毎日杯が終わり皐月賞の構図も見えてきたが、その裏ではダービーへ向けての戦いも行われており、青葉賞、プリンシパルS、京都新聞杯に繋がる山吹賞、アザレア賞には素質馬が登場する。

アザレア賞ヴァンキッシュラン(牡3、栗東・角居厩舎)が注目。素質馬が集まった東京芝2400mの500万戦では、超良血レーヴァテインと一騎打ちを展開。これをクビ差抑え2勝目を飾ったかに見えたが、最後の直線で外に斜行したため2着に降着。ただ脚色は勝っており、かわいそうな裁定だった。そんな不運のおかげで再度500万を使わねばならないが、実質2勝馬で、しかも破った相手は青葉賞の有力馬。アザレア賞を楽に勝って、青葉賞ではレーヴァテインと決着をつけたい

ヴァンキッシュラン

山吹賞は、オーダードリブン(牡3、美浦・加藤征厩舎)に注目が集まる。秋の東京でデビューし、ハートレーの2着。敗れたものの、大外から追い込んで勝ち馬に猛然と迫る脚は迫力十分だった。そのハートレーが直後にホープフルSを快勝し、オーダードリブンの株も上がっていたのだが、こちらは疲れもあって休養。久々だった前走は単勝1・1倍の断然人気に応え、大外強襲の派手なレースで勝ち上がった。鞍上のルメール騎手も高く評価しており、山吹賞を勝てばダービートライアルでも上位人気となろう。

ただ、ここは他にも素質馬が出走してくる。ウムブルフ(牡3、美浦・堀厩舎)は、社台Fでも特に期待の高い一頭。気性が荒くコントロールも難しいため素質を持て余している現状だが、まだ能力全開していないだけに不気味な存在だ。

シュペルミエール(牡3、美浦・木村厩舎)は、ヴァンキッシュランが2着だった500万戦で、上がり33秒0の脚を使って3着に入線しており、終い勝負になればチャンスがある。

500万特別2戦のほかには、NHKマイルCへ向けてマーガレットSが行われる。ここはティソーナ(牡3、美浦・藤沢和厩舎)がどんな競馬を見せるか。ハイレベルだった11月の500万ベゴニア賞で2着に入り、マイネルハニーに先着を果たしている。その後500万を勝ちファルコンSを予定も、脚部に疲れもあって間に合わず、マーガレットSにまわっていた。毎度順調さを欠いている状況で100%の仕上がりではないかもしれないが、能力は他より上で、レースぶりを見ておきたい。

馬券的に面白そうなのは、日曜日中山芝1600mの500万戦に出走するオアーゾ(牝、美浦・勢司厩舎)。「気持ちの強さをコントロールするのは課題だが、能力はかなりのモノがある。素質的にはこのクラスが壁になる馬ではない」と勢司師。新馬戦は2馬身差の快勝。2戦目は大敗したが、ゲート入りで難を出しもので参考外にしていい。立て直してきており、巻き返しは可能だ。

オアーゾ

続いては未勝利戦。ダービー馬ディープブリランテの全妹ラヴアンドドラゴン(牝3、藤原英厩舎)がいよいよデビューを迎える。「ケアをしながらじっくりと乗り込みをしている。先々もっとしっかりしてくるといいが、血統馬らしく動きはいい」と藤原英師。出走予定は阪神3日目、未勝利の芝1800m(牝)。1週前の坂路で53秒4-12秒1(強め)の時計をマークし、併せた馬に先着。初戦から好勝負を期待したい。

既出走馬では、デビュー戦で1番人気に推されるも9着に大敗したジョンブリアン(牝3、栗東・池江寿厩舎)が巻き返しを図る。「デビュー戦は良さそうな感じだったが、最後に伸び切れなかった。現時点ではマイルあたりでいいかもしれない」と池江師。半兄にマルカシェンクがいる良血で、2戦目の変身に期待。

POG上位人気馬では、リライアブルエース(牡3、栗東・矢作厩舎)が5か月ぶりに栗東に帰って来た。脚部不安もあって慎重に進めてきたが、今度こそデビューに持っていきたい。坂路では55秒4-12秒5の時計を出しており、まずは順調だ。

前回採り上げたエルプシャフト(牡3、栗東・角居厩舎)はCWの1週前調教で、83秒7-68秒0-11秒7の好時計を余裕をもってマーク。来週のデビューが楽しみになってきた。もう春のクラシックは間に合わないが、ともにPOGで大人気になった馬。最後まで応援したい。