今週は土曜日に京都新聞杯とプリンシパルS、日曜日にはNHKマイルCが行われ、POGファンには忙しい週末となる。情報量の多い重賞は他のコーナーに任せ、ここはプリンシパルSなど、オープン以下の3歳戦の注目レースや馬を見ていく。

まずは土曜日の東京から。プリンシパルSは、1週前に青葉賞、同週に京都新聞杯が行われるため、どうしてもメンバーが薄くなる。おかげでPOG持ち馬が出走していると、美味しいポイントが稼げるレースでもある。

そんなPOGファンの夢を乗せての出走がブレステイキング(牡3、美浦・堀厩舎)。サンデーR期待のディープインパクト産駒で、堀厩舎所属では人気も当然。しかし脚部や体質など弱い面が多く、ここまで100%の状態でレースに出たことは恐らくないだろう。それでも3戦1勝。前走は、毎日杯2着のギベオン、スプリングS3着のマイネルファンロンと少差の3着だから健闘している。相変わらず弱いところがあって、馬体の維持に気をつけての出走だが、最終調教が坂路で軽めだった前走よりは仕上がりも良さそうである。とはいっても、この原稿を書いているのは1週前。直前調教がしっかりウッドでやれているか確認はしておきたい。

大敵はサトノシリウス(牡3、栗東・藤原英厩舎)。デビューから3戦目となった前走は、ディープ産駒らしい末脚で差し切り。阪神芝1800mで1分46秒8の時計も速い。ここへ来ての上昇は目覚ましく、前走以上の走りができれば2連勝は目前だ。実績ではコズミックフォース(牡3、美浦・国枝厩舎)が上回る。京成杯ではジェネラーレウーノに半馬身差まで迫る2着。そのジェネラーレウーノが皐月賞3着なら、この馬も再評価が必要。前走の大敗は輸送による大幅馬体減が影響しており、体が戻れば京成杯の再現もある。

同日の東京芝1800mの牝馬限定500万下もPOGファンには楽しみな一戦。ミカリーニョ(牝3、美浦・木村厩舎)は、ファンタジーS勝ちのミスエルテの半妹。2戦目で初勝利を得たが、3戦目の500万は7着に敗れている。まだまだ弱いところがあり、今回は間隔を開けての出走。体がしっかりしてくれば、500万は卒業できる。レーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)は、上がGⅠウイナーのレーヴディソールをはじめ、オープン馬が並ぶPOGお馴染みの一族。スイートピーS出走の話もあったが、確勝を期して自己条件へ。前走の内容から、500万でも通用する。

京都では芝1600mの牝馬限定未勝利戦で、ブルーメンクローネ(牝3、栗東・石坂正厩舎)がデビュー。母はGⅠウイナーのブルーメンブラットである。「3月下旬のゲート試験合格後は順調に調整できた。稽古の動きを見るかぎり、能力はかなり高そう」と石坂師。鞍上は福永騎手。1週前調教は54秒1-13秒1。馬場が重かったので、字面の時計ほど悪くなく、仕上がりも良好だ。

同レースでは、藤原英厩舎のディープ産駒ダカーポ(牝3、栗東・藤原英厩舎)も出走。デビュー戦は10着だったが、藤原厩舎らしく一叩きでの変わり身を期待。

京都ダート1400mの未勝利戦は、ドナウブルー(重賞2勝)の仔イシュトヴァーン(牡3、栗東・石坂正厩舎)が出走。デビューから2戦は芝で5,10着。ダートで変わり身なるか。

新潟では、わらび賞。アポロテネシー(牡3、栗東・山内厩舎)は新馬が5馬身差の楽勝。前走の500万は最速上がりで追い込み2着に食い込んでいる。2勝目は近い。キタサンタイドー(牡3、栗東・清水久厩舎)は、デビューから6戦は芝で走っていたが勝ち上がれないため、7戦目にダートを使うと2着入線。そして8戦目となる前走では初勝利を挙げている。先に行ける脚があるので、新潟コースを味方に粘り込みを図りたい。

新潟芝1400mの未勝利戦は、モーラ(牝3、栗東・高橋忠厩舎)が2戦目を迎える。デビューとなった未勝利戦は、既走馬相手と不利な条件で8番人気も仕方なかったが、好位で粘り5着。勝ち馬から0・2秒差なら上等だ。上積みは大きく、初勝利のチャンス。ピュールフォルス(牡3、栗東・松永幹厩舎)は、半姉にピュアブリーゼ(オークス2着)。デビューから6、5着と前進しており、3戦目の今回あたりは勝ち負けの番か。

続いては日曜日。東京芝1400mの500万下は、ディロス(牡3、美浦・木村厩舎)が1月以来の出走。オープン特別でワグネリアンの2着の実績もあるが、かかり癖があって最後にガス欠を起こしてしまうため、今回は一気に距離短縮を図って来た。能力は500万にいる馬では無いので、距離短縮で折り合い難が解消されればあっさり勝っても不思議ない。グランドピルエット(牝3、美浦・田村厩舎)は新馬戦を勝ち、続くアルテミスSでは5番人気に支持された馬。500万ではひいらぎ賞3着など上位を窺える位置にいる。前走は逃げて5着。もう少し抑える競馬ができれば、大崩れは少ないだろう。

東京ダート1600mの500万下は、キングスヴァリュー(牡3、美浦・国枝厩舎)。芝でデビューし2戦目に勝利。2走前に初めてダート戦に出走し5着に敗れたが、勝ち馬から0.5秒差。前走芝のレースで大敗したことと、兄が全日本2歳優駿2着の血統背景から、再度ダート戦ということか。芝でも好レースをしていたので、芝、ダートどちらの適性が高いのか判別しづらいが、少なくとも前走からの距離短縮はプラスだろう。

東京芝2300mの未勝利戦はドリームスピリット(牡3、美浦・武藤厩舎)。「レースぶりは良くなっているし、距離はこのくらいあっていい。秋は菊花賞に出させたいので、ここは決めたいところ」と武藤師。鞍上はルメール騎手。使いながら距離を伸ばし、あわせて成績も向上。ここ4戦は3、3、3、2着と惜敗続き。外国人騎手起用で、勝負気配は増している。アルビオリクス(牡3、美浦・木村厩舎)は、ディープ産駒でサンデーRの高額馬。除外ラッシュで調整が難しいなか出走した新馬が2着で勝利は近いと思われたが、次走は6着。ただ前走2着でしっかり立て直してきた。いつまでも未勝利にいる馬ではない。

新潟芝1000mの未勝利戦はサラドリーム(牝3、美浦・手塚厩舎)。「小柄なので軽い新潟の芝は合いそう。直線競馬にも対応できるスピードがあると思うし、早めにひとつ勝たせてあげたい」と手塚師。前走は果敢に逃げながら、最後に捕まり2着。スピードはあるので、1000m戦も対応できる。

POG本も続々出版され、2歳馬の話題も増えてきた。先週の新規入厩で目立ったのは、アドマイヤジャスタ(牡2、ジャスタウェイ×アドマイヤテレサ、栗東・須貝尚厩舎)。半兄にアドマイヤラクティ(コーフィールドC)がおり、セレクトセールでは1億5120万円(税込)の高額がついた。

ロードゼウス(牡2、ディープインパクト×スピニングワイルドキャット、栗東・中内田厩舎)は、半兄が新馬とオープン2連勝し、朝日杯FSでも上位に来たダノンスマッシュ。父がロードカナロアからディープインパクトに変わり、クラシックも見えてきた。

イニティウム(牡2、ハーツクライ×ゴールデンドッグエー、栗東・須貝尚厩舎)は、半兄がアルバートドック(重賞2勝)、リライアブルエース(現3勝)。ここ2年の上2頭はデビューが遅かっただけに、この時期の入厩はいい流れだ。