ダービーが終わったばかりで、早くも2歳戦がスタート。なかなか頭が切り替わらない人も多いかと思うが、個人的には前回のPOGが不調だったので、オークス前には頭が2歳戦モードに。それもあって2歳馬の状況はかなり把握しているつもりです。

 さて2歳戦スタート週は、昨年こそたいした馬がいかったが、2年前はイスラボニータ、レッドリヴェールと、後のG1馬2頭がデビューし快勝。ダービーボケが残っていると、このあたりの馬に気づくのが遅くなってしまうので、よーく見ていただきたい。

 現状で目玉になりそうなのは、藤沢和厩舎のスターオブペルシャ(牡、父ダイワメジャー×母ターフローズ)。5月頭から時計を出し、20日にはペルーサと併せて坂路で58秒2-13秒6を楽な手応えでマークし併入。27日はウッドで向正面で時計を出す変則的な調教を行い、2Fに渡って11秒台をマークし、スピードを感じさせた。

 半兄のロサギガンティアはデビュー戦で1番人気ながら敗れたが、後にはスプリングS1着。この馬も初戦から派手な競馬をするタイプではないかもしれないが、仕上げの過程は兄より早く、新馬から勝ち負けしそうな雰囲気だ。デビューは6月7日東京芝1600m戦を北村宏騎手で予定している。

 関西で目玉になりそうなのはトウショウジャイロ(牡、栗東・角田、父ダイワメジャー×母シーイズトウショウ)

 すでに坂路で目立った時計を出しており、5月13日には52秒8、20日には53秒0で、どちらも上がりが12秒4だから、この時期の2歳馬としては速い。まるでデビュー直前のようなボリュームにデビューまで持つか心配してしまったが、28日は軽く終いを伸ばした程度にとどめ、しっかり体調は管理されている。

 母は桜花賞2着のほか、重賞を5勝。半兄のトウショウピストは、3歳春までに2勝し、函館2歳S3着の実績を残している。その兄は1200m向きだが、半弟のほうは6月6日阪神1600mデビュー予定で、距離の融通性はありそうだ。

 同レースにはセキサンシップ(牝、栗東・坂口則、父クロフネ×母セキサンダンスイン)も出走を予定。ここ3週CWで馬ナリながら6F82~83秒台の時計をマークしており、水準以上の動き。地味な背景で将来性は疑問も、新馬戦には向きそうなタイプだ。

 次週以降デビュー予定の馬も見ておこう。POGダントツ1番人気のプロディガルサン(牡、美浦・国枝、父ディープインパクト×母ラヴズオンリーミー)は順調に調整が進み、坂路で56秒2-13秒1(馬ナリ)で、昨年の今頃評判になっていたロジチャリスと互角の動き。一時よりマシになったとはいえ時計のかかる美浦坂路で、この時期に上がり13秒1を楽々出せるのだから、仕上げたらどれだけ動くのか。ドラフトは競争率が高くても、この馬を一番に取りに行くべきだ。

 ポルトドーウィユの全弟ポルトフォイユ(牡、栗東・高野、父ディープインパクト×母ポルトフィーノ)も、24日に坂路で54秒9-12秒9、27日に58秒5-13秒3と馬なりで2本時計を出し順調そのもの。兄は調教では動かなかったが、さて弟のほうは。この後、調教を強めてどれだけの時計を出せるか興味深いところ。

ポルトフォイユ

ダービーにも駒を進めたポルトドートウィユ全弟のポルトフォイユ


 同じ高野厩舎では、ロスカボス(牡、父キングカメハメハ×母マンハッタンセレブ)が、坂路54病8-12秒8を馬なりでマーク。調教をつけたのがデムーロ騎手なので、レースでも乗ってくれるのなら食指が動く。

 美浦に戻ると、クードラパン(牝、美浦・久保田、父ダイワメジャー×母ルシルク)が、ウッドで4Fから52秒9-12秒8(馬ナリ)。半兄はNHKマイルCでも上位人気になったグランシルクなので、血統的にもマークが必要。

 最近の入厩組でPOGでも行けそうなのは、コアコンピタンス(牡、美浦・国枝、父キングカメハメハ×母スティンガー)、シルバーステート(牡、栗東・藤原英、父ディープインパクト×母シルヴァースカヤ)。

 同馬はこれまでのスティンガー産駒以上との噂もあり、その通り兄のキングズオブザサン(NHKマイルCで3着)より活躍できれば重賞勝ちも見えてくる。

 シルバーステートは大評判馬だったオリハルコンの全弟。その兄は期待ほどの結果を出していないので少々怖いところはあるが、牧場の評判はかなり高いようだ。

シルバースカヤ

名門・藤原英厩舎が送り出すシルバースカヤ


 ディープインパクト産駒で目立ったところでは、アトムの全弟シャイニングエナジーの2013(牡、栗東・池江寿)、重賞ウイナーのワンカラットの仔ワントゥワン(牝、栗東・藤岡健、父ディープインパクト)が入っている。

 角居厩舎は、いつものようにゲート試験を終えた馬は放牧。代わって入ってきたのが、ウォッカの牝駒(父Sea the Stars)。この馬もゲート試験合格後に放牧だろうが、遅いイメージのあるウォッカの仔が、この時期に入厩できるだけでも合格。全姉のケースバイケースが初勝利まであと一歩まで来ているので、そろそろ当たりが出てもいい頃だ。