最後の東上便、京都新聞杯&プリンシパルSに超良血2騎が出走!
2016/5/1(日)
今週のメインはNHKマイルC(G1)。POG関連馬で有力視されているのはメジャーエンブレム、イモータル、ティソーナか。このあたりはGⅠレースということで新聞、サイトでとり上げられることも多いので、ここではダービーへの最終切符を争う京都新聞杯とプリンシパルSに触れておきたい。
京都新聞杯(G2)は、毎日杯を楽勝したスマートオーディンが断然人気となりそうな雰囲気。大した相手もおらず、前走のように脚を溜められれば勝利は近いであろう。
実績からロイカバードが続くとみられるが、POG的に注目はエルプシャフト(牡3、栗東・角居厩舎)。ブエナビスタ、ジョワドヴィーヴルのGⅠ馬に、アドマイヤオーラ、アドマイヤジャパン、トーセンレーヴ、サングレアルと、兄姉に重賞勝ち馬が6頭いる良血で、POGでは毎度上位で消えるお馴染みの人気血統だ。体質が弱く、先月の9日と遅いデビューだったが、中団からあっさり抜け出して快勝。やはり資質は高いと見える。さすがに2戦目で京都新聞杯は厳しいが、最後までPOGファンの夢を乗せての挑戦に、拍手を送りたい。
プリンシパルSはスマートオーディンのような存在はなく、多くの馬にダービー切符のチャンスがある。一番近いのはエフティスパークル(牡3、美浦・鹿戸厩舎)か。前走は休養明けだったが、2着以下を子供扱いの楽勝。中山芝2000mの勝ち時計2分0秒1は、弥生賞が1分59秒9だから、馬場差を考慮しても優秀だ。母は桜花賞、オークス2着のエフティマイア。ダービーへ出ても恥ずかしくない背景は持っている。
血統なら飛び抜けて目立つのがショパン(牡3、栗東・角居厩舎)。上にGⅠ馬アドマイヤグルーヴをはじめ、ルーラーシップ、フォゲッタブル、グルヴェイグと重賞勝ち馬がズラリ。勝った未勝利戦は辛勝だったが、その後休養を取り、帰厩後の調教は前走から見違えるほどよくなっている。レースでも、大きな変わり身を見せてもらいたい。
POGファンの期待を背負う良血馬、エルプシャフト
500万クラスで目に付くのは、土曜日の東京芝1800m戦を予定のグリントオブライト(牝3、美浦・戸田厩舎)。
「素質はあった馬で、前回は距離を延ばしてみたのだが、それがいい方に出てくれた。広い東京もいいと思うし、ここでも能力は通用するはず」と戸田師。
人気を裏切るレースも多かったが、前走は鬱憤を晴らすような快勝劇で時計も優秀。距離が延びて良くなったのでオークスにも出したい馬だが、もし勝ってもローテーション的に厳しいか。
未勝利戦では、日曜日京都の芝1600mを予定しているアルティマヒート(牝3、栗東・平田厩舎)。ここはデビュー戦となる。「ゲート試験に受かった後も成長を見ながら、時間をかけて調整。姉よりは性格は素直で扱いやすい」と平田師。
半姉トータルヒートは5勝を挙げたオープン馬。活躍の場はマイル前後か。
馬券的に面白そうなのはスターズレディ(牝3、美浦・栗田徹厩舎)。「芝でも好走しているが、以前からダートは使ってみたいと思っていた。走りはセンスがあるので変わってくれても」と栗田徹師。レースは、3歳未勝利のダート1600m(牝)を予定。母はアメリカの重賞ウィナー。初のダート挑戦で大きな変わり身を見込める。
なお先週紹介したフリーフォール(牡3、栗東・角居厩舎)は更に乗り込みを増やすため、1週延ばして土曜日の京都芝2000m戦に出走。ルメール騎手が鞍上で、勝ち負け必至だ。
最後に、入厩している2歳馬の紹介に入りたい。
目立つのは手塚厩舎で、楽しみなのは2頭。ホットセット(牡2、美浦・手塚厩舎)は、早くからポイントを稼げそうな馬。半兄のデュアルスウォードはオープンの京葉Sなど5勝をマーク。手塚厩舎得意の短距離で活躍を見込める。オープン特別2勝のオデュッセウスを想定したい。
エイプリルミスト(牝2、美浦・手塚厩舎)は、母がスターダムバウンド。と聞いてもピンと来ないかもしれないが、ノーザンF期待の繁殖牝馬で、兄のシーサイドバウンド、キングカヌヌも募集価格が高かった。その2頭は期待に応えているとは言い難いが、エイプリルミストは父がディープインパクトに変わったので、再度期待したい。
手塚厩舎同様、短距離に強い安田隆厩舎。こちらも面白そうな馬が2頭入っている。モンドキャンノ(牡2、栗東・安田隆厩舎)は、母がアイビスサマーダッシュで3着に入ったレイズアンドコール。父は昨年の小倉2歳S覇者シュウジと同じキンシャサノキセキで、この馬も小倉2歳Sを目指したい。
メイトサン(牡2、栗東・安田隆厩舎)は、半兄に現3歳ダート戦線でトップクラスのグレンツェントがいる。とりあえず芝でデビューするとは思うが、父がダイワメジャーで兄同様パワーもありそうだ。
他厩舎では、ミラアイトーン(牡2、栗東・池江寿厩舎)。池江寿厩舎-島川オーナーという格高ラインで、セレクトセールでは7000万円近くの値がついた馬。6月阪神を予定しており、ドラフトでも中位くらいで消えそうだ。
ワンフォーオール(牡2、栗東・松元厩舎)は、母が交流重賞を勝ちまくったラヴェリータ。近親にもハッピースプリントなどダート馬も多いが、父がディープインパクトなので、芝でも期待したい。
偉大な母や姉たちに負けない走りをショパンに期待したい
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。