有馬記念も楽しみだが、POGファンは土曜日阪神千八戦に注目。良血馬、評判馬が集まり、アツい一戦だ。

12月22日土曜日
◆阪神芝1800m

リスト(牡、ディープインパクト×シルヴァースカヤ、栗東・池江厩舎)
全兄は幻のG1馬シルバーステート(5戦4勝)、新馬戦でダービー馬ワグネリアンと好勝負したヘンリーバローズ。セレクトセールの落札額は2億8080万円(税込)で、POGでも人気になった。1週前調教(以降も調教は、主に1週前のもの)は、CWで一杯に追われ5F67秒台、1F12秒台半ばで、フォイヤーヴェルクを大きく追走し3馬身程度の遅れ。2週前も新馬と併せて遅れている。上のシルバーステート、ヘンリーバローズは調教でも動いていただけに少々心配である。鞍上は武豊騎手。

ウラノメトリア(セン、ルーラーシップ×ミクロコスモス、栗東・矢作厩舎)
母は阪神JFで3着、半兄にアンティノウス(現4勝)、コズミックフォース(ダービー3着)がいる。7月初旬にゲート試験に合格していたが、気性難から8月に去勢手術を行い、デビューがここまで伸びてしまった。入厩後1本目の調教で坂路51秒9を出し、2本目となった1週前調教もCWで一杯に6F81秒台、5F66秒台半ば、1F12秒台前半の好時計をマークしている。上2頭が結果を残しており、3番仔のこの馬にも期待がかかる。

グラディーヴァ(牝、ハービンジャー×カノーロ、栗東・中竹厩舎)
母は新馬楽勝も、2戦目で故障し惜しくも引退した素質馬。3代母にエアグルーヴ(G1を2勝)がおり、活躍馬が多数いるダイナカール一族の一頭である。「緩さがあって良くなるのは先と思うが、いいモノは持っている。変わってきそう」と辻野助手。調教は芝で一杯に追われ5F68秒、1F11秒台半ば。古馬500万に遅れているが、追走したもので内容は悪くない。鞍上はMデムーロ騎手。

アルテラローザ(牝、ディープインパクト×レディアルバローザ、栗東・藤原英厩舎)
母は中山牝馬S2勝。全姉はオールフォーラヴ(忘れな草賞1着)。CWで一杯に5F68秒台後半、1F12秒台前半の時計を出し、古馬500万の馬に手応えで見劣ったが、併入は果たしている。鞍上はCデムーロ騎手。

グレイトアプローズ(牝、オルフェーヴル×セレブリティ、栗東・西浦厩舎)
母の姉にG1を7勝したウオッカがいる。「血統馬らしく走りに力強さがあってしっかりしている。稽古も動けているので楽しみ」と西浦師。調教はCWで一杯に5F67秒、1F12秒台前半の時計で、併せた2頭に先着している。同世代のウオッカの仔タニノミッションは新馬戦を勝っており、こちらも負けていられない。

レッドガニアン(牡、ディープインパクト×セレブレイションキャット、栗東・庄野厩舎)
全兄は2連勝中のレッドエクシード。CWで気合を入れながら5F68秒台、1F12秒前半の時計で、併せた相手に先着している。少し怖がりなところがあるということなので、馬群で揉まれると不安がある。

エルラティオ(牡、ロードカナロア×ラリーズン、栗東・平田厩舎)
半兄は準オープンまで行ったショウナンマルシェ(4勝)。坂路54秒7-13秒3(一杯)と、悪い馬場に苦しみ、時計は平凡。最終調教はCWでやるようなので、ここでどれだけ動けるか。

◆阪神ダート1400m

レゴリス(牡、ゴールドアリュール×ソラコマチ、栗東・渡辺厩舎)
母は新馬勝ち。近親にユビキタス(ユニコーンS1着)がいる。調教はCWで気合を入れる程度に5F67秒台、1F12秒前半。併せた新馬に2馬身程度先着している。血統から、初戦も行けそうな雰囲気だ。

◆中山ダート1200m

アイルチャーム(牝、アイルハヴアナザー×シャルマンレーヌ、美浦・田島厩舎)
母は新馬勝ちし、続くフェニックス賞で2着、祖母はジョージビューティ(重賞2着が2回)。調教は2週連続で坂路53秒台、1F13秒台前半を楽に出しており、動きは良好だ。

中山ダート1800m

タッチングムービー(牡、スクリーンヒーロー×クライフォージョイ、美浦・奥村武厩舎)
近親にオープンまで行ったエイシンコジーン(5勝)。ドラフト時期には、「キャロットの隠し玉」という謎の?情報が流れていた。調教はウッドで一杯に5F70秒台、1F13秒台半ば。若さが目立ち、現状は促されて走っているようだ。このような状況から、変わり身はまだまだ見込める。

レッドアデニウム(牝、ゴールドアリュール×ストゥデンテッサ、美浦・戸田厩舎)
母はアルゼンチンのG1勝ち馬。調教はポリトラックで5F68秒台、1F13秒を馬なりでマーク。負荷のかかるウッドでも何本か時計を出しており、仕上がりは順調だ。鞍上はマーフィー騎手。

12月23日日曜日
◆阪神芝1400m

ハートスナッチャー(牡、ダイワメジャー×スナッチド、栗東・音無厩舎)
半兄スナッチマインド(5勝、京都牝馬S3着)。調教は坂路で53秒6-12秒6(一杯)。「まだ良化途上」という話だが、その状況でこの時計なら上々だ。鞍上は北村友騎手。

インディゴブルー(牝、ロードカナロア×ブルーダイアモンド、栗東・松下厩舎)
母の兄にヴィクトリー(皐月賞馬)、リンカーン(G2を3勝、G1で2着3回)がいる。調教は坂路52秒2-12秒9(一杯)。併せた新馬に僅かに遅れたが追走したものだし、全体時計から評価はできる。

◆中山芝1600m

パロネラ(牝、ロードカナロア×モシーン、美浦・木村厩舎)
半姉プリモシーン(重賞2勝)。「姉同様にいいスピードがあり、仕上がりも早そう。新馬戦から期待している」と土田助手。ウッド4F53秒前半、1F12秒前半を余裕をもってマークし、初戦から勝ち負けを期待できる。鞍上はルメール騎手。

ムーンシェイプト(牝、ジャスタウェイ×ウーマンシークレット、美浦・尾関厩舎)
近親にリアルスティール(ドバイターフ1着)。調教は芝で一杯に追われ5F66秒台、1F12秒で古馬500万に遅れている。2週前のウッドの動きもイマイチだったが、少しずつ良化は感じる。最終調教で更に変わり身を見せたい。

レッドルーナ(牝、シンボリクリスエス×エリザベスムーン、美浦・小島茂)
母の兄にフサイチゼノン(弥生賞1着)、アグネスゴールド(重賞2勝)、リミットレスビッド(交流含め重賞8勝)がいる。調教は坂路55秒5-14秒1(馬なり)。時計は遅いが、抑えることを主眼に置いたものなので心配ない。

ブレイブメジャー(牡、ダイワメジャー×シーイズトウショウ、美浦・萩原厩舎)
母は重賞5勝、半兄トウショウピスト(現6勝)。12月16日の新馬戦を予定も除外になっている。調教はウッドの外目を回って5F69秒台、1F12秒台後半を一杯の手応えでマーク。併せ馬で遅れたが、相手はダートトップクラスのガルヴィハーラでは仕方がない。

マイキューティー(牝、ブラックタイド×スギノキューティー、美浦・斎藤誠厩舎)
母はフラワーC1着、NHKマイルC3着。半姉はオープン馬のスカイキューティー(4勝)。12月16日の新馬戦を予定も除外となっている。調教はポリトラックで5F69秒台、1F13秒。これはレース直前のため、軽めにしたのだろう。2週前にはポリトラックで一杯に5F67秒台、1F12秒を切る時計を出しており、仕上がりは順調だ。

◆新規入厩

トレミエール(牝、ハーツクライ×サマーナイトシティ、栗東・西園厩舎)
半兄サダムパテック(マイルCS1着)、半姉ジュールポレール(ヴィクトリアマイル1着)。ボーンシストの影響で調整が遅れてしまったが、今は問題ないようだ。

ディノーラ(牝、ハーツクライ×オンブルリジェール、栗東・中竹厩舎)
半姉ジェルミナル(フェアリーS1着)。

トーセンスカイ(牡、トーセンラー×シアトルサンセット、栗東・藤原英厩舎)
半兄シアトルサンセット(鳴尾記念勝ち馬)。珍しいトーセンラー産駒だが、ドラフト時期の評判も良く、POGでは穴人気になっていた馬。

グルファクシー(牝、ハービンジャー×レクレドール、美浦・堀厩舎)
母はローズSなど重賞2勝。全兄ベルーフ(京成杯勝ち馬)。

アテンポラル(牡、ハーツクライ×タンタスエルテ、栗東・池江厩舎)
半兄タンタアレグリア(アメリカJCC勝ち馬)。

未出走再入厩馬

ラピタ(牡、エイシンフラッシュ×パイタ、栗東・藤原英厩舎)
母はドイツ2歳牝馬チャンピオン、半姉ピリカ(フランスG1ヴェルメイユ賞2着)。