今週は関東馬が中心!募集価格1億円馬ら続々と期待馬がデビュー
2015/11/9(月)
東京芝2000mに出走のハートレー(牡2、美浦・手塚厩舎)は、サンデーRの募集価格が1億円というノーザンFの超期待馬だ。
「牧場時代から目立つ馬で、素質はかなりのモノを秘めていそう。クラシックに乗せなくてはならない1頭」と手塚師。今週から騎乗のムーア騎手に合わせたデビューにも思え、陣営の期待感が伝わってくる。調教のほうも順調で、1週前はウッドで68秒台、上がり12秒半ばを馬なりでマークし、古馬のデュアルメジャーに先着と文句なしの動きだ。POG本の取材の頃は、「マイルくらいまで」という話もあったので、2000mの距離に少々不安も感じるが、ここをクリアすればクラシックも見えてくる。
この馬で堅そうなイメージだが、そこは2000m戦。他にも将来を見据えた期待馬が存在する。中でも評判が高いのは、オーダードリブン(牡2、美浦・加藤征厩舎)。全兄は京成杯を勝ったベストディールで、この馬も早くから活躍が見込める。ハートレーほどではないが、こちらも調教では水準の動きを見せており、この2頭の対決は見ものだ。
- ハートレー
- 牡、美浦・手塚、ディープインパクト×ウィキッドリーパーフェクト
- オーダードリブン
- 牡、美浦・加藤征、ディープインパクト×コマーサント
▲大きな期待がかかる高額馬ハートレー
芝の1400m戦では、こちらもサンデーR期待の良血馬チェッキーノ(牝、美浦・藤沢和厩舎)。北海道デビューの予定もあったが、ソエや疲れもあって秋まで伸びた。
「馬の状態を見ながらじっくりと調整して、ここまで順調です。血統馬らしく躍動感のある動き。やはり期待は大きいです」と津曲助手。全兄コディーノは新馬、札幌2歳S、東スポ杯2歳Sと3連勝。他の兄姉も含め5頭中4頭が新馬勝ちをしており、チェッキーノも初戦から結果を出したい。
同レース出走予定のカンタオール(牡、美浦・栗田徹厩舎)は、ウッドで4F53秒2-12秒9の時計を出し、こちらも順調。陣営はダート向きも示唆しているが。まずは芝スタートとなった。母のバイラオーラは新馬勝ちし、祖母のバイラリーナは未勝利、500万、スイートピーSで3連勝と、芝でも大丈夫だろう。
1600m戦は、プラトリーナ(牝、美浦・木村厩舎)。牝馬だが、サンデーRで4400万の募集価格からも期待感が分かる。ただ400キロそこそこで、もう少し馬体の成長が欲しい。
体調や仕上げの進み具合から1週前段階ではっきりしていないが、アフェクテューズ(牡、美浦・手塚厩舎)も出走予定。夏の新潟デビューだったが、筋肉痛が起きたり体質の弱さが影響したりで、デビューが遅くなってしまった。全姉ショウナンアデラ(昨年の阪神JF覇者)は脚部の弱さに悩まされたが、この馬も似たところがある。調教は可もなく不可もなくいった感じで、まだまだ物足りない部分は多い。レースまでにどれだけ鍛錬できるか。パンとすれば走ると思うのだが。
- チェッキーノ
- 牝、美浦・藤沢和、キングカメハメハ×ハッピーパス
- プラトリーナ
- 牝、美浦・木村、ディープインパクト×フラニーフロイド
▲兄同様の活躍が期待されるチェッキーノ(写真内)
京都に目を向けると、芝1800m戦は血統的にプロジェクト(牡、栗東・音無厩舎)が注目。
「この血統なので奥手とは思うが、動きや雰囲気はいいし、走ってくると思う。距離も保ちそうで、大事に使っていきたい」と音無師。坂路55秒2-13秒0の時計からも、確かに初戦からというイメージは無いが、そこは半兄にG1・2勝のカンパニー、近親に天皇賞馬トーセンジョーダンや、トーセンホマレボシ、トーセンスターダムらがいる一族。レースへ行って変身が見込める。
調教が目立つのは、芝1400m戦に出走のソルヴェイグ(牝、栗東・鮫島厩舎)。CWで6Fから81秒台、5F65秒台、最後1Fは12秒半ばと水準以上の時計をマークした。母のアスドゥクールは1400m以下を中心に4勝。母のきょうだいになるエールブリーズ、アイリッシュカーリも短距離オープンで活躍しており、この馬も1400m前後が主戦場か。
- プロジェクト
- 牡、栗東・音無、ハービンジャー×ブリリアントベリー
- ソルヴェイグ
- 牝、栗東・鮫島、ダイワメジャー×アスドゥクール
▲長い息での活躍に期待がかかるプロジェクト
未デビューの入厩組は、ゲート試験後放牧に出された再入厩組に良血馬が目立つ。コアコンピタンス(牡、美浦・国枝厩舎)は、母がGⅠ勝ち馬スティンガー、半兄にはサトノギャラント、キングズオブザサンとオープンで活躍した馬がおり、POGでも上位人気になった馬。早期デビューの噂もあったのだが、成長が遅くデビューは秋にずれ込んでしまった。時間をかけての入厩だけに、今度こそデビューまで順調に行ってくれることを望みたい。
同じように早期デビューの予定がずれ込んでしまったのがアドヴェントス(牝、美浦・堀厩舎)。兄姉はアヴェンチュラ、トールポピーのGⅠ馬2頭に、重賞3連勝のフサイチホウオーがおり、早くから活躍できるPOG向きの馬。アドヴェントスも2歳戦から活躍を期待したが、夏から秋にかけて調整に時間がかかってしまった。同厩の期待牝馬ルフォールが快勝デビューしただけに、この馬も続きたい。
最後はクィーンアマポーラ(牝、栗東・藤岡健)。夏に函館競馬場に入厩し、ゲート試験後に放牧。今回が再入厩となる。母はエリザベス女王杯勝ち馬リトルアマポーラで、こちらは母が勝てなかったクラシックを期待したい。
- コアコンピタンス
- 牡、美浦・国枝、キングカメハメハ×スティンガー
- アドヴェントス
- 牝、美浦・堀、ジャングルポケット×アドマイヤサンデー
▲堀厩舎期待の牝馬アドヴェントス
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。