好時計マークのエイシンスレイマン、デビュー勝ちなるか!

今週は3日間開催で話が散らばると分かりにくくなるので、阪神の金曜日から順番に見ていきたい。まずは金曜日の阪神芝2000m戦。調教が目立っているのはエイシンスレイマン(牡2、栗東・西園厩舎)だ。1週前(以降も調教は主に1週前のもの)はCWで5F65秒台、終いも12秒で締めており、併せた相手に3馬身ほど先着している。陣営も「雰囲気を感じる」と期待を持っており、初戦から勝負になりそうだ。鞍上は武豊騎手。

ララオーロ(牡2、栗東・高野厩舎)もCWで追われ、全体時計は遅いものの終いを12秒台で締め、3頭併せで再先着している。母はアルゼンチンのオークス馬。昨年のクラシックはマカヒキ、サトノダイヤモンドと南米母系の馬が活躍したが、今年もその流れをつくれるか。

ヴァントシルム(牡2、栗東・須貝尚厩舎)は坂路で53秒6-13秒0(一杯)と目立つ時計ではないが、2週前はCWで終い1F12秒をマークしている。半兄にショウナンラグーン(青葉賞)がおり、距離が延びてもいいタイプだ。

阪神ダート1800m戦では、血統的に目立つのがシュクルダール(牝2、栗東・宮厩舎)。芝で追い切られ併せた馬に先着したが、5F68秒、上がりも13秒かかっており時計は地味。半兄にG1馬ベルシャザール(ジャパンCダート)がおり、ダートで一変なるか。

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セレクトセールで2億7000万円、父母合計でG1・18勝のアドマイヤアゼリ

土曜日の阪神芝1800m戦は、POGでも上位人気になったアドマイヤアゼリ(牡2、栗東・須貝尚厩舎)が登場。母のアゼリはアメリカでG1を11勝。年度代表馬にも輝き、殿堂入りした名牝だ。全兄のロイカバードはセレクトセールで2億5200万円(税込)の高額がつき、きらさぎ賞、京都新聞杯で3着に入っている。アドマイヤアゼリも、セレクトセールで2億7000万円と兄を超える値がつき、デビューが待たれていた。

「じっくりと乗り込めて力を出せる態勢。血統的な魅力もあるし、初戦からどんな走りを見せてくれるか、陣営も力が入っている」とトレセン関係者の話。調教はCWを中心に、2週前は終い12秒を切る時計。1週前は上がりがかかったが、6F82秒台の速い時計をマークしている。体質に弱いところがあり、いきなり走るタイプではないが、大事に使っていけば先々は走ってくるだろう。

同じディープ産駒として、負けていられないのはインウィスパーズ(牡2、栗東・音無厩舎)。坂路53秒2で併せたサンライズノヴァに遅れたが、相手は新馬楽勝の馬で仕方あるまい。祖母にシンコウラブリイ(マイルCS)がおり、半兄のレトロロックは新馬戦を馬ナリで楽勝。新馬戦から勝ち負けできる背景はある。

阪神ダート1400m戦はヒートアイズ(牡2、栗東・庄野厩舎)。CWで67秒台と水準の時計が出ており、デビューに向けて順調に調整は進んでいる。母のビーチアイドルは3勝。祖母のビーチフラッグは交流重賞で2着が2度あり、ダート戦線での活躍を望む。

日曜日の阪神芝1600m戦は、なかなかの好カード。ファヴォーラ(牝2、栗東・藤原英厩舎)は開幕週でデビューの予定だったが、除外になった後は最終週まで待った。おかげで更に仕上がりも進み、CWで67秒、上がり12秒と時計もいい。父は話題のフランケル。ソウルスターリング、ミスエルテを追いかけたい。

ハリーレガシー(牡2、栗東・音無厩舎)は、全姉が桜花賞馬ジュエラー、半姉には重賞4勝のワンカラットもおり、勢いのある一族だ。「素直で扱いやすいタイプ。距離にも多少の融通性はありそうだが、まずはこの条件から」と音無師。上がりはかかったが、CWで6F82秒台が出ており、初戦から楽しみだ。

一つ上が活躍しているのはドゥハ(牝2、栗東・安田隆厩舎)も同じ。半兄にはレインボーライン(菊花賞2着)、全姉にアニメイトバイオ(ローズS)がいる。坂路で52秒1をマークしており、初戦から好勝負できる。

他にも、母がアメリカのG1で2勝しているディヴァインハイツ(牝2、栗東・石坂厩舎)、近親にアルナスライン(G12着2回)がいるアストロノート(牝2、栗東・渡辺薫厩舎)も出走を予定している。

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今年の桜花賞馬ジュエラーの全弟・ハリーレガシー

中山にも重賞ウイナーの妹弟がズラリ!

続いては中山。土曜日の芝1600m戦のファウンダー(牡2、美浦・斎藤誠厩舎)は、2週前にデビュー予定もアクシデントで回避。改めてのデビュー戦となる。半兄のミュゼスルタン(新潟2歳S)は早くから活躍しており、POG向きだ。

マンハイム(牝2、美浦・国枝厩舎)は、半兄にワールドエース(重賞2勝、皐月賞2着)。坂路55秒7-13秒0(馬ナリ)と大人しい内容だが、陣営は新馬戦から好勝負を期待しており、運動量は足りているのだろう。

ルミナスコースト(牝2、美浦・和田郎厩舎)の母は、ウオッカが勝った超ハイレベルの阪神JFで3着したルミナスハーバー。半姉のアットザシーサイド(桜花賞3着)も走っており、早くに活躍を見込める血統だ。

日曜日の中山芝2000m戦は、POGでも中位あたりで指名されていたフライベルク(牡2、美浦・木村厩舎)がデビュー。母はアメリカのG1勝ち馬。鞍上がルメール騎手ということから、期待の高さが窺える。

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ルミナスコーストの半姉は桜花賞3着・アットザシーサイド

仕上がりが進んでいるのはデアレガーロ(牝2、美浦・大竹厩舎)。負荷のかかる美浦ウッドで6Fから時計を出し83秒台、終いが13秒前半なら悪くない。兄姉はベステゲシェンクシュプリームギフトロワアブソリューと短距離~マイルで活躍している馬が多いが、果たしてデアレガーロの2000mデビューはどんな結果を生むのか。

距離が微妙なのはダンスアラウンド(牡2、美浦・田中剛厩舎)も同じ。ウッドで68秒台、上がり13秒と動きは上々。半姉は1400~マイルで活躍するダンスアミーガで、新馬戦レベルの中距離は大丈夫だが、将来的には距離が課題になるかもしれない。

中山ダート1200m戦は、アニマルインミー(牡2、美浦・小島茂厩舎)の評判が高い。「稽古の動きがいいね。スタートは速いし、パワーがあっていかにもダートの短距離タイプ」と小島茂師。鞍上はMデムーロ騎手を予定。坂路調教ではテスタメントと併入と動きは良好である。アトラクティヴアイ(牡2、美浦・杉浦厩舎)も、内を回ったとはいえ、ウッドで6F66秒台、終いは12秒で上がっており、こちらも初戦から行ける雰囲気だ。

新規入厩は、ディープインパクト産駒の3頭を紹介。ジッパーレーン(牝2、美浦・戸田厩舎)は、母がオープン特別など5勝したカウアイレーン。近親にはブラックホークピンクカメオのG1馬がいる。東京RHからは、レッドヴィクター(牡2、美浦・藤沢和厩舎)、レッドアメリア(牝2、美浦・鹿戸雄厩舎)の2頭。特にレッドヴィクターは、藤沢和調教師が2歳世代の中でも特に期待をかける評判馬。どのレベルの器なのか、デビューが待たれる。