今年のPOGは波乱のスタート。開幕週で断然人気だったトウショウジャイロ(牡、栗東・角田、父ダイワメジャー×母シーイズトウショウ)、スターオブペルシャ(牡、美浦・藤沢和、父ダイワメジャー×母ターフローズ)が負けただけでなく、6月開催最大の目玉と言われていたミュゼモーゼス(牡、美浦・大江原、父ダイワメジャー×母チャールストンハーバー)が放牧へ。5月時の好調教がウソのように、最近の調教は平凡なものばかり。これでデビューしたら危ないと見ていたので、放牧は賢明な判断だと言えるのでは。
更に、新潟開催の目玉の一頭アフェクテューズ(牡、美浦・手塚、父ディープインパクト×母オールウェイズウィリング)も筋肉痛で一頓挫。すぐには放牧に出さず様子を見るようだが、姉のショウナンアデラが骨折で休養していることもあり、この馬も慎重に進めるのではないか。

 評判馬にアクシデントが続いているが、この流れの中で今年のPOG一番人気のプロディガルサン(牡、美浦・国枝、父ディープインパクト×母ラヴズオンリーミー)が20日の東京芝1600m戦でデビューする。
1週前調教はウッドで66秒台を余裕を持ってマーク。最後も12秒後半で上がり、併せた馬に5馬身先着と仕上がりは順調そのものである。ただ夏デビューの国枝厩舎は、なぜか新馬負けが多い。なにせアパパネダノンプラチナインパルスヒーローパララサルーも、新馬で負けた後の2戦目から3連勝。本来、早くに3連勝するような馬は早熟性が高く、新馬も普通に勝つものなのだが……。それだけ国枝厩舎は新馬戦に弱いので、もしかしたら他馬に脚をすくわれる可能性も。逆に言えば2着くらいなら、負けても心配なしということだ。

 阪神では、1400m戦にデアリングエッジ(牝、栗東・河内、父キングカメハメハ×母デアリングハート)が出走予定。調教では河内厩舎らしく好時計を連発し、初戦から勝ち負けは濃厚だ。母は重賞を3勝し、桜花賞3着、NHKマイルC2着と活躍。母譲りのスピードで、桜花賞戦線に乗りたい。

プロディガルサン
牡、美浦・国枝、ディープインパクト×ラヴズオンリーミー
POGシメイ

デアリングエッジ
牝、栗東・河内、キングカメハメハ×デアリングハート
POGシメイ

先読みPOG

▲プロディガルサン 1週前調教の様子


 函館の開幕週は1200m戦が好メンバー。インジャスティス(牡、美浦・藤沢和、父ファルブラヴ×母リトミックダンス)は、半兄が函館1200mで5戦3勝、キーンランドCも勝っているフォーエバーマークなのだから適性は文句なし。ただ1200mデビューがほとんどない藤沢和厩舎で、仕上げが短距離の新馬戦に合っているのか微妙なところだ。
仕上がりで上を行くのがオデュッセウス(牡、美浦・手塚、父ファルブラヴ×母ライツェント)。こちらは2歳短距離戦に強い手塚厩舎というのは心強い。調教では好時計を連発し、早くからゴーサインを出せる態勢が整っている。
馬主さんはユアストーリーで、父がファルブラヴ、管理するのが手塚厩舎となれば、思い出すのはアイムユアーズ。あの馬は新馬こそ3着に敗れたが、函館2歳Sで2着し、その後はファンタジーSやフィリーズレビューなど3歳までに重賞を3勝している。この馬も先々まで楽しめるのでは。

オデュッセウス
牡、美浦・手塚、ファルブラヴ×ライツェント
POGシメイ

 開幕週に出てくるか分からないが、シャドウアプローチ(牡、栗東・須貝尚、父ジャングルポケット×母マルカアイチャン)も注目の1頭。栗東坂路では、ゴールドシップに先着し話題を集めた。函館に滅法強い須貝厩舎で、この馬も初戦から行けるだろう。その函館には矢作厩舎の評判馬マダムクレアシオン(メス、父Invincible Spirit×母リトルブック)が入厩。

 栗東には、クラリティスカイクラリティシチーの半弟になるフィールドシャルム(牡、栗東・西園、父アドマイヤムーン×母タイキクラリティ)が入ってきたが、この馬も函館に行く可能性があるという話。どうやら函館もメンバーが揃いそうで、アツい戦いを期待したい。

先読みPOG

▲兄たちに続く活躍が期待されるフィールドシャルム