プロディガルサンポルトフォイユと期待の良血馬が順調に新馬戦を勝利したノーザンF軍団だが、今週も牧場屈指の評判馬がデビュー。7月11日の中京のマイル戦を予定している藤原英厩舎のシルバーステート(牡、父ディープインパクト、母シルヴァースカヤ)である。
 入厩後の調教も素晴らしいもので、3週前にはCWで上がり1F11秒半ばの好時計を軽々マーク。その後、熱発で1週間速い時計を出さなかったが、1週前に6Fから83秒台、上がり1F11秒7を楽にマークしており、休んだ影響は無さそうだ。全兄のオリハルコンはかなりの期待をかけられながら、POG期間内は1勝。そのため全弟のシルバーステートにも疑問符をつけていたが、調教の動きは兄のデビュー前を完全に超えており、こちらは期待通り走ってくれそうな雰囲気だ。

ただ調教ならオーバーカム(牡、栗東・松永幹、父ネオユニヴァース、母プラジェラート)も負けていない。こちらはCWで82秒7-67秒3-11秒6をマークし、古馬のカレングラスジョーを3馬身突き放した。全兄のイタリアンネオはPOG期間内に2勝したが、こちらは兄以上の活躍も期待できる。

シルバーステート
牡、栗東・藤原英、ディープインパクト×シルヴァースカヤ
POGシメイ

福島では、7月12日芝1800m戦のスピアザゴールド(牡、美浦・久保田、父ネオユニヴァース、母キューティーゴールド)が血統的に魅力のある馬。半姉に秋華賞馬ショウナンパンドラがいる他、近親にはフェイムゲーム、ベルーフがおり活力のある一族だ。調教はウッドで5Fから馬ナリで70秒台と軽いが、ここまでしっかり負荷はかけられているので大丈夫。初戦から期待したい。

 函館では、初めての中距離戦になる芝1800m戦が12日に行われる。一番の注目はアドルナメンテ(牝、栗東・須貝尚、父ワークフォース、母インディゴワルツ)。6月24日の栗東坂路で51秒6の好時計を出し評価を上げた。須貝厩舎の函館芝1800mデビューと言えば、ゴールドシップ、ローブティサージュと後のGⅠウイナーがいる。この馬も偉大な先輩に続きたい。
同レース予定のグローリーミスト(牡、栗東・中竹、父ワークフォース、母ミスティフォレスト)は調教の動きはイマイチだが、半姉シンラバンショウは新馬勝ち。更に母はグランプリボスの半姉で、同馬自身も新馬勝ちと初戦向きの一族。直前の調教で動けば、勝機も見えてくる。

スピアザゴールド
牡、美浦・久保田、ネオユニヴァース×キューティゴールド
POGシメイ

アドルナメンテ
牝、栗東・須貝尚、ワークフォース×インディゴワルツ
POGシメイ

 新規入厩に目を向けると、友道厩舎が、「新馬はもちろん先々まで楽しめる」と話すココファンタジア(牝、栗東・友道、父ステイゴールド、母ココシュニック)が目立つ。半兄のステファノスはPOG期間内に3勝し、後に重賞勝ち。こちらも重賞勝ちを見込める馬だ。
 その他では、ここ3代の兄がグランプリブラッドフラムドグロワールネオルミエールとオープン馬が続いているプリンシパルスター(牡、栗東・矢作、父ダイワメジャー、母シルクプリマドンナ)、NHKマイルC勝ち馬ミッキーアイルの半弟ダノンスパーク(牡、栗東・音無、父ヴィクトワールピサ、母スターアイル)、スプリンターズ勝馬アストンマーチャンの半妹ラパンノワール(牝、美浦・斎藤誠、父ステイゴールド、母ラスリングカプス)あたりは血統的に楽しみなところ。

ココファンタジア
牝、栗東・友道、ステイゴールド×ココシュニック
POGシメイ

 またトレセン入厩はしていないが、アルバートドックの全弟で今年のPOGで上位人気のリライアブルエース(牡、栗東・矢作、父ディープインパクト、母ゴールデンドックエー)がしがらきトレセンへ、ダイワマッジョーレハイアーゲームの半弟ファンタサイズ(牡、栗東・矢作、父ハーツクライ、母ファンジカ)がグリーンウッドファームヘ、オルフェーヴルドリームジャーニーの全妹エストソルシエール(牝、栗東・池江寿、父ステイゴールド、母オリエンタルアート)が吉澤ステーブルWESTへと、それぞれ栗東近くの牧場に入っており、入厩間近。
特にエストソルシエールは、POG本の取材の頃は遅いと聞いていただけに、予想以上の進行。このきょうだいには珍しく体もあり、どんな馬に成長したか、トレセンでのお披露目が楽しみだ。

ゴールデンドックエーの2013
牡、ディープインパクト×ゴールデンドックエー
POGシメイ

エストソルシエール
牝、栗東・池江寿、ステイゴールド×オリエンタルアート
POGシメイ