今週の青葉賞は例年以上に質が高い。デビューから2連勝の良血馬レーヴァテイン、(牡3、美浦・堀厩舎)アルカサル(牡3、美浦・大竹厩舎)の2頭に、降着込みで実質3連勝のヴァンキッシュラン、(牡3、栗東・角居厩舎)京成杯、共同通信杯で脚を余して3着のメートルダール、(牡3、美浦・戸田厩舎)そして今世代POG1番人気プロディガルサン(牡3、美浦・国枝厩舎)が待望の復帰と話題も満載だ。3強が皐月賞で敗れ、風雲急を告げる3歳世代。もしかしたら、青葉賞勝ち馬が初めてダービーを勝つのではないか。そんな期待も抱かせる今年のメンバーだ。個人的には、プロディガルサンがいよいよ覚醒すると見ているのだが、果たして。

プロディガルサン

戦列を離れていた良血プロディガルサン。休み明けでもダービーに向け結果を出したいところ。



スイートピーS
は断然の存在だったカイザーバル(牝3、栗東・角居厩舎)が、鼻出血で回避し拍子抜け。フローラSを除外になったコルコバード(牝3、美浦・木村厩舎)、ギモーヴ(牝3、栗東・池添学)が出走してきたら堅そうなメンバーだ。

未勝利戦では、先週のこのコーナーで挙げたアッフィラート(牝3、栗東・藤原英厩舎)が、1週延ばして土曜日の牝馬限定芝1800m戦でデビュー。調教量は豊富で、いきなり勝負になる。
同じレースには、エッジースタイル(牝3、栗東・高橋忠厩舎)も出走予定。「もっとカイバを食べて欲しいという気持ちはあるが、引き続き状態は良さそう。ゲートがあまり速くないので、そのあたりが改善してもう少し競馬に自在性が出てくれば」と高橋師。祖母はウインドインハーヘア、全姉にロカがいる血統で期待されたが、デビューから3,3,4着となかなか勝ち上がれない。POG終了まで約1か月。POGで持っている人はヤキモキしていることだろう。
翌日の京都芝2000m戦にはフリーフォール(牡3、栗東・角居厩舎)が3か月ぶりに出走。ドラフト時は「角居厩舎の隠し玉」なんて噂もあり、初戦もパールコードの2着と力を見せた。間隔はあいたものの、仕上げ上手の角居厩舎。今回は勝機だ。

関東では、天皇賞を2勝したフェノーメノの半妹フォルテミニョン(牝3、美浦・戸田厩舎)がいよいよデビューを迎える。「ゲート試験に時間がかかったりと、我の強さはあるが、血統的にも期待を寄せている馬。実戦でどんな走りを見せてくれるか」と戸田師。 秋華賞に繋がる競馬を見せてほしいものだ。
馬券的に面白そうなのは、半兄にメイショウサムソンがいる良血馬フォーシーム(牝3、美浦・勢司厩舎)。
「兄がそうだったように使いながら変わっていく血統。1度レースを経験できたし、現状は新潟のような軽い芝は良さそう」と勢司師。 1月のデビュー戦は12着と大敗したが、3か月開けて馬がどれだけ良くなったか。復帰戦は新潟。良血馬らしい変わり身を期待したい。

さて今週は、今年初めての2歳馬情報をお伝えする。現在トレセンに入っている馬で、気になる馬を挙げておきたい。

プロディガルサンをはじめ、夏の東京戦に期待馬を出すことが多くなってきた国枝厩舎には、すでにアンティノウス(牡2、美浦・国枝厩舎)が入厩。母は阪神JF3着で、クラシック候補にもなったミクロコスモス。父はクロフネで、GⅠはどうかもPOGではおいしいポイントを稼いでくれそうなタイプだ。
須貝厩舎も、楽しみな馬が2頭。サトノホルス(牡2、栗東・須貝厩舎)は、セレクトセールで4000万の値がついたハーツクライ産駒、フュージョンロック(牡2、栗東・須貝厩舎)は、4勝しているセウアズールの半妹。ともに6、7月デビューを予定している。かたや里見氏、かたや金子氏と、どちらも大物馬主。活躍を見込むのは当然だ。

半兄に若葉S勝ちのレッドソロモン、半姉に準オープンで活躍するレッドオリヴィアを持つレッドラシーマ(牡2、栗東・平田厩舎)も、堅実にポイントを稼いでくれそうなタイプだ。
大量に入厩しているエスティF軍団では、メモリーミネルバ(牡2、美浦・田村厩舎)が目立つ。4月21日には坂路57秒7-13秒4と、この時期の2歳馬としては速めの時計をマーク。半兄のハレルヤボーイは6月の東京でデビューし、メジャーエンブレム、プランスシャルマンの3着だったが、こちらも新馬戦から勝負の匂いだ。


ギモーヴ

前走は除外の憂き目にあったギモーヴ。ここを勝ってオークスへ向かいたい。