次週から東京、京都が始まるので、良血評判馬の多くはそちらに照準。中山、阪神の最終週は少々寂しいメンバーだが、この中で血統が際立っているのが中山芝1800mデビューのマツリダバッハ(牡2、美浦・国枝厩舎)。半兄にダービー馬エインシンフラッシュを持ち、千葉サラブレッドセールではセール史上最高の1憶9000万円で落札された。こんな背景から厩舎もデビュー戦は慎重に選択。夏の新潟デビューの話もあったが、今回の中山に延期。先週デビューが更に伸びて、今週となった。ここまでやったのだから、初戦から恥ずかしい競馬にはならないだろうと思うのだが…、どうも前評判はもう一つ。レースで不安を覆せるか。

将来はともかく、現状はマツリダバッハに対して優位にあるのがエレクトロポップ(牡2、美浦・小島太厩舎)。1週前の坂路では、54秒9-13秒1。美浦の坂路を13秒1で上がれば合格点だ。全姉ラフレーズカフェは2歳時に2勝、半兄サーストンニュースもスプリングS出走まで行っていることから、この馬も1勝を挙げるのにモタモタしていられない。

中山の牝馬限定マイル戦の血統的な目玉、アウェイク(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)は、朝日杯FSを勝ったゴスホークケンの半妹。血統はいいが、調教は斎藤誠厩舎とは思えぬほど軽め。飼い葉食いが細いというから、そのあたりが影響しているのかもしれない。レースまでどこまで仕上げられるか。
鹿戸厩舎はスマートアリシア(牝2、美浦・鹿戸雄、父ファルブラヴ、母スマートダイス)の2頭出し。スマートアリシアは美浦坂路で最後の1F13秒2を馬ナリなら、2歳新馬では水準以上。シーサイドチャペル(牝2、美浦・鹿戸雄、父シンボリクリスエス、母チャペルコンサート)は56秒8-13秒9と少しかかったが、開門から2時間以上経った時間帯というのもあったか。母はオークス2着の実績馬だが、仔には目立った活躍馬が出ていない。そろそろ当たりを出したい。

マツリダバッハ
牡、美浦・国枝、ディープインパクト×ムーンレディ
POGシメイ

エレクトロポップ
牡、美浦・小島太、マンハッタンカフェ×ロリポップガール
POGシメイ

馬名

▲高額馬マツリダバッハの走りに注目が集まる


アウェイク
牝、美浦・斎藤誠、ディープインパクト×オールザウェイベイビー
POGシメイ

阪神組で評判が高いのは、芝1800戦出走のサラザン(牡2、栗東・須貝尚厩舎)。母はアメリカで7勝を挙げた重賞ウイナー。先週の重いCWでも6F83秒台、上がり1Fは13秒を切っており、デビュー前の馬としては上々の動きだ。「バランスが取れている馬で、動きも良く、能力も秘めている」、と同馬に近い関係者の評価も高い。鞍上はM・デムーロ騎手。

アドマイヤビスタ(牡2、栗東・友道、父ネオユニヴァース、母レインボークォーツ)はCWで7Fから時計を出し、5Fは67秒5で、1Fは12秒9。併せた古馬に遅れたものの、時計は悪くない。ネオユニヴァース産駒が得意な友道厩舎で、期待も高まる。

阪神芝1400m戦には、この距離得意な安田厩舎が、トウカイメジャー(牝2、栗東・安田隆厩舎)を送り込む。
「牝馬にしては体つきがしっかりしている。もっと稽古から動いてほしいが、まだまだこの先良くなってきそうなタイプ」と安田隆師。母は北九州記念を勝った快速馬だが、晩成色が強かった。初戦で負けても、先々まで見ていきたい。

マカレア(牝2、栗東・高野、父ダイワメジャー、母ワイオラ)は、1週前の坂路で52秒5-11秒9の快時計をマーク。走りやすい馬場を考えても、デビュー前の馬が11秒9はなかなか出ない。先はともかく初戦はアッサリ勝ち上がりそうだ。

サラザン
牡、栗東・須貝尚、ハーツクライ×エービーヌードル
POGシメイ

アドマイヤビスタ

▲厩舎期待のネオユニヴァース産駒アドマイヤビスタ


トウカイメジャー
牝、栗東・安田隆、ダイワメジャー×トウカイミステリー
POGシメイ

トウカイメジャー

▲母同様重賞勝利に期待がかかるトウカイメジャー


この阪神で有力馬を多数出してきた角居厩舎だが、最終週のダート1800m戦にはスマートシャレード(牡2、栗東・角居厩舎)を出してきた。
「パワーのある走りでダートの適性は高そう。稽古でも動けるようになっているし、実戦でもどんな走りをしてくれるか」と吉岡助手。鞍上には武豊騎手を予定。祖母はマリーンC勝ちなど重賞戦線で息長く活躍しており、この馬もダート戦線で活躍を見込む。

クラシックを目指すなら、そろそろ入厩しないとローテーションが厳しくなる。恐らくここから1か月くらいは、POG人気馬が続々入ってくるはずで、この1週間でも多くの良血馬が入って来た。
アストロブレーム(牡2、栗東・藤原英)は、社台Fでも評判が高い一頭。「社台Fは藤原英厩舎の評価が高く、ディープインパクト産駒でも特に期待の高い馬を牡、牝ともに1頭ずつ入れる」と、かなり前に知人から聞いたのだが、その一頭がサプルマインド(牝2、栗東・藤原英厩舎)、もう一頭がこのアストロブレームである。サプルマインドが新潟の新馬を快勝し、早くも来年のクラシック候補に挙げられていることから、アストロブレームも非常に楽しみが湧いてきた。

他に良血馬で目立つのは、ディアデラマトレの半弟ドレッドノータス(牡2、栗東・矢作)。遅いと聞いていたので、9月入厩は意外。それだけ馬が良くなっているということだ。
グローザーサール(牡2、栗東・池江寿、父ヴィクトワールピサ、母ファーストバイオリン)は、菊花賞2着サウンズオブアースの半弟。530キロ以上あるので、仕上げが難しそうだ。他にも、フローラS勝ち馬シングウィズジョイの半妹スイングビバーチェ(牝2、栗東・友道、父ネオユニヴァース、母シングライクバード)、カレンチャンの半妹ブランカ(牝2、栗東・安田隆)あたりも注目だ。

スマートシャレード
牡、栗東・角居、ブライアンズタイム×スマートパルス
POGシメイ

アストロブレーム
牡、栗東・藤原英、ディープインパクト×オンヴェラ
POGシメイ

馬名

▲鞍上武豊騎手でデビューを予定しているスマートシャレード


ドレッドノータス
牡、栗東・矢作、ハービンジャー×ディアデラノビア
POGシメイ