早くも動いた良血2歳馬 シルバーステート弟&レイデオロ弟が入厩!
2019/4/7(日)
POGも勝負所に差し掛かり、週末は皐月賞。大物サートゥルナーリアの走りに注目。2歳馬も続々入厩が続いているが、POGマニアが気になるのはシルヴェリオか。半兄に幻の大物シルバーステート、ヘンリーバローズがおり能力は期待できるが、兄は健康面で不安があった。この時期に入厩できた弟は、勝負に出ても良さそうだが…。お馴染みラドラーダの仔も入厩している。
4月13日(土)
【中山】
◆山藤賞(芝1800m)
ブランクエンド(牡、ハーツクライ×ブルーミンバー、美浦・加藤征厩舎)
半姉はトーセンブレス(阪神JF4着)。2戦目で勝ち上がり。格上げ初戦こそ7着も、前走の500万下は2着。重賞級のセリユーズにはさすがに離されたが、素質馬ブーザーを抑えている。「この距離は問題ないし、以前に比べてだいぶ緩さが解消されてきた。力は上位なのでここは決めたい」と加藤征師。鞍上は田辺騎手。
ギルマ(牡、ハービンジャー×レストレスハート、栗東・高橋忠厩舎)
半兄にパドルウィール(金鯱賞2着)。2、3着が多かったが、7戦目に勝ち上がり。格上げ初戦の前走は平場戦にしてはメンバーが揃ったが、3着と好結果を残しいる。「小回りがベストな馬だが、前走内容を見てもトリッキーな中山も合っている。このクラスも相手次第でチャンス」と高橋忠師。鞍上は三浦騎手を予定。
グレルグリーン(牡、ヴァーミリアン×ウメノファイバー、美浦・相沢厩舎)
母はオークス馬。新馬戦はルガールカルムの2着に入線し、初勝利まで時間はかからないと思われたが、結局勝ち上がりに8戦かかってしまった。その勝った前走は、中団から豪快に差し切り、勝ち時計も上々だった。母も新馬戦7着からスタートした馬。この馬も、これからが勝負の時だ。
◆500万下(芝1200m)
フィルムフェスト(牝、スクリーンヒーロー×ユールフェスト、美浦・尾関厩舎)
昨年9月の新馬戦では、ヴァッシュモン(ジュニアC勝ち馬)を破った馬。格上げ初戦は5着も、続く500万下は勝ち馬と時計差なしの3着に来ている。ところどころ弱い部分があるものの、間隔を開けてしっかりケアされており、今回も好勝負を期待して良さそうだ。鞍上は戸崎騎手。
【福島】
◆雪うさぎ賞(芝1200m)
テルモードーサ(牝、キンシャサノキセキ×ペンテシレイア、栗東・高橋康厩舎)
母の兄にロジユニヴァース(ダービー馬)がいる。2走前は好タイムで勝利も、格上げ初戦の前走は、勝った時のレースより時計を2秒3も落として敗れている。「前に馬を置いてタメる形が理想。初の1200mだが、この距離なら競馬はしやすい」と高橋康師。距離短縮で前進を期待したい。鞍上は丸山騎手。
ショウナンタイガ(牡、ディープインパクト×チェリーコレクト、栗東・池添兼厩舎)
デビュー時は中距離戦を走っていたが、距離短縮で成績は向上。ファルコンSは11番人気も、中団から脚を伸ばし4着に入線にしている。前走だけ走れれば勝ち負け必至だ。
【阪神】
◆未勝利(芝2200m)
アメジストヴェイグ(牡、ハービンジャー×グルヴェイグ、栗東・角居厩舎)
半兄ヴァナヘイム(京都2歳S2着)。母はマーメイドS勝ち馬。祖母はエアグルーヴ(2勝)で、近親にはドゥラメンテ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴらG1級の活躍馬が並ぶ。秋に入厩したが、ゲート試験後に放牧。その後裂蹄で運動のペースを落とさざるを得ず、デビューがここまで延びてしまった。1週前調教は、CWで5F69秒台、1F12秒の時計を気合を入れた程度でマーク。初戦から好レースを期待したい。
オーラクルム(牡、ハービンジャー×デグラーティア、栗東・須貝厩舎)
母は小倉2歳S勝ち馬。半兄は現在3連勝中のドミナートゥス。秋にデビューし、新馬戦は3着。そこから4か月ぶりの前走は5着も、2着馬とは少差だった。1週前の坂路では51秒7-12秒4とこれまで以上に動いており、初勝利が見えてきた。
◆未勝利(牝、芝2000m)
ダイアナブライト(牝、ディープインパクト×チェリーコレクト、栗東・石坂正厩舎)
新馬戦2着で、叩いた2戦目はチャンスと思われたが、33秒7の脚を使うも4着まで。勝ったのは驚愕の強さを見せたセラピアで、上位争いに参加できなかったのも仕方がない。ここは中1週の出走で、陣営の勝負への意欲は前走以上に高い。
4月14日(日)
【阪神】
◆500万下(芝2000m)
サトノウィザード(牡、ロードカナロア×ブロードストリート、栗東・松田厩舎)
新馬ではカントルを瞬く間に差し切り、2戦目の若駒Sではヴェロックスがつくったハイレベル決着のレースで2着。この内容からつばき賞(500万)は堅いと思われたが、1000m58秒台のハイペースを追いかけ、直線で失速してしまった。新馬戦で見せた豪脚からも、この馬は脚を溜めたほうが良さが出る。ここを勝って、京都新聞杯、そしてダービーに繋げていきたい。
アルクス(牡、ハービンジャー×ラルシュドール、栗東・池江厩舎)
11月4日の京都芝2000mの新馬戦を快勝。エリカ賞(500万下)は3番人気に推されたが、入れ込みがきつく、スタートでも遅れて7着と競馬にならなかった。ゲート再試験もあって間隔が開き、ここが3戦目。パドックや返し馬で、気配を確かめたい。
タンタラス(牝、キングカメハメハ×ブエナビスタ、栗東・池添学厩舎)
1番人気の新馬で大敗も、2戦目に勝ち上がり、格上げ初戦の菜の花賞はコントラチェックの2着。忘れな草賞出走のプランもあったが、1週延ばして堅実に自己条件戦へまわってきた。上の2頭は新馬勝ちの後は不調だが、こちらは新馬は敗戦も、2戦目以降は上昇を続けている。ここも上位争いを期待。
ファナティック(牝、ジャスタウェイ×グレイトフィーヴァー、栗東・松永幹厩舎)
兄姉にアーデント、シャルール、ラブラバード、ラフォルジュルネとオープンクラスに出世した馬が4頭いる。新馬戦は3着も、2戦目の未勝利戦は2000m2分1秒1の好タイムで初勝利を挙げている。血統的にも、上積みはまだまだ見込める。
【中山】
◆500万下(ダート1800m)
フィードバック(牡、ブラックタイド×エンドレスビジネス、美浦・鈴木伸厩舎)
2月3日の東京ダート1600mの新馬戦でデビューし勝利。2着馬とは0.1秒差だが、3着には1秒近い差をつけている。その後、蹄に軽い不安が出たが、それも解消しての復帰戦。1週前の時計は軽めだったので、直前調教をよくチェックして仕上がりを確かめたい。鞍上はルメール騎手。
◆未勝利(牝、ダート1800m)
ピチカートポルカ(ロードカナロア×ポルカマズルカ、美浦・加藤征厩舎)
POGではお馴染みダンシングキイの一族。母は牝馬にして菊花賞に出走している。3月の中山でデビューし、先行して3着。デムーロ騎手を確保し、初勝利へ準備は完了だ。
【福島】
◆未勝利(芝1800m)
アヴァターラ(牡、ロードカナロア×マトゥラー、栗東・池江厩舎)
母は、ドリームジャーニー、オルフェーヴルの半妹。POGで人気になるも屈腱炎のため2戦で引退している。その母の4番仔。3月2日の未勝利戦でデビューし1番人気に推されたが13着大敗。道中追い通しで、走りのバランスも悪く、競馬にならない感じだった。実戦を経験し、どこまで変わったか。
▼2歳馬入厩情報
シルヴェリオ(牡、ハーツクライ×シルヴァースカヤ、栗東・池添学厩舎)
半兄シルバーステート(4勝)、ヘンリーバローズ(1勝)
レインカルナティオ(牡、ルーラーシップ×リビングプルーフ、美浦・小西厩舎)
全姉テトラドラクマ(クイーンC1着)
ミーアシャム(牝、キンシャサノキセキ×ダークサファイア、栗東・池添学厩舎)
半姉ゴーディエライト(重賞2着2回)、ローガンサファイア(マーガレットS1着)、半兄サフィロス(京王杯2歳S2着)
サトノゴールド(牡、ゴールドシップ×マイジェン、栗東・須貝厩舎)
母は北米G2勝ち馬。セレクトセール5400万円(税込)
シーズオールエルティッシュ17(牡、ダイワメジャー×シーズオールエルティッシュ、美浦・木村厩舎)
半兄アドマイヤオウジャ(4勝)、アントリューズ(現2勝)、半姉エルビッシュ(3勝)
エオスモン(牝、ジャスタウェイ×ショアー、栗東・須貝厩舎)
半兄エックスマーク(5勝)、イモータル(重賞2着2回)、ショウナンバーズ(4勝)
アブソルティスモ(牡、ダイワメジャー×ラドラーダ、美浦・藤沢和厩舎)
半兄レイデオロ(ダービー馬)、レイエンダ(セントライト記念2着)、全兄ティソーナ(マーガレットS勝ち馬)
サリオス(牡、ハーツクライ×サロミナ、美浦・堀厩舎)
半姉サラキア(ローズS2着)
ワーケア(牡、ハーツクライ×チェリーコレクト、美浦・手塚厩舎)
半姉ダノングレース(現4勝)、セレクトセール1億2420万円(税込)
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。