グランプリもいいが、POGファンなら土曜日の阪神芝1800mも要注目。セレクトセールの高額馬を中心に豪華な顔ぶれで、勝ち馬は即クラシック候補かも?

12月21日

◆中山芝2000m

バインドウィード(牝、キズナ×カメリアローズ、美浦・宗像厩舎)
母は4勝、半兄ダローネガ(オープン特別2勝)、ディキシーナイト(クロッカスS1着)。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、美浦ウッド4F54秒台、1F12秒台後半を楽にマークし、古馬相手の3頭併せで併入。強めの時計が少ないので、まだまだ良化の余地がある。鞍上はマーフィー騎手。

◆中山ダート1800m

トラモント(牡、アイルハヴアナザー×フィロンルージュ、美浦・新開厩舎)
半兄プレシャスルージュ(3勝)、おじにヴァーミリアン(交流含むG1を9勝)。美浦ウッドで一杯に5F66秒台、1F12秒台前半をマークし、併せた新馬に大きく先着。上り時計が優秀で、初戦から勝ち負けの雰囲気だ。

◆阪神芝1800m

アドマイヤベネラ(牡、ハーツクライ×ライフフォーセール、栗東・友道厩舎)
半姉ダノンファンタジー(阪神JF勝ち馬)。セレクトセール2億4840万円(税込)。「ハーツクライの産駒で、まだまだこの先良くなってきそう。放牧に出して成長を促して以前より馬はしっかりしてきたし、稽古の動きもいい」と友道師。調教はCWで一杯に6F61秒台、5F66秒台、1F12秒台の好時計をマーク。特筆すべきは併せ馬で、菊花賞ワールドプレミアを相手に先行したとはいえ併入、3戦2勝のラインベックには追走して先着と、デビュー前としては申し分ない内容だ。ドラフト時はデビューが遅れる情報もあり人気が落ちていた。実際デビューは遅くなったが、勝負をかけて取りに行った人は正解かも。鞍上はスミヨン騎手。

プラトン(牡、ディープインパクト×ロベルタ、栗東・音無厩舎)
全兄フランツ(現4勝)。おじにヴィクトリー(皐月賞馬)、リンカーン(G1で2着3回)、祖母グレースアドマイヤのきょうだいにフサイチコンコルド(ダービー馬)、アンライバルド(皐月賞馬)がおり、POGではお馴染みの一族。2週前の調教から厳しい感じもあったが、1週前の芝調教では軽快な動きを見せ、徐々に良化しつつある。鞍上は西村騎手。

プライムフェイズ(牡、ディープインパクト×アメリ、栗東・藤原英厩舎)
母は3勝。祖母アゼリは、北米でG1を11勝し、アメリカ年度代表馬にも選ばれた名牝。おじにシルヴァンシャー(京都大賞典3着)、ロイカバード(重賞3着2回)がいる。調教は、芝コースで5F67秒台、1F11秒台後半の時計を楽にマーク。1週前にはCWで1F12秒を切る時計を出しており、デビューへ向け順調に調整は進んでいる。

クッキーショット(牝、キングカメハメハ×マンハッタンセレブ、栗東・平田厩舎)
半姉セレブリティモデル(忘れな草賞1着)、半兄ロスカボス(野路菊S1着)。調教は坂路55秒4-13秒3。ここまで抑えた内容の調教が多いのは、飼い葉喰いが細いためか。レースまでに、どれだけ仕上げられるか。鞍上は岩田望騎手。

レッドデュラン(牡、エピファネイア×レッドオーヴァル、栗東・角居厩舎)
母は桜花賞2着。CWで強めに5F67秒台、1F12秒台後半をマーク。少し行きたがるところがあるという話なので、レースでは折り合いが課題となりそうだ。鞍上はルメール騎手。

ミッキーラズベリー(牡、キングカメハメハ×ワイルドラズベリー、栗東・音無厩舎)
半兄ミッキーワイルド(現5勝、プロキオンS2着)。セレクトセール1億4580万円。調教は坂路で52秒5-12秒6を余力をもってマーク。2週前のCWでも速い時計を出しており、いいイメージでデビューを迎えられそうだ。

エバーマノ(牝、ディープインパクト×ソラリア、栗東・藤岡厩舎)
全姉カレンブーケドール(ジャパンC2着)。坂路で一杯に53秒5-12秒9。併せ馬で遅れ続けていることは気がかりだが、時計そのものは悪くはない。

ウィスパリンホープ(牝、ハーツクライ×ブロームフォンテン、栗東・昆厩舎)
半姉は新馬勝ちしたミッキーフォンテン。坂路一杯に50秒6-12秒6の好時計をマーク。これは水曜日の栗東坂路では、古馬を含めても一番時計である。


12月22日

◆中山芝1600m

アッタヴァンティ(牝、ロードカナロア×シュプリームギフト、美浦・中川厩舎)
母は5勝、函館SS2着。14日の中山を予定も除外になり、こちらへ回る。調教は美浦ウッドで5F67秒台、1F12秒台半ばの時計を馬なりでマーク。先週あたりから時計も詰まり、勝負圏内に入ってきている。飼い葉喰いが細く馬体維持が難しいので、当日のパドックはしっかりチェックしたい。

キングスバーンズ(牡、ジャスタウェイ×レディオーカモア、美浦・加藤征厩舎)
半兄はカナダG2勝ち馬。「稽古は動くし、かなり高い素質を持っている馬。しっかり調整が積めているので、初戦から楽しみにしている」と加藤征師。美浦ウッドで5F67秒台、1F12秒台後半を余裕を残してマークし、古馬3勝クラスの馬に先着している。鞍上はムーア騎手。

ディランズソング(牡、SummerFront×PoeticRichers、美浦・萩原厩舎)
美浦ウッドで5F68秒台、1F12秒台後半を余裕十分にマークし、古馬1勝クラスに先着。陣営の期待も高く、楽しみなデビュー戦だ。

チャロアイト(牝、UncleMo×Taboo、美浦・池上厩舎)
おじに北米G1勝ち馬がいる。美浦ウッドで5F67秒台を馬なりでマーク。2週前も上々の内容の調教をこなしており、仕上がりは上々だ。

レッチェバロック(牝、UncleMo×MyFastOne、美浦・藤沢和厩舎)
海外の2歳トレーニングセール(3月)で、1F9秒8をマークした馬。調教は坂路52秒5-13秒2を馬なりでマーク。速めの本数は少ないが、藤沢厩舎なので運動量は足りているはずだ。

◆中山ダート1200m

アルマセグレート(牝、ゴールドアリュール×シークレットルーム、美浦・高柳瑞厩舎)
半姉クラーベセクレタ(南関東2冠馬、NAR3歳最優秀牝馬)。15日の中山ダート1200m戦を除外となり、こちらへ回ってきた。2週前に美浦ウッドで上り12秒台前半の時計を出し、1週前は4F53秒台を余力を残してマーク。デビューが1週伸びたことで、仕上がりは更に進むはずだ。

ヴェリズモ(牡、シンボリクリスエス×トリノレージョ、美浦・加藤征厩舎)
おじにサンカルロ(阪神カップ2勝)。美浦ウッドで5F66秒台、1F13秒台前半。終いはかかったが、一杯に追ったわけでは無く、全体が早いことからデビュー前としては悪くない内容だ。鞍上はルメール騎手。

トウカイエトワール(牡、ヘニーヒューズ×トウカイミステリー、栗東・安田隆厩舎)
母は北九州記念勝ち馬。半兄トウカイオラージュ(現3勝)。「スタートは速く、血統的にも短い距離向き。母の産駒は芝ダート問わず走ってくれるし、まずはこの条件から」と安田隆師。坂路で一杯に51秒4-13秒2。終いはかかったが、全体が51秒台なら上々だ。鞍上はマーフィー騎手。

◆阪神芝1400m

ゴールデンアーク(牡、エピファネイア×ゴールデンムーン、栗東・須貝厩舎)
母は4勝、おじにトップオブワールド(ユニコーンS勝ち馬)。CWで5F67秒台、1F12秒台前半を強め程度の手応えでマークしている。初戦から勝負できる状態にある。鞍上は藤岡康騎手。

◆新規入厩

エターナルハート(牝、キングカメハメハ×デアリングハート、栗東・友道厩舎)
母は重賞3勝、G1で2着1回、3着2回

レヴドゥギャルソン(牝、ハーツクライ×ドリームオブジェニー、栗東・高野厩舎)
半姉ファンディーナ(フラワーC勝ち馬)

サンジョアン(牝、ルーラーシップ×サンビスタ、栗東・角居厩舎)
母はチャンピオンズC勝ち馬