ここへ来て良血2歳馬が続々入厩しており、このコーナーも入厩馬情報は2歳馬に切り替えたい。それは最後にして、まずは今週の3歳戦注目馬情報をお伝えする。

土曜日は、阪神のアーリントンCがメイン。先週のニュージーランドTを超える好メンバーだが、その情報は他で頻出しているので、ここは他の3歳戦を。

中山の山藤賞は、評判のディープインパクト産駒のフィエールマン(牡3、美浦・手塚厩舎)が2戦目を迎える。「新馬戦は期待通りの走り。しっかりしてくるのはもう少し先だと思うが、素質はかなりのモノがある」と手塚師。鞍上は石橋脩騎手。POGでも人気の一頭ではあったが、体質の弱さからデビューの遅いことが分かっており、指名するのはギャンブルだった。予想通りデビューは年明けとなったが、入厩後の調教で目立った動きを見せ、トレセンでもかなりの評判になっていた。

新馬戦は、5頭枠の抽選に嵌って予定より早くのデビューとなり急仕上げだったが、それでも勝利を掴んだように素質は高い。ただ体質や脚元の弱さは変わらず、前走後は毎日杯を目標もアクシデントで間に合わず、山藤賞で復帰。1週前調教では皐月賞出走予定のマイネルファンロンを煽り、相変わらず調教の動きは豪快だ。それでも現状は万全の仕上げとはいかないようで、素質でどこまでカバーできるか。

ホリデーモード(牡3、美浦・矢野英厩舎)は、3戦目に初勝利。格上げ初戦のフリージア賞は逃げるも7着に敗れた。初勝利を挙げた中山戦で巻き返しを図る。

中山の500万・芝1200m戦は、ラストプリマドンナ(牝3、美浦・和田郎厩舎)。2戦目に勝利し、オープン・クリスマスローズS、500万・黄梅賞ともに少差2着しており、平場のここは堅実に勝ちたい。勝った先は、重賞に格上げされた葵Sか。

中山の未勝利・芝2000m戦では、ロシュフォール(牡3、美浦・木村厩舎)がデビュー。母はアンブロワーズ（阪神JF2着）、半兄にテオドール（現5勝）がいる。ここ2週の美浦は濃霧で調教時計は分からないが、動きは良いという話。血統的にも期待は大きい。

阪神の未勝利・芝2200m戦は、これもPOG人気の一頭ピボットポイント(牡3、栗東・友道厩舎)が出走。2戦目に2着に来たときは初勝利も近いと思われたが、その後は4、6着と苦しんでいる。今回は初めて間隔を詰めての出走で、変わり身を見せるか。鞍上ルメール騎手から、陣営の期待感の高さは変わっていない。強敵はスヴァルナ(牡3、栗東・池江寿厩舎)。ここ4戦は2、2、3、2着と初勝利まであと一歩。デムーロ騎手を鞍上に向かえ、今度こその気持ちだ。

スパーダドーロ(牡3、栗東・池添学厩舎)は、1月の新馬戦でサトノフェイバー（きさらぎ賞）の3着。それ以来のレースとなる。休養の間にどれだけパワーアップしているか。

阪神の牝馬限定未勝利・芝2000m戦も、なかなか香ばしいメンバー。レッドヴァール(牝3、栗東・松田国厩舎)は、昨年9月の小倉以来の出走。「初戦は惜しい結果だったが、3着馬は離していたし、力のあるところは見せてくれた。ここは決めたいところ」と松田国師。鞍上はデムーロ騎手。

初戦は頭差2着で、勝ち馬は2勝しているメイショウテッコン(牡3、栗東・高橋忠厩舎)。1週前調教はCWで好時計を楽にマークしており、久々でも走れる態勢にある。シエラ(牝3、栗東・須貝尚厩舎)は、半兄にアルバートドック（重賞2勝）、リライアブルエース（現3勝）がおり、POGでも人気になった馬。12月頭の新馬戦は人気に応えられず3着。立て直して初勝利を目指す。アドラータ(牝3、栗東・大久龍厩舎)は、デビューが既走馬相手と厳しかったが、好時計決着のレースで勝ち馬から0.5秒差の5着。デビュー戦で、阪神千八を1分48秒台なら合格点だ。一叩きされての上積みで、更に上位を見込める。

日曜日は、中山で皐月賞。ダノンプレミアムの回避で、POGファンの間でも悲鳴が上がっている。皐月賞の情報は他のコーナーに任せ、こちらは他のレースに目を向ける。

阪神では500万・芝2000m戦。メールドグラース(牡3、栗東・清水久厩舎)は、格上げ初戦だった500万大寒桜賞で、勝ち馬から時計差無しの3着。少差の上位2頭は評判馬のダノンマジェスティ、グレートウォリアーだから褒められるレースだ。相手弱化のここは勝機。マハヴィルは、既走馬相手にデビュー勝ち。大寒桜賞で連勝を狙ったが、先行して失速している。初戦のように抑える競馬で見直したい。ジャックローズは、評判馬の集まった年末の阪神芝2000m戦でデビューし、キタノコマンドールと少差の3着。次戦の未勝利戦は完勝している。500万でも力は足りる。

皐月賞デーの中山では、500万・ダート1800戦。デビューから2戦を芝で敗れていたプレシャスリーフ(牡3、美浦・高柳瑞厩舎)が、前走のダート2100m戦で一変。サトノディード（次戦勝利）を楽々交わし、かなり強い競馬で初勝利を掴んだ。ダートなら500万でも通用する。

中山の未勝利・芝2200m戦は、アルビオリクス(牡3、美浦・木村厩舎)。ジャパンCデーの新馬戦で2着も、次戦は6着。1800mから2400mへの距離延長が響いたように思えるが、今回も2200m戦なので、崩れたのは距離のせいではないと陣営は読んでいるのだろう。初戦の内容から、未勝利戦は勝てるはずだが…。

ここからは、今年最初の2歳入厩馬情報をお伝えする。

目立つのはサンデーRの関東勢で、6頭が入厩。その中から3頭採り上げる。

グランアレグリア（牝、ディープインパクト×タピッツフライ）は、藤沢和厩舎。母は北米で芝のGⅠを2勝している。

ミディオーサ（牝、ディープインパクト×ミスエーニョ）は堀厩舎。半姉はミスエルテ（ファンタジーS）、ミカリーニョ（現1勝）。姉2頭は体質の弱さに苦しんだので、この馬も健康面が鍵になる。

グロリアーナ（牝、ハーツクライ×ベネンシアドール）は、木村厩舎。半姉がデニムアンドルビー（JC、宝塚記念ともに2着）、キタノコマンドール（現2勝）。このきょうだいも体質の弱さからデビューの遅い馬が多いだけに、この時期に入厩できたのは嬉しい。

キャロットF組では、コントラチェック（牝、ディープインパクト×リッチダンサー）が、藤沢和厩舎。半姉はバウンスシャッセ（オークス2着）、半兄はフラットレー（現1勝）をはじめクズが出にくいので、POGでも狙いやすい。

国枝厩舎には2頭。ベルクワイア（牝、ロードカナロア×スカーレットベル）は、半兄がダノンリバティ（重賞2着2回）、ディキシーナイト（牡、ダイワメジャー×カメリアローズ）は、半兄がオープンで活躍したダローネガ（5勝）。

関西へ移って、アウィルアウェイ（牝、ジャスタウェイ×ウィルパワー）は、半兄がNHKマイルC候補のインディチャンプ。ジャスタウェイの初戦度産駒という点でも注目だ。

ヤマニンマヒア（牡、ディープインパクト×ヤマニンカルフール）は、母が新馬を好タイムで勝ち、小倉2歳Sで2番人気になった馬。半兄はヤマニンボワラクテ（5勝）。

クィーンユニバース（牝、ヴィクトワールピサ×レディスキッパー）は、半姉がアドマイヤミヤビ（クイーンC）。

最後に紹介するのはダノンファンタジー（牝、ディープインパクト×ライフフォーセル）。セレクトセールでは牝馬にして1億円近い値がついた馬で、半姉は未勝利戦を強い内容で勝ったロクセラーナ。所属が中内田厩舎ということで、牧場以外のラインはダノンプレミアムと同じ。POGの上位候補にマークしたい。