今週で福島、中京、函館開催が終了。最終週ということでメンバーも寂しくなると思いきや、良血馬も多くおり、クラシック候補誕生の期待もある。

 メンバーが一番揃いそうなのが26日(日)の中京マイル戦。血統的に目立つのはワントゥワン(牝2、栗東・藤岡健、父ディープインパクト、母ワンカラット)。母は重賞ウィナーで、ディープインパクト×ファルブラヴの配合はあのハープスターと同じである。 「馬体を見ると父ディープインパクトの影響が強く出ている印象もあります。いいフットワークをしますよ」と語るのは仲田助手。調教も水準の時計は出しており、初戦から行ける。鞍上は藤岡佑騎手を予定している。
一方のココファンタジア(牝2、栗東・友道、父ステイゴールド、母ココシュニック)はステファノスの半妹だ。「背中、乗り味のいい馬。肉体的にもこれからまたまだ変わってきそう。気難しさも今のところはないし、素質を感じる」と林助手。調教では、併せた相手が稽古駆けするジュンヴァルカン(牡2、栗東・友道厩舎)が相手のため遅れてしまったが、この馬もしっかり動けている。鞍上はパートン騎手を予定している。

先読みPOG

▲母と同じく藤岡健一厩舎が管理 早くから乗り込まれているワントゥワン(6月撮影)


 函館では、芝1800m戦に出走するヴァンキッシュラン(牡2、栗東・角居、父ディープインパクト、母リリーオブザヴァレー)が話題の中心。トーセンの冠こそ付いていないものの。島川オーナーの馬で、セレクトセールでは2億円近い値がついた良血馬だ。
「2歳馬だが精神的にもドッシリ。そういう意味で、まだ本気で走っていない感じがあり、もっと良くなると思う。走ってもらわないと困る1頭」と松田助手も大きな期待をかける。調教で動ききれていないぶん初戦からというタイプではないイメージだが、この内容で勝てるようなら先が更に楽しみになる。鞍上には岩田騎手を予定している。

 福島では、芝1200m戦を予定しているラパンノワール(牝2、美浦・斎藤誠、父ステイゴールド、母ラスリングカプス)。「ゲートに難がある、デビューを伸ばす可能性もある」と出走が流動的ではあるが、姉はスプリンターズSを勝ったアストンマーチャンという良血。出てくれば注目せざるを得ない。

ワントゥワン
牝、栗東・藤岡健、ディープインパクト×ワンカラット
POGシメイ

ヴァンキッシュラン
牡、栗東・角居、ディープインパクト×リリーオブザヴァレー
POGシメイ

ココファンタジア
牝、栗東・友道、ステイゴールド×ココシュニック
POGシメイ

 間もなく新潟、小倉、札幌開催も始まるので、そこへ向けての調整が進む馬にも楽しみな馬がたくさんいる。
新潟を予定している馬ではミッキーグローリー(牡2、美浦・国枝、父ディープインパクト、母メリッサ)、サトノキングダム(牡2、美浦・国枝、父ディープインパクト、母ダリシア)ら国枝勢に注目が集まる。特にミッキーグローリーは、先週の調教で軽快な動きを披露。トレセンでは早くも「大物か」なんて声も挙がっており、デビューが待たれるところだ。

 新規入厩組で有力馬が目立つのは北海道。函館には、POGでも上位人気になったシンハライト(牝2、栗東・石坂、父ディープインパクト、母シンハリーズ)。全兄にアダムスピーク、半兄にアダムスブリッジ、半姉にリラヴァティと、オープン馬が3頭。ノーザンF日下厩舎でも上位の評価を得ていた馬で、2歳牝馬全体の中でも特に期待が高い。
同じく日下厩舎出身のチェッキーノ(牝2、美浦・藤沢和、父キングカメハメハ、母ハッピーパス)は、コディーノの全妹。POG向きの血統なので、早くから稼いでくれるのでは。プレリュードフィズ(牝2、栗東・石坂、父キングカメハメハ、母マンハッタンフィズ)は、重賞ウイナーのダービーフィズアプリコットフィズクレスコグランドの妹。馬体が小さく、体もしっかりしていないと聞いていたので、この時期の入厩は予想外だった。
牡馬では、シャケトラ(牡2、栗東・角居、父マンハッタンカフェ、母サマーハ)。半姉のモルジアナは6戦2勝。2勝ともにダートだが、芝でもオープンのクリスマスローズS2着がある。角居―金子ラインで、一発ありそうな気配だ。ディープエクシード(牡2、栗東・松永昌、父ディープインパクト、母オールアイキャンセイイズワウ)は、馬主さんが岩田騎手と懇意にしていることもあり、鞍上がほぼ岩田騎手になるのは心強い。

先読みPOG

▲兄・ダービーフィズが函館記念を制したばかりのプレリュードフィズ


 札幌には、GⅠウイナー・レーヴディソールの初仔になるアラバスター(牡2、栗東・松田博、父ハービンジャー、母レーヴディソール)が入厩。母が2歳牝馬チャンピオンなら、こちらは2歳牡馬チャンピオンを狙って朝日杯FSが目標か。来年2月で引退の松田博師のために、この目標は達成したい。

 本州に戻って、栗東にはハイアーゲーム、ダイワマッジョーレの半弟ファンタサイズ(牡2、栗東・矢作、父ハーツクライ、母ファンジカ)が入って来た。同厩のダイワマッジョーレ同様、マイル向きという評価もあり、おいしいポイントを稼いでくれそうなイメージである。

ミッキーグローリー
牡、美浦・国枝、ディープインパクト×メリッサ
POGシメイ

プレリュードフィズ
牝、栗東・石坂、キングカメハメハ×マンハッタンフィズ
POGシメイ

アラバスター
牡、栗東・松田博、ハービンジャー×レーヴディソール
POGシメイ