開幕週に負けない大物候補はウリウリの全弟!
2015/10/11(日)
目玉は断然マカヒキ(牡2、栗東・友道厩舎)だ。2週前のCWでは一杯に追われると終い1F11秒5をマークし、併せた評判牝馬ヴィブロス(牝2、栗東・友道、父ディープインパクト、母ハルーワスウィート)を1.7秒もぶっちぎる大デモンストレーション。1週前も馬なりで6F81秒台、5F65秒台と、デビュー前の馬としては出色の調教過程だ。「弾むように柔らかい動きをするし、稽古も動き、時計ともにいい。これだけの動きなのでレースが本当に楽しみ」と、陣営の言葉からも期待が窺える。全姉がウリウリと血統背景もバッチリ。将来マイル戦線の中心も狙える逸材だ。
エンヴァール(牡2、栗東・藤原英厩舎)は、2週前の併せ馬でフィエロに先着。1週前も馬なりながら12秒1で上がっており、マカヒキに迫る存在だ。「時間をかけてじっくり調整したことで、動きもひと追いごとに良化。スピードもあるが距離にも融通性がありそう」と田代助手。全兄ベルライン、半兄はクラシコでダート馬のイメージもあるが、近親にオークス馬のローブデコルテや、重賞勝ちのアズマシャトルもおり、芝もクリアできる。
ピッツバーグ(牡2、栗東・矢作厩舎)は、安田記念勝ち馬モーリスの半弟。調教時計も水準のものは出ており、初戦から動けそうだ。
- マカヒキ
- 牡、栗東・友道、ディープインパクト×ウィキウィキ
- エンヴァール
- 牡、栗東・藤原英、ダイワメジャー×カリズマティックゴールド
- ピッツバーグ
- 牡、栗東・矢作、ダノンシャンティ×メジロフランシス
京都の1200m戦では、母はクイーンC勝ち馬、母の弟はG1ウイナーのフサイチリシャール、祖母は重賞4勝のフサイチエアデールという良血のライラムーン(牝2、栗東・佐々晶厩舎)が出走予定。調教の動きはもう一つだが、レースへ行っての変わり身に期待したい。
東京も芝1800m戦が好メンバー。この時期の新馬戦に有力馬を出してくる藤沢和、堀厩舎が当然のように所属馬を送り込んできた。
キングオブアームズ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)は、セレクトセールで1億円近い値がついた高額馬だ。「普段から賢い馬で、乗り手の指示にしっかりと従える。稽古の動きもいいし、高い能力を秘めている」と津曲助手。 母はアメリカのG1ホースで、同馬が5番子。まだ上から大物は出ていないが、そろそろ大当たりが出てもいい頃だ。
スウィフトレイド(牡2、美浦・堀厩舎)も一族からは活躍馬が出ていないが、堀厩舎に入ったとなれば、これまでの馬とは一味違うはず。ウッドでも12秒台で上がっており、走る雰囲気は感じられる。
ただ、調教では、アグレアーブル(牝2、美浦・斎藤誠、父マンハッタンカフェ、母プリティカリーナ)が一歩リード。ウッドで67秒前半の時計をデビュー前に出せたら文句はない。半兄のアンタラジーは1勝馬だが、かなりの素質を感じさせる馬。この馬も兄に負けない資質を秘めていると見る。
- ライラムーン
- 牝、栗東・佐々晶、キングカメハメハ×ライラプス
- キングオブアームズ
- 牡、美浦・藤沢和、ディープインパクト×アーマイン
- スウィフトレイド
- 牡、美浦・堀、Smart Strike×スウィフトテンパー
▲初戦から活躍が期待される良血ライラムーン
新規入厩組は、良血牝馬が多数入って来た。ルミナーラ(牝、栗東・音無厩舎)はアンビシャスの半妹。同厩のデイジーフローラ(牝2、栗東・音無厩舎)は、母がヴィクトリアマイルでウオッカの2着した馬。初仔なので注目度は高い。
シークプレジャー(牝2、栗東・須貝尚厩舎)は、半兄がアメリカのG1勝ち馬。一つ上のワールドリースターは評判馬だったが、未だ1勝にとどまっている。さて、この馬はどちらの兄に似るのか。
プリマレジェンド(牝2、栗東・佐々晶厩舎、父ヴィクトワールピサ、母パーソナルレジェンド)は、半兄が東京大賞典などを勝ちダートG1で活躍しているローマンレジェンド、半姉が重賞を8勝したミラクルレジェンド。この馬もダートで上を目指すことになるだろう。
ゲート試験後に放牧に出されて再入厩の馬では、オーダードリブン(牡2、美浦・加藤征、父ディープインパクト、母コマーサント)。全兄は京成杯勝ち馬のベストディールで、早くからの活躍を見込める。
ライクアストン(牡2、美浦・久保田、父ハーツクライ、母イスラコジーン)は皐月賞馬イスラボニータの半弟。一つ上のステイリッチもダートで素質開花が見え、3番仔のこの馬も期待が高まる。
- ルミナーラ
- 牝、栗東・音無、キングカメハメハ×ブラボーデイジー
- デイジーフローラ
- 牝、栗東・音無、ヴィクトワールピサ×カーニバルソング
- シークプレジャー
- 牝、栗東・須貝尚、マンハッタンカフェ×ワールドリープレジャー
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。