC)の半妹。「デビュー当初は短い条件を試したが、距離を延ばして良さが出てきた。パンとしてくるのはもう少し先かもしれないが、ここでも期待を持っている」と村本助手。鞍上はMデムーロ騎手。3戦目となる前走は、早めに動き出したが、最後まで息の長い脚を使って初勝利。血統的にも、まだまだ伸びしろはある。
シグナライズ(牝3、栗東・藤原英厩舎)は、フランケル産駒で話題になった馬。デビューから5戦連続1番人気になったように期待は高い。「距離が一気に延びるが、中間はその点を課題に調整している。能力は高いので、どこまで対応してくれるか」と田代助手。鞍上はルメール騎手。ここまで6戦はマイル以下の距離だったが、今回は初めての中距離戦。この距離がシグナライズにどんな変化をもたらすか。
ソシアルクラブ(牝3、栗東・池添学厩舎)は、名牝ブエナビスタの仔でPOGでも人気になった馬。ここ2戦は重賞で8、7着だが、相手を考えれば中味は悪くない。距離延長で変身を期待したい。アモーレミオ(牝3、美浦・勢司厩舎)は、半兄にシュペルミエール(現4勝)、母のヒカルアモーレは忘れな草賞で3着に入っている。前走は後方から見事な差し切り。相手が一気に強化されるが、一戦毎に良化しており楽しみはある。
同じく阪神の未勝利・芝1800m戦にはミーティアトレイル(牡3、栗東・池添学厩舎)が出走予定。活躍馬が多いノーザンFマラソン大会優勝賞品馬ということでPOGでも人気を集めたが、デビューから6戦して未勝利。ここ2戦も13、9着と崩れている。折り合いに苦しんでいる現状で、一度距離短縮を図るのもアリだと思うのだが。
続いては、日曜日の中山。まずは、オークスを目指す馬が出走するデイジー賞(500万下)。ローザフェリーチェ(牝3、美浦・木村厩舎)は、母がG1で2着が3度あるローズバド、半兄にG1を2勝のローズキングダムがいる。セントポーリア賞は33秒台の脚を使ったが、スローペースで他も止まらず8着まで。勝った時のように中団あたりでレースを進められればチャンスはある。
エアシンフォニー(牝3、栗東・角居厩舎)は、半姉に秋華賞勝ち馬エアメサイア、半兄に有馬記念3着2回のエアシェイディがいる。新馬快勝も、2戦目の500万は8着。今回は特別戦だが、平場だった前走よりメンバーは落ちそうなので、巻き返したい。クリッパー(牝3、美浦・高橋文厩舎)は、単勝1.4倍の圧倒的人気に応え前走で初勝利。好位で競馬ができたのは大きく、ここも好位につけたい。
500万ダート1800m戦は、スウィングビート(牡3、美浦・加藤征厩舎)が有力。500万にあがった2戦はどちらもハイレベルな内容で4、2着。このクラスはいつでも勝ち上がれる力はある。
牝馬限定の未勝利芝2000m戦には、ウィキッドアイズ(牝3、美浦・手塚厩舎)が出走。半兄にホープフルSを勝ったハートレーがいる。デビューから2戦はともに1番人気で8、12着だが、どちらも気性の幼さを見せて能力を出していない。相変わらず調教内容は未勝利のレベルではなく、普通に走れば勝てると思うのだが。
福島では、牝馬限定未勝利芝2000m戦。ナナセマル(牝3、美浦・国枝厩舎)がデビュー予定。近親にユートピア(交流G1を3勝)、アロハドリーム(重賞2勝)がいる。「乗り込んで徐々に納得できる動きになってきた。経験馬相手で楽ではないが、通用するモノはありそう」と国枝師。鞍上は吉田隼騎手。目立った時計は出ていないが、2週前には桜花賞を目指すアーモンドアイと併せ馬を行っており、期待は高い。
デビュー2戦目となるのが、マルーンエンブレム(牝3、美浦・小島茂厩舎)。母がブラックエンブレム(秋華賞)、半兄がブライトエンブレム(札幌2歳S)、アストラエンブレム(現5勝)。POG人気馬の一頭だが、400キロに満たない馬体重で体質も弱く、デビューが遅れた。初戦は6着で、2戦目の今回は変わり身を求めたいが、馬体の維持に苦労しており、まだ能力を発揮するのは難しいか。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。