2頭で5億円!?高額馬同士が京都で激突!
2015/11/2(月)
▲屈腱炎からの早期復活が待たれるポルトフォイユ
さて今週だが、主役は松永幹厩舎。セレクトセールの頃から注目されていた2頭が同週デビューとなった。
まずは京都2000m戦に出走のロイカバード(牡2、栗東・松永幹厩舎)。
「血統馬らしく、バネがあっていい動きをします。追い切りも重ねる毎に良くなってきましたし、レースでどんな走りをするか期待しています」と松永幹師。
その話通り、CWでは上がり1Fを12秒0でフィニッシュし、併せたアムールブリエを軽くあしらった。母はアメリカの殿堂入りも果たした歴史的な名牝で、セレクトセールでは2億4000万円で落札された超高額馬。初戦はもちろん、先々まで注目される馬となろう。鞍上は武豊騎手。
ただ同レースには、セレクトセールの高額馬がもう一頭。2億3000万円で落札されたサトノダイヤモンド(牡2、栗東・池江寿厩舎)だ。
「パワーとスピードの両方を兼備している。来年のクラシックを目指していきたい馬だし、先々まで楽しみ」と兼武助手。
最近速い時計を出さなくなった池江寿厩舎なので、調教時計はロイカハードに見劣るが、動きのほうは悪くないようで、初戦から走れるというのが厩舎のジャッジ。ただ先々はともかく、デビュー戦はロイカハード優勢の感が強い。
- ロイカバード
- 牡、栗東・松永幹、ディープインパクト×アゼリ
- サトノダイヤモンド
- 牡、栗東・池江寿、ディープインパクト×マルペンサ
▲高額馬同士の対決で注目のサトノダイヤモンド(併せ馬外)
松永幹厩舎のもう一頭の有力馬は、京都の牝馬限定1600m戦に出走のラルク(牝2、栗東・松永厩舎)。牝馬ながらセレクトセールでは1億4500万円の値がついた良血馬だ。こちらもCWで上がり12秒を切る時計を出しており、ディープ牝馬らしい瞬発力が見込める。近親にはミッキーアイルがおり、桜花賞候補に名を連ねるか。
ここは結構なメンバーになりそうで、他にもアパパネの半妹パローマ(牝2、栗東・角居厩舎)、フライングアップル、ナイスミーチューの半妹ロサモスカータ(牝2、栗東・橋口弘厩舎)、秋華賞2着レインダンスの仔マーシフルレイン(牝2、栗東・宮厩舎)も出走予定。ただ1週前調教を見る限り、ラルクが一歩リードしている。
- ラルク
- 牝、栗東・松永幹、ディープインパクト×ライラックスアンドレース
- パローマ
- 牝、栗東・角居、ディープインパクト×ソルティビッド
▲POGでも注目の高額馬ラルク(写真内、武豊騎手騎乗)
東京は、京都のように高額馬が連発といった派手な馬はいないが、好調教馬が多く、活躍馬登場を期待していい。東京芝1800戦では、ケルベロス(牡2、美浦・大江原厩舎)の評判が高い。
「新馬戦を勝ったモーゼスと同じか、それ以上に雰囲気が目立っている。肉体面が成長してくれば更に良くなりそうだが、いい馬であることは間違いない」と、厩舎も力が入る。
10月15日のウッドでは66秒と水準以上の時計をマークし、すでに能力の一端は見せており、鞍上に横山典騎手を迎え、万全の構えだ。
芝の中距離戦だけあって他の出走馬もなかなか濃い顔ぶれ。ウインドオブホープ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)は、先日のサウジアラビアロイヤルCを勝ったブレイブスマッシュ(牡2、美浦・小笠厩舎)とは従兄弟同士。ウッド68秒4-12秒4(馬ナリ)と鹿戸厩舎にしてはなかなか速めの時計が出ているあたり、この馬も初戦から動けそうだ。
ゼーヴィント(牡2、美浦・木村厩舎)も、ウッド4Fから54秒5-12秒3と終いにいい時計が出ている。ここへきて集中して走れるようになってきたとのコメントもあり、精神的な成長が見受けられる。
東京芝1600m戦は、グリントオブライト(牝2、美浦・戸田厩舎)が有力。運動量の多い戸田厩舎は、それほど派手な時計を出さないが、それでもウッド68秒前半の時計を馬なりで出せており、合格点をつけられる。体が小さいので、もう一回り大きくなれば、更に楽しみは増す。
- ケルベロス
- 牡、美浦・大江原、ディープインパクト×モーニングタイド
- ウインドオブホープ
- 牡、美浦・鹿戸雄、スクリーンヒーロー×オンマイマインド
▲戸田厩舎期待の1頭グリントオブライト
続いて新規入厩馬。POGでは中位人気だったエールデュレーヴ(牝2、栗東・須貝尚厩舎)は、近親にレーヴディソールらがいるお馴染みの一族だ。
ダノンフェイス(牡、栗東・大久龍)は、母が阪神牝馬S勝ち馬。
デナリ(牡、美浦・田村)は、母、そして祖母ミルフォードスルーが重賞2勝の活躍馬。きょうだいも結果を残しており、半姉のオウケンサクラは桜花賞2着、フィーユドゥレーヴが函館2歳S勝ち、そして半兄のヤマノウィザードは新馬、500万を楽勝して、青葉賞を3着と活躍馬が多数出ている。
また新規ではないが、ゲート試験後放牧に出て再入厩となったケイブルグラム(牡2、美浦・国枝厩舎)は、ルージュバックの半弟で、POGでも上位で指名された注目の一頭。心身ともにまだまだ物足りないところもあるようだが、美浦の調教でどれだけ変わってくるか。順調に行けば、東京の最終週あたりでデビューとなる。
- ダノンフェイス
- 牡、栗東・大久龍、キングカメハメハ×アイアムカミノマゴ
- デナリ
- 牡、美浦・田村、マンハッタンカフェ×ランフォザドリーム
血統から大きな期待がかかるケイブルグラム
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。