今週より新馬戦は全てダート。そのため芝デビューを目標にしながら、最後の芝の新馬戦となった先週を除外になった馬の中には、経験馬相手の不利を承知で芝の未勝利戦でデビューする馬もいるよう。何度かここで採り上げたレッドイグニス(牡3、美浦・鹿戸雄厩舎)も、中山芝1800m未勝利戦へ。ヌーヴェルダンス(牝3、美浦・木村厩舎)も、中山芝1800mか芝2000mの未勝利戦となりそうだ。

ただ2月21日京都芝1600mの未勝利戦で勝ったオリエントワークスのように、1週前の新馬戦を除外されて翌週の未勝利戦にまわり、しっかりデビュー勝ちした馬もいる。
そろそろ芝の未勝利戦も増えて来て、メンバーも手薄になりつつある。合いそうにないダート戦でデビューするなら、経験馬相手でも芝デビューのほうがチャンスは大きいかもしれない。今後は新馬戦に限らず、未勝利戦デビューの馬も挙げていきたい。

さて今週は、出走できれば話題になるのが、阪神ダート1800m戦を予定しているシロインジャー(牝3、栗東・吉田厩舎)。母は白毛で話題になり、交流重賞を3勝したユキチャンで、自身も白毛に出ている。1週前のCWは軽め(以降調教は主に1週前のもの)だが、2週前には坂路で52秒7を馬なりで出しており調整は進んでいる。デビュー戦を飾れば、この馬も大きな話題になるだろう。

シロインジャー

祖母シラユキヒメ、母ユキチャンと同様の白毛馬シロインジャー


同レースを予定しているクインジョウ(牝3、栗東・田中章厩舎) は、母にクイーンCを勝ったエイダイクイン、祖母に中山記念など重賞を3勝したユキノサンライズがおり、筋の通った血統だ。「年明けまで時間はかかったが、じっくりと調整してきた。まだ適性など掴み切れないところはあるが、実戦でどんな走りを見せるか」と塩村助手。なお、阪神3日目ダート1200mに出走の予定もあるとのこと。

そのダート1200戦は、兄に準オープンのタマラマワールンガがいるワイルドファイア(牡3、栗東・荒川厩舎)「馬の状態を見ながらじっくりと調整。上も走っているし、やはりいいモノがありそう。血統から言ってもやはり短い距離向きでは」と佐藤助手。ポリトラックで軽快な動きを見せ、仕上がりは上々だ。

キルシュフェスト(牝3、栗東・宮厩舎)も、半兄に4勝のモンテネオがいる。坂路で52秒台を出しており、こちらも初戦から期待できる。

中山ではダート1800m戦を予定しているタイタンアルム(牝3、美浦・黒岩厩舎)。除外を考慮しての調整だが、上の3頭はセンチュリオンをはじめ3頭全てが新馬勝ち。この馬も初戦から必勝態勢で出てくるだろう。

バーニングマン(牡3、美浦・二ノ宮厩舎)は、兄に交流G1を制したタイセイレジェンドがいる。ウッドで69秒8と時計は目立たないが、馬なりで外目をまわったものなら悪くない。

ダート1200m戦は、グルーヴィー(牡3、美浦・栗田徹厩舎)「軽い骨折があって再仕上げの形だが、前向きな性格で動きもいい。スラっとした体型ではないが、やはり血統的にもダート短距離向きでは」と栗田徹師。
美浦の坂路で53秒3(馬ナリ)の時計を出しており、水準の動きは見せている。初戦から勝ち負けの期待ができる。

新規入厩では、サンタモニカ(牝3、栗東・松永昌厩舎)。半兄には重賞戦線で活躍するマジェスティハーツ、祖母はタイキシャトルに土をつけたテンザンストームがいる。体質が弱く遅くなってしまったが、兄のマジェスティハーツも新馬戦こそ勝ったが本格化は遅かった。この馬もじっくり使っていけば、いずれ台頭してくるだろう。ただPOG的には厳しい。

再入厩組ではベストティアラ(牝3、栗東・大橋厩舎)。兄にモズクインズハリジャンフォワードカフェとPOGでお馴染みの活躍馬が並ぶ。夏に入厩し、兄同様早くからの活躍が期待されたが、脚部不安で休養。デビューは大きく遅れてしまった。デビューさえできれば早いので、うまく行けばPOG期間内に2勝くらいなら期待できるかもしれない。