注目は朝日杯だけじゃない!東西で良血評判馬が登場だ!
2016/12/12(月)
サトノアーサーと双璧をなす、サトノ軍団期待の1頭がデビュー!
牝馬に比べ、牡馬は低レベルとの見方が多かった今年の2歳世代だが、12月4日のシクラメン賞でサトノアーサーが32秒7の高速上がりをマークして快勝。ようやく牡馬にも本物のクラシック候補が現れた。ちなみに上がり3F32秒7の時計は、オーバーシードで時計が出にくい12月開催に絞ると、ここ10年では古馬を含めてもナンバー1の時計。もしかしたら3冠級の怪物かもしれない。
そのサトノアーサーも、新馬戦は同着の大苦戦。何とか勝ったものの、当時は評判倒れの声も多く、厩舎周辺でもガッカリ感はあったようだ。そんな頃に、「もう1頭の里見さんの馬こそが、池江厩舎の2歳牡馬の一番馬では?」と言われていたのがサトノクロニクル(牡2、栗東・池江寿厩舎)である。ここまで順調に調整され、今週日曜日の阪神芝1800m戦で、いよいよベールを脱ぐ。
「能力はいいモノがありそう。初戦から期待しているし、先々まで楽しみ」と池江師も力が入る。鞍上は川田騎手。調教でも目立っており、1週前もCWで6Fから時計を出し、5F67秒台、上がりは12秒を切る好時計(以降、調教は主に1週前のもの)で、サトノシャークをちぎった。半兄にはダービー2着のサトノラーゼンがおり、血統もクラシック向き。デビューは少々遅くなったが、同僚のサトノアーサーを追いたい。
サトノクロニクルは同厩サトノアーサー以上の逸材かも?
同レースは、他にも評判良血馬がスタンバイ。バリオラージュ(牡2、栗東・角居厩舎)は、半兄にサウンズオブアース(G1・2着3回)がおり、父がディープインパクトに変わり、更に期待度が増す。「格上の馬を相手にしても食らいつく動きで、素質を感じさせる。まだまだ良くなりそう」と岸本助手。鞍上はMデムーロ騎手。
CWでは全体時計こそ遅かったが、終い1Fを余裕もたせの12秒で締め、チャレンジC4着のフルーキーと併入。厩舎の傾向から思い切り仕上げた感はないが、力を出せる状態にある。
調教、血統ともに目立つのはプラチナムバレット(牡2、栗東・河内厩舎)。CWで5F66秒台、終い1Fは12秒を切っており、河内厩舎らしく初戦から勝ち負けになる態勢は整っている。半姉はスマートレイアー(重賞3勝)で、新馬だけでなく先々まで楽しみだ。
前日土曜日の阪神芝1200m戦は、ミスパッション(牝2、栗東・角田厩舎)に注目。時計はそれほど目立たないが、馬なりのまま1F12秒前半で締めており、合格点を与えられる。母のウィルパワーは4勝、母の兄にアイルラヴァゲイン(スプリンターズS3着)、母の弟にリアルインパクト(安田記念)、ネオリアリズム(札幌記念)がおり、1200mデビューだが、距離には融通がききそうである。
プラチナムバレットは最近好調のノルマンディーOCの所有馬
中山には今年の皐月賞馬・ディーマジェスティの全弟が登場!
中山では、土曜日の芝1800mで良血馬がデビュー。ディーグランデ(牡2、美浦・二ノ宮厩舎)は、全兄に今年の皐月賞馬ディーマジェスティがいる。「夏の函館で入厩したが成長を促して放牧へ。まだ気性的に幼く、折り合いに課題はありそうだが、そのあたりが解消してくれば」と三浦助手。鞍上はもちろん蛯名騎手。美浦ウッドで6F82秒台、6F66秒台をマークし仕上がり、動きともに上々。初戦から好レースを期待できる。
POG人気は落ち着いてきたが、ダイワエトワール(牝2、美浦・鹿戸雄厩舎)は名牝ダイワスカーレットを母に持つ良血馬だ。調教はウッドで71秒台と軽め。現状では使ってからというイメージが強い。
同日の中山ダート1800m戦は、ザッツアマイン(牡2、美浦・国枝厩舎)。半兄には現3歳のマインシャッツがいる。ウッドで5F69秒台、上がりは13秒後半で併せたケイブルグラムに遅れと動きは地味だが、ハミを取らないところがあるというので、遅れは能力的な問題では無かろう。レースへ行っての変身に期待したい。鞍上は戸崎騎手。
日曜日の中山1600m牝馬限定戦は、東京RHから2頭。レッドエルソル(牝2、美浦・大竹厩舎)は、ウッドで5F68秒台、上がり13秒を馬ナリでマークと動きは軽快。母のアルダントヌイは新馬、500万と連勝しており、この馬も早いうちから結果を残してくれるのでは。
レッドボヌール(牝2、美浦・宗像厩舎)は、母のセリメーヌがフランスでG3を2勝、フランスオークスで4着の実績がある。まだ調教は目立たないので、最終調教に注目したい。このレースには他にも、母の兄にハイアーゲーム(青葉賞)、母の弟にダイワマッジョーレ(重賞2勝)がいるフェザーリング(牝2、美浦・大和田厩舎)、近親にピイラニハイウェイ(交流重賞2勝)がいるルージュリアン(牝2、美浦・武藤善厩舎)も出走を予定している。
新規入厩で目立つのはフルボイス(牝2、美浦・堀厩舎)。半兄にトーセンジョーダン(天皇賞・秋)、トーセンホマレボシ(ダービー3着)、近親にカンパニー(G1を2勝)がいる良血。堀厩舎なので、デビューは2月の東京あたりか。
再入厩で目が行くのは、国枝厩舎の2頭ブリスアンドラック(牝2、美浦・国枝厩舎)、マンハイム(牝2、美浦・国枝厩舎)の2頭。マンハイムは半兄にワールドエース(重賞2勝、皐月賞2着)がおり、年末デビューを予定している。
血統表に活躍馬がズラリと並ぶフルボイス
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。