今週はNHKマイルCに、ダービー出走切符をかけた京都新聞杯、プリンシパルSとPOGファンには重要な週末。2歳馬は、友道厩舎期待の良血馬3頭が入厩。高野厩舎の評判ディープインパクト産駒など、POG上位候補が続々トレセンに入ってきている。

5月4日(土)

【東京】

◆プリンシパルS(芝2000m)

ルヴォルグ(牡、ディープインパクト×キトゥンカブードル、美浦・藤沢和厩舎)
デビュー前は、同厩のランフォザローゼス(青葉賞ハナ差2着)を調教で圧倒。新馬戦も楽勝で東スポ杯は1番人気に推されたが、出遅れて流れに乗れず9着。この一戦後は立て直し、復帰戦となった大寒桜賞(500万)は2着も、相手は次戦で青葉賞勝ちのリオンリオン。展開不向きのレースで大外から差してきた内容は、勝ちに等しいものだった。今となっては、藤沢厩舎はランフォザローゼスではなく、ルヴォルグを青葉賞に出していたら…とPOGで持っている人は考えてしまうだろう。新馬一戦のみでクラシック候補に挙げられた存在で、何とかダービーに歩を進めたい。

ヒシゲッコウ(牡、ルーラーシップ×ラルケット、美浦・堀厩舎)
半兄にステルヴィオ(マイルCS勝ち馬)がおり、デビュー前から注目された一頭。新馬戦では、同じく注目されていた評判馬ブルーエクセレンスをあっさり差し切る強い内容でデビューを飾った。新馬戦以来約4か月ぶりの一戦でダービートライアルは厳しい局面だが、能力で押し切る可能性もある。

アトミックフォース(牡、ワークフォース×タックスシェルター、美浦・武藤厩舎)
フリージア賞(500万)は7番人気とレース前は目立たなかったが、内から強襲し1着。上り3F33秒2、東京芝2000mの勝ち時計1分59秒9の時計から、決してフロックの勝利ではない。前走と同じコースで、ここも好勝負が期待できる。

ザダル(牡、トーセンラー×シーザシー、美浦・大竹厩舎)
12月の新馬戦は取り消し。改めて1月の中山マイルの新馬戦を勝ち上がると、前走の500万ではレターオンザサンド(次走特別勝ち)、ヴァンランディ(未勝利戦はレコード勝ち)の2頭を封じ、デビューから2連勝としている。競馬が上手いので、ここも大崩れは無さそうだ。

◆500万下(牝、芝1800m)

ドナアトラエンテ(牝、キングカメハメハ×ドナブリーニ、美浦・国枝厩舎)
夏の新潟で新馬勝ち。2戦目は百日草特別(500万)を予定していたが、ヒザ裏に熱感があったため回避し放牧。その後は慎重に進めてきたこともあり、復帰がここまで延びてしまった。調教は坂路を主体に1、2週前ともに52秒と時計は上々。素質の高さから、久々でも好勝負に持ち込めそうだ。

◆未勝利(ダート1600m)

ダイスアキャスト(牡、スマートファルコン×ダイワオンディーヌ、美浦・加藤征厩舎)
昨年夏の新馬戦では、ウィクトーリアの3着。2戦目は除外になると、その後骨折が判明し休養。今回が復帰戦となる。1週前はウッドで長めから追われ、6F83秒台、上り13秒台前半で、古馬500万の馬に1馬身程度遅れ。まだ仕上げに余裕はあるが、残り1週で詰められるだろう。スマートファルコン×クロフネの配合から、ダートも良さそうである。鞍上はルメール騎手。

【新潟】

◆わらび賞(ダート1800m)

マノアフォールズ(牡、ハーツクライ×ムーンライトダンス、美浦・斎藤誠厩舎)
デビュー2戦は芝だったが、3戦目からダートへ。惜敗が続いたが、前走は2着に9馬身の大差をつけて勝ち上がった。半兄ムーンリットレイク(6勝)、近親シゲルピンクダイヤ(桜花賞2着)など一族は芝向きの馬が多かったが、一つ上のストーミーバローズ(現1600万)がダートで活躍し、当馬もダートで上昇中。前走内容から500万クラスでも通用する。

◆未勝利(芝1200m)

スカーヴァティ(牝、ロードカナロア×クッカーニャ、栗東・西園厩舎)
1週前の千直戦を予定も除外になり、こちらへ回ってきた。良馬場の芝1200m戦は2度走って共に2着に来ており、今度も良馬場なら上位争い濃厚だ。

【京都】

◆未勝利(ダート1800m)

ジーガスリッド(牝、ヴィクトワールピサ×ハルーワソング、栗東・友道厩舎)
2月の新馬戦は2番人気に推されるも13着大敗。初めてのレースで馬も力を出し切れなかったようで、能力負けではない。1週前はCWで6F81秒台、終い12秒を切る時計を出し、調教や血統から未勝利にいる馬ではない。2戦目でレース慣れがあれば、前走から大幅上昇はある。鞍上は岩田康騎手。


5月5日(日)

【京都】

◆橘S(芝1400m)

ジュランビル(牝、キンシャサノキセキ×アリー、栗東・寺島厩舎)
フィリーズレビューは3着に入り、イベリス(アーリントンC1着)に先着。16番人気だった桜花賞は8着も、ダノンファンタジーやクロノジェネシスとは0・5秒差で、シェーングランツに先着なら健闘したと考えていいだろう。相手は大幅弱化、距離も得意の1400mに変わり、一気に本命級に浮上だ。

アスターペガサス(牡、GiantsCauseway×RHeatLightning、栗東・中竹厩舎)
函館2歳Sの勝ち馬。その後3戦は負けているが、京王杯2歳Sは超スロー、朝日杯FSはマイルでともに引っかかり、前走はダートと敗因はある。ペースが流れれば、久々の好走も見えてくる。

シングルアップ(牡、クロフネ×ラフアップ、栗東・西村厩舎)
デビューから2連勝。その後は不調も、2走前のマーガレットSでは3着と復調。しかしファルコンSは好位から退き10着と崩れた。前走に比べ相手が弱くなる今回は、2走前のように馬券圏内を目指せる。

【東京】

◆500万下(芝1400m)

スイープセレリタス(牝、ハーツクライ×スイープトウショウ、美浦・藤沢和厩舎)
2戦目の未勝利戦は、東京マイルを1分33秒8で勝利。この時計は、前日のサウジアラビアロイヤルCのグランアレグリアの勝ち時計1分34秒0との比較からも優秀なことが分かる。血統的な面もあり桜花賞候補に挙げられる存在になったが、その後は500万クラスで少差3着が2回。2走前はダノンチェイサーと時計差無しだから内容は濃いのだが、期待感を考えると未だ500万クラスにいるのは物足りない。「広い東京が合う。スピードがあって距離や速い時計も対応できているし、再度期待している」と陣営。この時期は500万クラスも手薄になってくるので、今度こそ負けられない。鞍上はルメール騎手。

◆未勝利(芝2300m)

クルミネイト(牝、ディープインパクト×クロソラ、栗東・堀厩舎)
全姉にクルミナル(桜花賞2着、オークス3着)、半兄にピオネロ(6勝)がいる。昨年夏にはゲート試験に合格し順調に進んでいたが、トモの外傷から良化に時間がかかり、ここまでデビューが延びた。「体質的なことや気性面を考慮して調整。時間をかけて段々と態勢は整ってきた」と森助手。速い本数が少ないが、そこは仕上げ上手の堀厩舎。残り1週で整えてくるだろう。鞍上はオーストラリアの若手ジョッキー・レーン騎手。

グランヴィスタ(牡、ハービンジャー×エルミラドール、美浦・栗田徹厩舎)
母の兄にフサイチホウオー(重賞3勝)、母の姉にトールポピー(オークス、阪神JF勝ち馬)、アヴェンチュラ(秋華賞勝ち馬)がいる良血。「体がパンとしてくれば先々走ってきそうな馬。緩さは徐々に解消してきたし、素質は感じている」と栗田徹師。デビューから2戦はともに4着。叩き3戦目で、そろそろ走り頃だ。鞍上は田辺騎手。

エンシュラウド(牡、Authorized×ScreenStar、美浦・藤沢和厩舎)
デビューから3戦は全て2着。うち2戦は勝ち馬とクビ差と、初勝利は目前に来ている。欧州血統らしく、スタミナはあるものの瞬発力勝負は疑問。長距離戦ゆえにペースが上がるとは思えず、あまり緩い流れだと決め手勝負で再度勝ち損なうとことも。積極策でスタミナ勝負に持ち込みたい。

【新潟】

◆未勝利(芝2000m)

サンルイス(牡、ダイワメジャー×コンカラン、美浦・上原厩舎)
2戦目に頭差2着があり勝利は近いと思われたが、次戦は10着大敗。ノド鳴りによるものと見られ、すぐに手術。ここは約半年ぶりの一戦となるが、早めの時計も出ており仕上がりは悪くない。あとはレースへ行ってノドのの影響が出なければチャンスはある。

◆未勝利(芝1400m)

ファイナライズ(牡、ロードカナロア×ワイルドココ、栗東・中内田厩舎)
半姉に2歳時に2勝したシグナライズがおり、父がロードカナロアに変わった当馬は、POGでも人気になった一頭。ただ不安が出たり、体に弱いところもあってデビューが遅くなってしまった。2週前までは平凡だったが、1週前はCWで5F67秒台、1F11秒台後半の時計を余力をもってマーク。初戦からしっかり仕上げてくる中内田厩舎なので、デビュー戦から期待したい。鞍上は中井騎手。


▼2歳入厩情報

ラインベック(牡、ディープインパクト×アパパネ、栗東・友道厩舎)
母は牝馬3冠のアパパネ。全兄は5戦3勝のジナンボー。素質は高そうだが、気性は難しい。順調に行けば、中京でデビュー予定。

ジュンライトボルト(牡、キングカメハメハ×スペシャルグルーヴ、栗東・友道厩舎)
セレクトセール1億2960万円(税込)。エアグルーヴの一族。半兄グルーヴィット(ファルコンS2着)

マイラプソディ(牡、ハーツクライ×テディーズプロミス、栗東・友道厩舎)
母は北米G1勝ち馬。

ディアスティマ(牡、ディープインパクト×スウィートリーズン、栗東・高野厩舎)
母はエイコーンSなど北米でG1を3勝し、ノーザンFでも特に期待の繁殖牝馬。

マッシリア(牡、ダイワメジャー×フレンチリヴィエラ、栗東・橋田厩舎)
半兄カデナ(弥生賞など重賞2勝)、スズカコーズウェイ(京王杯SC勝ち馬)

ブルーミングスカイ(牡、ディープインパクト×ブルーミンバー、栗東・角居厩舎)
全姉トーセンブレス(桜花賞、阪神JFともに4着)

シャムロックヒル(牝、キズナ×ララア、栗東・佐々木晶厩舎)
母は北米G1勝ち馬。半姉サラス(現1600万)、セラピア(現1勝)

ハーモニクス(牝、キンシャサノキセキ×アコースティクス、美浦・武市厩舎)
半兄ロジユニヴァース(ダービー馬)

ロードセッション(牡、ジャスタウェイ×ジャズキャット、栗東・高橋義厩舎)
半兄ロードヴァンドール(重賞2着2回)、ロードマジェスティ(オープン特別3勝)

セントオブゴールド(牡、ディープインパクト×キューティゴールド、美浦・木村厩舎)
全姉ショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞勝ち馬)

リリーピュアハート(牝、ディープインパクト×リリーオブザヴァレー、栗東・藤原英厩舎)
全兄ヴァンキュシュラン(青葉賞)

プリマグラード(牝、ヘニーヒューズ×トゥザレジェンド、栗東・中内田厩舎)
母5勝、祖母トゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯勝ち馬)